周遊パスで日本遺産へ 石工たちの軌跡を巡る
全国で築かれた「めがね橋」の約4分の1が分布する熊本。その殆どは八代で生まれ育った石工たちによって手掛けられました。石橋や干拓樋門などは、いまも当時と変わらぬ姿を見ることができます。
八代地域の観光に便利な「八代日本遺産わくわく周遊パス」を使って、令和2年に日本遺産として登録された石工たちの物語を巡るモデルコースを紹介します。
(令和5年2月時点での情報です)
八代日本遺産わくわく周遊パスとは
「八代日本遺産わくわく周遊パス」は500円で市内の路線バスが1日乗り放題!石工たちを生み出した種山地区のバスまで利用できる、まさに日本遺産の周遊にベストなチケットです。
指定エリア内の産交バスは、有効期限の1日間に限り、何度でも乗り降りできます。
対象の飲食店や土産物店では特典を受けることができます。
産交バスⅠ八代エリア限定1日乗車券の販売について
日本遺産を見ながら健康!石橋ヘルスツーリズム
ヘルスツーリズムとは、旅行という楽しみの中で、健康の回復や健康増進を図り、旅をきっかけに健康へのリスクを軽減する活動です。今回紹介するモデルコースは日本遺産を観光しながら、ウォーキングや健康体験を盛り込んだコースです。
八代市中心部にある八代市役所からスタート。早速「八代日本遺産わくわく周遊パス」を使って移動します。八代市役所前から九州産交バスで約50分、種山停留所に到着。目的地の石匠館までは徒歩で約10分かかります。
石匠館
石匠館の建物は世界的建築家木島安史の設計で、地元で採れる凝灰岩で作られています。花びらを模した円をイメージして建てられており、石工の技術がふんだんに生かされています。日本で初めての石工とめがね橋の博物館です。
展示棟の真ん中には大きな石橋があり、石橋造りの基礎となる支保工模型を間近でみれます。よくよく見ると石と模型の間に隙間があり、木でつくられた模型を外すと石の自重で完成する石橋の構造が分かります。
切り出した重い石をどうやって運んだのか体験できるコーナーや、種山石工たちの歴史などの展示があります。
スポット名 | 石匠館 |
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電話番号 | 0965-65-2700 |
所在地 | 熊本県八代市東陽町北98-2 |
営業時間 | 9:00〜16:30 |
定休日 | 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始 |
HP | 石匠館 公式ホームページ |
鍛冶屋上橋・中橋・下橋(ウォーキングコース)
熊本には「肥後(種山)の石工」と呼ばれるアーチ式石橋を造る技術の高い集団がありました。その高い技術を持った多くの石工たちが生活したのが、山間部の種山地域(現八代市東陽町)です。国の指定重要文化財でもある山都町の通潤橋も種山石工たちが造っています。
その石工たちの祖と呼ばれている藤原林七が、熊本に来て練習で作った橋が鍛冶屋中上橋と言われています。
石匠館から徒歩圏内にある1804年から1818年に建てられた橋を見て回ります。比較的小さな橋たちで何も知らなければ通り過ぎてしまいそうですが、石工たちの技術を学んだあとだとじっくり観察してしまうかも。
石匠館から一番遠い鍛冶屋下橋も約500メートル程度なので、ゆっくり観光しながらでも10分程度のウォーキングです。
2、3歩で渡れてしまうほど小さく、一般道の傍にぽつんとあるため気づかず通り過ぎてしまいそうになります。よくよくしっかり見ると、天然石を使用しており、小さいながらもきれいなアーチ型になっています。今も林道への道として使用されていることから、石工の高い技術とアーチ型石橋の丈夫さを感じられます。
白髪岳天然石橋
目的地である白髪岳天然石橋までは、徒歩15分。
白髪岳天然石橋は、長い年月をかけて浸食した結果、橋のような形になった岩盤です。石工たちは、この天然の石橋からアーチ構造のヒントを得たのではないかと言われています。
白髪岳の神様が、山から出る際に蹴破った、と地元では言い伝えられています。蹴り破ったときの破片と言われる岩が、今も田んぼの真ん中あり、菅原神社の裏手から見ることができます。
菅原神社のねじり灯籠
白髪岳天然石橋から徒歩10分。
菅原神社は近くの白髪岳から降りてきた白髪天神様を祀っている神社です。
鳥居のすぐそばに建てられた2対の石灯籠は、胴体部が180度ねじれており、ひねり灯籠を呼ばれています。
若宮神社のねじり灯籠
菅原神社から徒歩10分。
若宮神社にも同じようにひねり灯篭があり、こちらは90度ねじれたように彫刻されています。
ひねり灯籠があるのは、国内では菅原神社と若宮神社の二か所だけではないかと言われています。できた年代は菅原神社の方がやや新しく、技術が深まっていったことを感じられます。
東陽交流センターせせらぎ
若宮神社から徒歩10分。東陽交流センターせせらぎには、農家直送野菜を使ったレストランがあり、ここでランチをいただきます。
東陽町は熊本有数の生姜の名産地。日本遺産にも認定された美生地区の棚田をはじめとする、中山間の段々畑で育っています。中大規模に基盤整備した圃場がないため、小型の機械導入や手作業が中心となり、全体的に品質の高い生姜ができます。
(左)生姜づくし定食はメインの生姜の串カツや生姜カツ、生姜焼き、生姜の佃煮、生姜ソフトクリームなど生姜を贅沢に味わい尽くせます。お店イチオシのメニュー!
(右)日本遺産である石橋をモチーフに、2種類のカレールーに生姜カツをトッピングしたかけはしカレー。2つのかぼちゃの素揚げで眼鏡橋を表現してあります。こちらにも生姜ソフトクリームが付いてきます。
レストラン横のパン屋「お菓子工房くるるⅡ」では、早朝から焼き上げる手作りパンを販売しています。かけ流しの天然温泉も併設しています。
スポット名 | 道の駅東陽交流センターせせらぎ内さんふるる |
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電話番号 | 0965-65-2112 |
所在地 | 熊本県八代市東陽町南1051-1 |
営業時間 | 11:00~15:00(オーダーストップ14:00) |
HP | 東陽交流センターせせらぎ 公式ホームページ |
鑑内橋
東陽交流センターせせらぎの最寄りの停留所、種山から鑑四つ角まで産交バスで約20分。鑑内橋は市街地にあるめがね橋です。
江戸時代にできた橋で、当時は松橋と八代を結ぶメインストリートにある橋でした。石材は天草の砂岩が使われており、海を挟んで天草の石工との交流があったことが伺えます。
鏡(鑑)町と内田町の間にある橋だから鑑内橋と呼ばれており、鏡町に現存する唯一のめがね橋です。
ミニ畳作り体験
鑑内橋から徒歩10分。イ草を使った体験ができるイナダ有限会社に到着しました。
八代地域は日本一のイ草の産地で、日本で作られるイ草の9割以上が熊本県産です。今から約500年前、八代の上土城主が領内にイ草栽培を奨励したのが始まりと伝えられています。八代平野のほとんどは干拓地で、用水にも恵まれていることから、盛んにつくられてきました。
イナダ有限会社では八代のイ草を使った、写真立てや人形飾りの敷物にできるミニ畳作りが体験できます。
畳縁の柄はくまモン柄や昔ながらの市松模様など、10種類以上あります。作業はシンプルで畳用のホッチキスを使って、目印のとおりに止めていきます。単純ではありますが、丁寧に作業をしないとやり直しになるため、大人でも作業に没頭してしまいます。
【体験】
イ草を食べる!ミニ畳作り体験 ~イ草アイス付き~
体験料金/2,500円
時間/約90分
お問い合わせ/0965-31-8200
体験が終わったら、たたみアイスとイ草麺を試食。イ草の味は苦みがない抹茶のような味で、さわやかな甘みを感じます。
イナダ有限会社は畳表を製造する際に使用する糸を販売する事業を行っていました。八代産畳表の生産量が減ってきたことから、食品としてイ草を活用できないかと、アイスや麺などの開発を進めてきました。食用のイ草として、化学合成農薬・化学肥料は不使用で育てています。
スポット名 | イナダ有限会社 |
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所在地 | 熊本県八代市鏡町内田438-2 |
HP | イナダ有限会社 公式ホームページ |
市内ホテルにて宿泊
最寄りの停留所の八代市鏡支所前から八代市役所前まではバスで約30分。
八代市内ホテルで宿泊し、「八代日本遺産わくわく周遊パス」の特典対象施設にて夕食をいただきます。
【外部リンク】
◆八代市日本遺産石工の郷について
八代を創造した石工たちの軌跡
◆八代市の観光については
まるごと八代! | 八代の観光・遊び・体験ツアーサイト
◆産交バスの時刻表は
産交バス時刻表
◆熊本をお得に旅するデジタルクーポン
旅するくまモンポスポート
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