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パンフレット

旅のおすすめ記事最新トレンドから絶対外せない王道まで!熊本の楽しみ方をご紹介します

未来につながる、ウェルネスな食事を楽しもう!

中城明日香

熊本市エリア グルメ ランチ カフェ
写真:SANKAKUさんのプレート

 “食事”は、よりよく生きるための身近なアクションのひとつです。近年は、個々の趣向に応じて食のスタイルも多様化しています。肉や魚、卵や牛乳など動物性の食材を使わない「ヴィーガン」、日本の伝統食をベースにした食養料理「マクロビオティック」など様々です。熊本にもそうしたニーズに応えてくれる、レストランやカフェが少しずつ増えてきています。そこで今回は、初心者でも気軽においしく体感できるスポットをご紹介します。

・plus one organic(プラスワンオーガニック)
・SANKAKU(サンカク)

 

すこやかな日々に寄り添う カフェ&グロサリーショップ

plus one organic(プラス ワン オーガニック)
写真:プラスワンオーガニックの外観

 小高い場所に建つブルーグレーのログハウスを見ると「今日はどんな食材に出会えるだろうか」とつい心が弾みます。2021年にオープンした「プラスワンオーガニック」は、マクロビオティックを基本とした食事をはじめ、お弁当や惣菜、食材がところ狭しと並ぶカフェ兼グロサリーショップです。

写真:お店の前にある看板

扉を開けると視界に飛び込んでくるのは、新鮮な野菜やさまざまな種類のお茶、調味料などとっておきのラインナップ。いずれも店主の中嶋里美(なかしまさとみ)さんが実際に使ってみて「本当に良い!」と感じたものばかりをセレクトしています。

写真:店内で販売されている野菜や卵

中嶋さんがお店を構えたのは、かつて自身が体調を壊してしまった時に、身を持って食事の大切さを実感したことがきっかけでした。「体にいい食事を提供することで周りの方へ恩返しをしたい」という思いで店を始められたそうです。提供するメニューはマクロビオティックですが、事前にお伝えすればヴィーガン対応の食事の提供もできるとのこと。「うちは食材もその時の旬のものを使いますから、毎日同じものは作れません。カフェで提供するメニューも決まったものはありませんが、その少しずつ変わる食事の中で季節の移り変わりを感じてもらえたらいいですね」。

写真:マクロビオティックランチプレート

ランチタイムに提供する「マクロビオティックランチプレート」(2300円)は、長岡式酵素玄米を基本にどれも旬の野菜のおいしさを味わえるものばかり。カラフルな野菜たちが踊るプレートは、一口食べればその個性は驚くほど豊かで、それぞれがまるで宝石のようにキラキラと輝いて見えます。使用する野菜や調味料は、実際に生産者の元を訪ね、その思いに耳を傾けてきた信頼できるものばかり。「日本野菜ソムリエ協会」の有資格者である中嶋さんと、オーガニックアドバイザーの資格を持つスタッフさんが料理や食材にまつわることなら何でも答えてくれます。

写真:店内で販売されているお弁当
写真:棚に並んだ調味料
「すこやかな食の習慣をはじめるなら、普段の料理に使う調味料から取り入れてみるのがおすすめです」と中嶋さん。ショップには水俣市にある緒方麹屋さんのお味噌、てんさい糖やお醤油など、他ではなかなか出会えない食材がそろっています。お店で提供するフードメニューに使われている調味料のほとんどが店頭に並んでいるので、気に入ったものがあればそのまま購入できるのもうれしいですね。
写真:ハーブティーや番茶も販売

そのほか県内の生産者が手がけるハーブティーや番茶など、日常の合間にホッと一息つくにはぴったりのアイテムがそろっています。訪れるたびに新しい出会いがある「プラスワンオーガニック」。かつての八百屋さんのように、何気ない会話を楽しみながら食事からお買い物まで、私たちの日常に寄り添ってくれる空間です。

スポット情報(2024年3月29日現在)
スポット名 plus one organic
営業時間 9:30〜17:00(ランチ 金曜〜月曜11:00〜15:00)※要予約
休み 水曜 
住所 熊本市中央区上水前寺2−22−5
電話番号 096-284-1360
URL

plus one organic(Instagram)

野菜の個性を感じるひと皿に 心とからだが満たされる

SANKAKU(サンカク)

住宅街にひっそりと佇む、とんがり屋根のレストラン「SANKAKU」。店を切り盛りするのは「幼い頃から野菜や植物の唯一無二の色や形が好きだった」と話す店主の池田のりこさんです。

写真:SANKAKUの外観

中庭を眺めるテーブルに腰掛けると、まず運ばれてきたのは“白湯”。

写真:最初に運ばれてきた白湯
外食で白湯を飲んだのは初めてでしたが、これがなんともホッとする!フッと肩の力抜けてうれしくなりました。

「“お湯ですか?!”って笑われることもあるんですよ」とほほ笑む池田さんですが、そこにはちゃんと理由があるそう。「白湯は、体が本来持っている働きを高めます。体の中から温めることで、全身の巡りが良くなり、基礎体温の上昇や消化を助ける働きなどいいことづくしなんですよ」。

写真:テーブルに置かれている白湯についての説明

「料理は献立に合わせて食材を選ぶのではなく、自分の嗅覚・触覚・視覚で一つひとつの野菜を感じて、切り方や調理法を変えています」と話す池田さんは、管理栄養士の資格保持者。けれど調理は独学で、知識に縛られず野菜の個性に耳を傾ける姿勢から、野菜を愛する温かな気持ちが伝わってきます。「実際に料理をする際には、香りや色、密度、手触りを感じて野菜に耳を傾けることを大事にしています。たとえば人参は、春が一番香りがいいと言われます。そこから人参の風味や甘みを丸ごと味わえるポタージュにしようと献立を決めます」。

写真:季節のオーガニック野菜 ワンプレートランチ

生産者の顔が見えるオーガニック野菜を使用した「季節のオーガニック野菜 ワンプレートランチ」(1850円)は、スープ、季節のデリの盛り合わせ、長岡式酵素玄米が基本です。この日のデリは大根と蓮根のステーキ、ねぎぼうずの天ぷら、さつまいもとじゃがいものコロッケ、赤大根のピクルスサラダ、人参とパール柑のラペ、ごぼうとセロリのローズマリー蒸し、新玉ねぎのグリルのラインナップ。お皿の中の野菜たちは、のびのびと野菜本来の味を奏でています。

 

写真:デザートの季節のraw cake

デザートには、火を使わずに仕上げる「季節のraw cake」や「甘酒アイス」、「平飼い自然卵のシフォンケーキ」など自慢の味が勢ぞろい。

写真:中庭ではケーキに添えられているミントが植えられています

ケーキに添えられたミントの葉は、中庭からスタッフさんが摘んできたもの。そんな光景にも心が和みます。「子どもの頃から花や野菜を見るとその色や配置、バランスに感激していた」という池田さん。今は、その時のワクワクする感覚を「料理」という形で表現していると言います。心地いい音楽に包まれた空間で、丁寧に調理された色鮮やかな野菜を五感で味わえば、身体中にパワーが湧いてきますよ。

スポット情報(2024年3月29日現在)
スポット名 SANKAKU
営業時間 11:30〜16:00
休み 水曜
住所 熊本市東区水源1−8−24
電話番号 080−9563−3867
URL

SANKAKU(Instagram)

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中城明日香

大分県生まれ、熊本市在住の編集者・ライター。
地域の出版社・編集プロダクションを経て、独立。

自然、暮らし、農業、教育、観光、ファッション、アートなど、“毎瞬”を楽しむ姿勢で幅広いジャンルの記事を手がける。仕事もプライベートも書くことが生業。

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