ボランティアガイドが案内!今しか見ることのできない熊本城
熊本市中心市街地に威風堂々とそびえたつ、熊本城。2016年4月の熊本地震で甚大な被害を受けましたが、刻々と復旧工事が進んでいくお城の姿は、まさに“復興のシンボル”。県民に大きな希望を与えてくれるだけでなく、今しか見ることのできない姿は、観光で訪れる人にとっても、必見のスポットです。ボランティアガイドの黒瀬洋介さんに、見どころを案内してもらいました。
ガイドさんの案内で、ディープな熊本城を見て回ろう!
熊本城観光におすすめなのが、熊本観光ボランティアガイド「くまもとよかとこ案内人の会」のガイドさんと一緒に、熊本城の見どころを抑えながら見学するプラン。歴史をひもときながらの人情味あふれる案内に加え、地震後の復旧の様子についてもじっくり説明してもらえますよ。さあ早速、ガイドの黒瀬さんの案内で熊本城見学とまいりましょう。
プランは、二の丸広場~加藤神社を案内する60分コースや、熊本城を一周する120分コースなどを用意
ガイドの窓口は、「桜の馬場 城彩苑 総合観光案内所」内に設置
奇跡の一本石垣の「飯田丸五階櫓」では、石積みの復旧工事が進行中
受け付けを済ませたあと、最初にやってきたのは、「飯田丸五階櫓」が見えるポイント。地震後、“奇跡の一本石垣”として話題を集めた櫓は、すでに解体され、現在は石積みの復旧作業が始まっていました。
地震直後に自らが撮影した写真を手に説明
地震前にガイドルートだった場所にも石垣が崩落
熊本城のメインゲート「西大手門」と「二の丸広場」から臨む熊本城
市民の憩いの場所であり、地震後はさまざまな復興イベントが開催されている二の丸広場。ここから、天守閣(大天守・小天守)と、国指定重要文化財の「宇土櫓」を正面に見ることができます。2019年秋には、大天守の外観復旧工事が完成予定で、同年10月5日(土)にいよいよ始まる第一弾の特別公開へ向けた工事が着々と進行中です。黒瀬さんのおすすめは、約400年前の姿を残す宇土櫓。「加藤清正公が築いた当時の姿が地震で崩れずに残っているというのはすごいですよね」と感慨深げに話してくれました。
二の丸広場から見える、熊本城。右から大天守、小天守、宇土櫓
メインゲートの西大手門には、回収した部材が置かれ、現在も立ち入り規制中
崩れた石垣が置いてあるエリア。一つひとつに番号がふられ、旧来の位置に石を戻す工事が進められていく計画
石垣が崩落したままの「戌亥櫓」の様子
立ち入り規制が解除になった「二の丸御門跡」
三の丸駐車場の脇にある「二の丸御門跡」。地震後、石垣の倒壊により立ち入り規制がしかれていましたが、安全対策を施し、2018年11月末より通行が可能になりました。
石材を回収し、安全対策が完了
二の丸広場があるエリアへの移動がスムーズに
ありありと復旧復興のいまを見せていく
最後に案内してくれたのは、加藤神社の境内から間近に臨む迫力ある熊本城。熊本地震後の復旧工事の特筆するべきポイントは、工事の様子を見せていくというスタイル。シートに覆われた部分もスケルトン仕様になっていて、工事現場で働く人の姿のほか、大天守のうえには、復活した鯱(しゃちほこ)2体の姿も確認できました。「熊本城が元の姿になるまでに20年の歳月がかかると言われていますが、日々刻々と工事は進んでいます。その変化する現状を、わたくしたちガイドが、しっかりとお伝えし、熊本の元気を発信していきたいと思っています」と黒瀬さん。日本三名城のひとつ、熊本城の今をぜひ見にお出かけください。
加藤神社からの眺め
宇土櫓(手前)の奥では、天守閣の工事が進行中
スポット名 | 熊本城 |
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住所 | 熊本県熊本市中央区本丸1 |
関連リンク | 熊本城公式ホームページ(外部リンク) |
くまもとよかとこ案内人の会。ボランティアガイドの皆さん
スポット情報(2018年12月25日現在)
問合せ先 | くまもと観光ボランティアガイド「くまもとよかとこ案内人の会」 |
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電話番号 | 096-356-2333 |
対応時間 | 9時00分から17時00分、土日祝は9時00分~16時00分 |
料金 |
ガイド料は無料ですが、ガイドの現地までの交通費として2000円が必要(15名まで) ※3日前までに要予約 |
関連リンク | くまもとよかとこ案内人の会ホームページ(外部リンク) |
その他 | ガイドを希望される場合は、ファックスやメールで申し込みを。 |
2019年の秋に熊本で開催される「ラグビーワールドカップ」と「女子ハンドボール世界選手権」の期間に合わせて、特別公開が決定した熊本城。完全復旧までの道のりは険しくとも、一歩ずつ、着実に復旧が進んでいます。人情を交えたボランティアガイドの熊本城案内をぜひお楽しみください。
イナヅミセイコ
熊本・福岡での出版社時代に家族向け情報誌やブライダル情報誌、地域のフリーペーパーなど、編集・営業職、ときに編集長職に携わったのち独立。現在は、「ineworks(イネワークス)」の屋号でフリーのライター・編集者として幅広く活動。趣味は、旅。旅を通して見つめた世界や文化、人々との関わりなどを通じて人生の旅も謳歌中。好きな言葉は、「日々是好日」。
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