熊本を肌で感じる銭湯3選

人のあたたかいまち・熊本。そんなまちに来たからには、そのあたたかさを存分に感じてほしい。そこで、熊本の良さを肌で感じられる銭湯をご紹介します。熊本の日常に溶け込んだ銭湯で、地元の人との会話や旅の偶然が重なる一期一会を楽しんでください。
- 大福湯
- 世安湯
- たかの湯
大福湯
創業は80年以上前。熊本市の中心街から徒歩5~10分の「大福湯」。軟水の冷泉を沸かしたお湯と、冷気・中温・高温の3つのサウナには今でも根強いファンが多い。また浴槽にはジェットや寝湯、電気風呂、薬風呂、岩風呂、水風呂などが揃う。「いつもそこに在る――」。そんな安心感の漂う銭湯だ。

熊本地震の際には、約5ヵ月間、入浴できない被災者の身体と心を温めた。昼間はご近所のお年寄り、夜は学生やサラリーマンの利用者が多い

四代目主人の野村さんが家族で切り盛りしている。番台と漫画本の並ぶ畳の間、コーヒー牛乳、レトロな靴箱、そして馴染みのお客さん。銭湯の日常に溶け込んで、熊本を肌で感じよう

ビルの2階。近ごろは国内外からの観光客も訪れる。ひとつの文化として、銭湯人口が広がればと期待を寄せる
店舗名 | 大福湯 |
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住所 | 熊本市中央区坪井2-5-28大福マンション |
電話番号 | 096-343-7868 |
営業時間 | 13:00~23:00 |
休み | 火曜 |
料金 | 大人390円、学生300円(学生証提示)、小学生150円、乳幼児80円 |
カード | 不可 |
駐車場 | あり(15台) |
関連リンク | 「熊本銭湯」ホームページはこちら(外部リンク) |
世安湯
創業1930年(昭和5年)。現代の名工・中島盛夫氏による富士山の絵が見事なお風呂は、熊本市内唯一の薪焚きだ。この銭湯を切り盛りするのが三代目主人の坂﨑さんご夫妻。お客さんと銭湯への愛情にあふれる二人が、お風呂を通して人と人を繋いでゆく。初めて訪れる人にもその温もりが伝わる。

伝統的な熊本スタイル(中央に飛び出した浴槽・その左右にカラン・天井に湯気抜き)を体感できる。熊本地震で被災したが、富士の絵は奇跡的に残った。2017年11月に営業を再開

細い路地を入った住宅街の中。地元の大学生との活動や旅人とのやりとりの中で、面白い化学反応が生まれることも。銭湯が人を呼び、人がまた人を呼ぶ

「お湯を通して、こころとからだを整える“町の湯治場”でありたいと思ったんです。熊本の人も旅人も和やかにお湯を楽しめる、そんなコミュニティの生まれる拠点に。」と語る坂﨑さん。今後も楽しみ
店舗名 | 世安湯 |
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住所 | 熊本市中央区世安町448 |
電話番号 | 096-325-8348 |
営業時間 | 16:00~22:00(最終入場21:30) |
休み | 火・水曜 |
料金 | 大人400円、学生300円(学生証提示)、小学生150円、乳幼児無料(大人の保護者1名以上との入浴に限る) |
カード | 不可 |
駐車場 | あり(10台) |
関連リンク | 「熊本銭湯」ホームページはこちら(外部リンク) |
たかの湯
健軍商店街から徒歩約5分。「たかの湯」は、かつて熊本県で初めて湿式サウナを取り入れた銭湯だ。現在設置しているのは遠赤外線の乾式サウナだが、入浴とあわせてサウナを目当てに毎日訪れる人が多い。地元の人の暮らしの一部になっているため、同じ時間に同じお客さんがやって来るのだとか。

通常の浴槽のほか、ジェットや電気風呂などを完備。サウナとセットでどうぞ。市電・健軍町電停から徒歩7分。熊本市動植物園や江津湖から車で5~10分なので、遊んだ後に汗を流して帰るのもいい

昭和を彷彿とさせるお釜ドライヤーが。ご主人は昔から隣で理髪店を経営。当時、お風呂のない家が多かったため、隣にあったこの銭湯を引き継ぐことに。現在の建物になって約20年

熊本市内東部で唯一の銭湯。熊本地震の際は一部破損のみだったため、被災した方への無料開放を約5ヵ月間実施した
店舗名 | たかの湯 |
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住所 | 熊本市東区栄町1-46 |
電話番号 | 096-369-9512 |
営業時間 | 14:00~23:00 |
休み | 月曜 |
料金 | 大人400円、小学生150円、乳幼児80円 |
カード | 不可 |
駐車場 | あり(20台) |
関連リンク | 「熊本銭湯」ホームページはこちら(外部リンク) |
長く愛されてきた熊本の銭湯をご紹介しました。その土地に馴染み、気軽に利用できる銭湯はコミュニティのひとつでもあります。気持ちのいい湯と人との出会いに、熊本のおもしろさを実感できるかもしれませんよ。

山口文子
長く出版社で旅行情報誌の編集・営業に携わり、現在ジー文堂として、フリーで活動中。「唐揚げは家で作らず、唐揚げ屋で買ってくるものだ!」と主張する大分県出身。数年前には熊本暮らしの方が長くなりました。豊かな自然と歴史に溶け込んだ熊本のまちは、飽きることがありません。島旅と緑と猫とパンダが好き。趣味はドラマ鑑賞。
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