ガイドさんと歩く、熊本城下町めぐり【新町編】
熊本城のお膝元で、昔ながらの景色が所々に残る城下町。今回は古町編に続いて「新町(しんまち)」の散策です。新町で生まれ育った生粋の新町っ子である観光ガイドさんに、名所・旧跡、パワースポット、お店やお宿まで、ぐるりと案内してもらいました。
・新町「和samonガイド」
・村上カラシレンコン店
・藤崎台のクスノキ群
・清爽園
・古城堀端公園
・せんば親子狸像
・船場菅原神社
・恵比寿神社
・河上彦斎顕彰碑
・肥後象嵌 光助
・肉の大栄
・和田かまぼこ店
・元祖 森からし蓮根
・長﨑次郎喫茶室
・玩具問屋 むろや
・お菓子のしぼりや
・兵庫屋本店
・HAPPYCLOSET & WASAMON HOSTEL
武家屋敷と町人街とが混在した、「城内」にあった城下町
新町「和samonガイド」
約400年前に加藤清正公によって熊本城が築城される際、先に古町が作られ、その次に整えられたのが新町。新しくできた町だから「新町」となったといわれています。碁盤の目状に区画割りされた古町と違い、新町は南北に長い短冊状に区画割りされ、見通しが利かないようなクランクが多く作られている街並みが特徴です。
なぜそんな街並みになったのか? 新町地区の歴史や文化を楽しく教えながらガイドしてくれたのが、新町「和samonガイド」の橋本和彦さんです。新町で大正8年に創業した醤油屋で生まれ育ち、「新町は私の庭のようなものです」と頼もしいお言葉。エリアが広く、紹介できるスポットも数多くある新町。ガイドの際には、お客さんと会話をしながら「史跡が好き」「食べ歩きが好き」など好みや希望に合ったルートでガイドをしてくれます。
ガイド名 | 新町「和samonガイド」 |
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電話番号 | 096-324-4488(「肥後象嵌 光助(みつすけ)」) |
料金 | 1人1,000円(10人以上の場合、割引あり) |
HP | 新町観光情報 はこちら(外部リンク) |
備考 | 2名から予約可 |
橋本さんと待ち合わせたのは、ガイドの申し込み先でもある「肥後象嵌 光助(みつすけ)」の前。「この交差点を見てください」と早速ガイドがスタートです。何の変哲もない広い交差点に見えますが、ここはかつて「勢屯り(せいだまり)」という場所だったそう。
というのも、新町は熊本城の正面に位置する「熊本城内の城下町」として作られ、4つの大きな門で城外から区分けされていた地域。門の近くには武士を多く配置できるよう「勢屯り」という広場を作り、さらに外から攻めにくいよう多くのクランクを作って、外敵の侵入に備えていたのだそうです。そして、その中には町人や職人も多く住んでいました。武家屋敷と町人の町が混在している珍しい城下町だったそうです。
「新町は熊本城の正面玄関の役割も果たしていたんですね」と橋本さん。今も、城下町の区画がそのまま残っています。
村上カラシレンコン店
スポット名 | 村上カラシレンコン店 |
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所在地 | 熊本県熊本市中央区新町3-5-1 |
旧跡・パワースポットめぐりで、城下町の豊かな歴史と文化を感じる
藤崎台のクスノキ群
熊本城築城の時代から今に至るまでの豊かな歴史を持つ城下町・新町。その魅力に触れられる旧跡やパワースポットを案内してもらいました。
まずは、「藤崎台県営野球場」の方へと登っていきます。こちらもまた、普通の坂道に見えますが、かつては豊前・豊後の裏街道だったそうです。
途中、西南戦争の激戦地であった歴史の話を聞いたり、能楽堂や明治天皇が明治35年に来遊された際にお茶を立てた井戸などの史跡を見つつ…。
樹齢は推定で1000年以上。大きな木は根廻り31m、幹回り最大で22.6m、高さ28mを誇ります。「藤崎台県営野球場」のバックスタンド奥にこのクスノキが見える珍しい景色も話題ですね。街のすぐ近くにありながら、これだけのスケール感あふれる木々。なんだかパワーを感じます。
ちなみに、2022年8月の大雨でクスノキの大枝が折れてしまったのですが、その際の調査で木に銃弾が入っていることがわかったそうです。木の下の方には西南戦争、そして上の方には第二次世界大戦時の空襲の跡が残っており、今の世に戦争の歴史を伝えてくれています。
スポット名 | 藤崎台のクスノキ群 |
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所在地 | 熊本県熊本市中央区宮内2 |
清爽園
スポット名 | 清爽園 |
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所在地 | 熊本県中央区古城町1-14 |
古城堀端公園
スポット名 | 古城堀端公園 |
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所在地 | 熊本県熊本市中央区古城町3 |
せんば親子狸像
と、その道向かいにもタヌキの像。ここは洗馬橋電停前。熊本城の内掘でもあった坪井川の船着き場であったため「船場(せんば)」とよばれていて、昔はここに高い土塁があって狸が住んでいたそうです。そう、まりつき歌「あんたがたどこさ」に出てくる「せんば山にはタヌキがおってさ」のタヌキです!
ちなみに船場橋には、歌の2番に出てくるエビのオブジェもあり、近くには「狸大通り」「海老大通り」があります。
スポット名 | せんば親子狸像 |
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所在地 | 熊本県熊本市中央区新町2丁目 |
船場菅原神社
大小、オスメス、とにかくたくさんのタヌキがいて、フォトジェニックと密かに人気が高まっているそうです。
スポット名 | 船場菅原神社 |
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所在地 | 熊本県熊本市中央区新町2-10-18 |
恵比寿神社
スポット名 | 恵比寿神社 |
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所在地 | 熊本県熊本市中央区新町3-8 |
河上彦斎顕彰碑
そして、幕末好きには見逃せないスポットが、「河上彦斎生誕の地」の碑です。幕末四大人斬りの一人で、漫画『るろうに剣心』の主人公、緋村剣心のモチーフとなった人物。現在は一新小学校前に碑文が掲げられているだけですが、幕末ファンや漫画の聖地巡礼のファンが多く訪れているそうです。
スポット名 | 河上彦斎顕彰碑 |
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所在地 | 熊本県熊本市中央区新町3丁目 一新小学校前 |
味わい深いお店がたくさん! 城下町のお店めぐり
肥後象嵌 光助
さて、橋本さんに旧跡やパワースポットを案内してもらう傍らで立ち寄ったお店もご紹介します。城下町らしい面影が残る街中で、趣深く人情味あふれるお店との出会いもまた、城下町めぐりの大きな魅力です。
ガイドの申し込み先でもある「肥後象嵌 光助(みつすけ)」。熊本の伝統工芸、肥後象嵌(ひごぞうがん)の老舗で、創業は明治7年。伝統的な作品はもちろん、ネックレスなどのアクセサリーなど現代のファッションに合う作品も作られており、お土産にも人気です。
スポット名 | 肥後象嵌 光助 |
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所在地 | 熊本県熊本市中央区新町3-2-1 |
肉の大栄
熊本土産に馬刺しなどのお肉をゲットしたい人にオススメしたい、大正4年創業の「肉の大栄」。馬肉について部位ごとに丁寧に教えてくれたり、美味しい馬刺しの食べ方をレクチャーしてくれたりと、観光客にとっても優しく心強い精肉店です。あか牛や黒毛和牛などもそろいますよ。
スポット名 | 肉の大栄 |
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所在地 | 熊本県熊本市中央区新町3-9-17 |
和田かまぼこ店
スポット名 | 和田かまぼこ店 |
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所在地 | 熊本県熊本市中央区新町2-14-9 |
元祖 森からし蓮根
スポット名 | 元祖 森からし蓮根 |
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所在地 | 熊本県熊本市中央区新町2-12-32 |
長﨑次郎喫茶室
スポット名 | 長﨑次郎喫茶室 |
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所在地 | 熊本県中央区新町4-1-19-2階 |
玩具問屋 むろや
ちなみに駄菓子などが売ってある空間の一角に、なんと昔ながらの井戸が残されています。「子どもの頃はこうやって井戸汲みするのが日課でしたよ」と橋本さんが汲み方を実演してくれました。
スポット名 | 玩具問屋 むろや |
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所在地 | 熊本県中央区新町4-2-40 |
お菓子のしぼりや
スポット名 | お菓子のしぼりや |
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所在地 | 熊本県中央区新町4-1-39 |
兵庫屋本店
スポット名 | 兵庫屋本店 |
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所在地 | 熊本県中央区新町3-4-2 |
HAPPYCLOSET & WASAMON HOSTEL
熊本市街地や熊本城へのアクセスもよく、海外からの観光客が多く利用するこちらのホステルですが、新町をはじめとした地域の人との交流の場も提供されるのが魅力。ただ泊まるだけではなく、地域に根付き滞在することを通した楽しみもある宿泊施設として好評なのだそう。橋本さんも、こちらで開かれる交流の会に頻繁に参加しているそうです。
スポット名 | HAPPYCLOSET & WASAMON HOSTEL |
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所在地 | 熊本県中央区新町4-4-39 |
新町の見所を駆け足でたっぷりご紹介しましたが、「まだまだ、ご紹介できていない場所はたくさんありますよ」と橋本さん。城下町の歴史や風情、そして人の魅力に触れに、ぜひじっくり時間を取って、新町めぐりを楽しんではいかがですか?
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中川千代美
長崎生まれ、熊本在住。地方出版社に勤めたのち、「チヨミ編集事務所」として独立。地域の子育て情報誌や生活情報紙をはじめ、幅広いジャンルの編集・ライティング・企画を手がける。食欲・物欲・お出かけ欲・温泉欲・ビール欲が赴くままに熊本・九州を駆け回る日々。趣味は二胡。
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