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パンフレット

旅のおすすめ記事最新トレンドから絶対外せない王道まで!熊本の楽しみ方をご紹介します

山・海・川のアウトドアガイドに学ぶ、楽しく安全な外遊びの心得

写真:樹氷

山から川、海へとつながる豊かなフィールドを持つ熊本。コロナ禍で、多くの人が自然の中で深呼吸をすることの大切さを実感したと思います。アウトドアがグッと身近になった一方で、自然を相手に遊ぶために必要な知識が乏しいことから、引き起こしてしまう事故も増えています。そこで今回は、山・海・川のガイドさんにアウトドアの魅力と、安全に楽しむためのコツを教えていただきました!

※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、熊本県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。
 

故郷の秘境は宝物。大切に守り伝えたい

ECO九州ツーリスト

熊本と宮崎の県境に位置する九州脊梁(せきりょう)。深い谷と山が重なる稜線は、枝分かれした異なる水系に、水や森の自然の恵みをもたらす分水嶺として知られる一方で、深すぎる山の地形は、長らく未踏の地として地図の中に描かれることはありませんでした。町の職員として働いていた山岳ガイドの寺崎彰さんは、ある時、約200年前の古地図に出会います。生まれ育った故郷の町が描かれているはずの場所にあったのは「此トコロ山深クシテ境目知レス」の一文でした。

写真:山登りをする寺崎さん

「故郷が秘境であったことに驚くと同時に、何百年と手付かずの原生林が保たれた脊梁の山は宝物だと思いました」と寺崎さん。地域を守り、その尊さを伝えるため、2008年国見岳の麓に「ECO九州ツーリスト」として拠点を設立します。「全国の山や世界の山、いろんな山に登ります。だけど、帰ってきたらやっぱり脊梁の山が一番だなって思います」と破顔します。

写真:山の中
備えることで山を満喫! ガイドに学ぶ山の危機管理

何より山を愛する寺崎さんは、ガイドとして楽しみを提供するだけでなく登山道整備もボランティアで行なっています。脊梁の山を隅から隅まで歩いた九州脊梁のエキスパートである寺崎さんの知見は、頼りにされる存在です。ガイドとして安全な山の楽しみ方を伝える一方で、近年のアウトドアブームで遭難事故が増えていることは活動の懸念材料でもあります。

写真:山の中

「1000メートル以下の低山でも遭難はします。山を標高だけで判断せず、山の個性を十分に理解した上で、できる限りの装備でいくこと。単独行動は控えましょう」と寺崎さん。「地図、コンパス、登山アプリ、いずれも備えずに登山に向かう人も増えています。道に迷った時、“沢を降って行けば、どうにかなるだろう”と思ったとしても9割の場合、登山道には出られません。行き着く先は、崖になっている場合も多いので、迷ったら必ず上空が開けた尾根道まで引き返すこと。上空が開けた尾根道なら携帯の電波も拾いやすくもなります」。

写真:山の中

登山道の目印となるテープも一般登山者がつけたものや、土地の所有権を示すもの、地籍調査のテープなど、登山ルートを示すものではないことも多々あるため、テープを安易に追っていかないことも重要です。寺崎さんらが整備する山都町の登山道では、黄色に赤色のテープを公式テープとし、約400メートルおきに番号がつけられています。番号で現在位置の把握ができるので、ルートの確認や道に迷った際には、最寄りの番号を確認しましょう。

写真:山の中の大きな木

「山の日暮れは早いので、迷ったと思ったら自己判断せず助けを求めること。本人ができない状況であれば、家族も迷わず、110番や119番へ救助要請をすること。消防、警察、山岳ボランティアが協力してできる限りのことを行います」と話す寺崎さんは「車のボンネットに名前と連絡先、登山計画を置くこと。オフラインでも使えるGPS付きの発信機を常備することが一番ですね」と続けます。
まずは、ガイドさんとともに登り、楽しみ方と危機管理の姿勢を学ぶこと。憧れの山へと続く道は、そこから拓けて来るはずです。

スポット情報(2022年12月9日現在)
スポット名 ECO九州ツーリスト
電話番号 0967−74−4330
所在地 上益城郡山都町馬見原824
営業時間 8:30~17:00
休み 土・日曜

※十分なほど備えても、山を登ることは覚悟が必要です。ただ、四季折々の自然や永い時間をかけて育まれた景色を間近に体感する非日常の経験は、人生を豊かにします。

リアルな非日常体験で童心に帰るシーカヤックの旅

unplugged

20代の頃から登山やカヌー、スキューバダイビングなど、あらゆるアウトドアスポーツを嗜んできた船原英照(ふなはらえいしょう)さん。県内外から訪れる観光客それぞれの個性に応じた楽しみを提供する、ガイド歴20年のベテランガイドです。フィールドとしている天草市松島町の海は、点在する無人島と穏やかな内海が幾通りもの楽しみを広げてくれる存在だとか。参加者の趣味趣向に応じて、話す内容やコースも柔軟に変えていく海の旅は、参加者の感性に響く圧倒的な感動体験を提供しています。

写真:船原英照さん

「冬の海水の暖かさや、夏の海のひんやりとした心地よさ、無人島の神秘的な佇まいは、リアルな体験で感じるからこそ感動するものでしょ?」と声を弾ませる船原さん。「最初は、皆さん“どんなことをするんだろう?どんな人がいるんだろう?っ”て緊張しています。でも、だんだんと子どものような表情に変わっていく。その瞬間がたまりませんね」と満面の笑みを浮かべます。

 

フィールドを熟知したガイドが、海のリスクを楽しみに変える
写真:カヌーを楽しむ人たち

ガイドとして安全かつ楽しく海の魅力を伝えることにも人一倍工夫を凝らしています。まずは、海上にいる全員がハッと振り向くようなどこまでも通る“声”。「シーカヤックの特性やパドルの正しい使い方、危険箇所、危険生物のアナウンスまで、しっかりと伝えます。自然は“絶対”のない世界ですが、いかに絶対に近づけるかが腕の見せどころですね」と話す船原さん。風や潮の流れを読む名人で、松島のフィールドを熟知しています。

写真:カヌー

近年は、インターネットでなんでも購入できる時代だからこそ、正確な知識や技術のないままフィールドに出てトラブルになるケースも少なくないと言います。「以前はお店の人が知識を伝える役割をになっていたけれど、今はそのステップがない場合も多いから」と船原さん。「まず、海は数メートル先にデスゾーンがあることを心得て置く必要があります。一見、凪いでいるように見えても、沖に出ると波が立っていたり、潮の満ち引きで流れが急に変わることも多々あります」と続けます。島と島の間に吹く風の強さや、海の中にある隠れ瀬の存在も、知らなければ命に関わることも。フィールドを熟知したガイドと行くことで道具の操作や特性を学びながら、安全かつ魅力いっぱいのカヤックの旅を満喫できます。

写真:カヤックを楽しむ方たち

「プロとして安全管理は徹底していますが、目指しているのはいつもその先。現代人の心に知らず知らずに付いた垢を、旅の間に落とすこと。すぐそばにまだまだ知らない世界は広がっています。そのことを体感してもらうことで、熊本に居ることに感謝したくなる。そんな時間を過ごしてもらいたいと思っています」。幸せの尺度は人それぞれですが、フィールドの豊かさを思い切り味わえば、誰もが自身の幸せの原点に立ち返る体験でができますよ。

スポット情報(2022年12月9日現在)
スポット名 unplugged
電話番号 090−8356−3577
所在地 上天草市松島町会津6215-17
営業時間 9:00~16:00
休み 無休

自身の経験で得た学びをシェア。身近な自然を何倍も楽しむ方法

FUN EARTH

「水は怖いけれど、その動力を生かして自由自在な動きができた時の達成感は変え難いものがあります」と話すのは、「FUN  EARTH」の廣瀬哲也(ひろせてつや)さん。20代中盤でアウトドアに目覚め、主に球磨川をフィールドに、カヤックやカヌーなどの水辺のスポーツに親しんできました。「急流のイメージが強い球磨川ですが、実際は流れの穏やかなトロ場と流れのある急流の緩急があって、水辺のスポーツには最適なフィールド。地形を熟知したガイドと正しいルートで下れば、楽しみは無限に広がりますよ」と廣瀬さんは声を弾ませます。

写真:「FUN  EARTH」の廣瀬哲也さん

「もっと早くから水辺のスポーツに触れ合って、いろんな川に行ってみたかったなぁ」という思いが芽生えた廣瀬さん。NPO法人でカヌースクールを手伝うようになったことや、それまで自身が何度も危険な場面に遭遇した経験から、徹底した水辺の危機管理を学びます。国交省の「川に学ぶ体験活動協議会」や世界33ヵ国に拠点を構える「レスキュースリー」で急流救助の資格を取得。「専門知識を得ると、今までいかに危険なことをしていたかを痛感しましたね」とかつてを振り返ります。

写真:カヌーを楽しむ人

アウトドアガイドのエキスパートとなった現在は、江津湖や御船川を主なフィールドとしてSUP体験を行っています。「一度、御船川をSUPで降ったんです。カヌーで降るとあっという間の川ですが、SUPなら鮎の食み跡があったり、鷺(さぎ)の間近に迫ったり、水の清らかな御船川の魅力を満喫できました。カヌーなら水面が反射して川底までは見えませんが、水が綺麗な川であればSUPは川底まで見える。そんな視点の違いも面白いですよ」と廣瀬さん。

二次災害を防ぐために “もしも”の場合を想定して
写真:カヌーを楽しむ人

アウトドアシーンで未然に事故を防ぐ方法を尋ねると「人は溺れる時に“助けて”とは言えません。まずは、子どもから一瞬たりとも目を離さないこと。そして、大袈裟に見えるかもしれませんが、二次災害を防ぐために親も子どももライフジャケットを着用しておくことですね。人命救助の現場では、まず自分の命。次にチームの命。そして要救助者の命と教わります。普段から“もしも”の場合を想定して、当日は体調や天候、水の様子をよく観察することも大事ですね」。

水の生まれる場所・江津湖で 宝探し気分のSUP体験
写真:SUPを楽しむ人

近年は、江津湖でSUPを使ったゴミ拾いをする体験会も好評を博したといいます。「ゴミもありますが、史跡調査をされるような奈良時代の瀬戸物も出てきたり、まるで宝探しのようでした。参加者とは“川の段階で海へ流れ込むゴミの流出を防げれば、マイクロプラスチックも発生しないよね”と学びながら、江津湖の豊かな生態系をみんなで観察しましたね」。
さらに今シーズンからは吉無田高原でe-mountain bikeの体験もスタートしたとのこと。「一度でもツアーに訪れてくれたら、自然を満喫する楽しみ方と、そこで何が危険かを教えてあげられますから、ぜひ気軽に遊びに来て欲しいですね」。
自然と遊ぶリスクの裏側には、普段の生活では触れることのできない大きな魅力があります。まずは身近な場所にいる危機管理のプロから、その心得を学びながらその魅力を満喫してはいかがでしょうか。

写真:自転車
吉牟田高原にて

スポット情報(2022年12月9日現在)

スポット名 FUN EARTH
電話番号  090−7158−5888
所在地 上益城郡御船町滝尾5831
営業時間 9:00~16:00
休み 月~金曜

中城明日香

熊本県在住のフリー編集者・ライター。タウン誌や編集プロダクションを経て独立。現在はタウン誌の編集・執筆を中心に、暮らし全般からファッション、インタビュー、観光パンフレット、コラム執筆など幅広く活動中。モットーは“街と人を結ぶこと”。取材の現場で感じた空気感まで、余すことなくとらえる姿勢で取材に臨んでいます。

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