これぞ熊本ラーメン! 各店自慢のとんこつを堪能あれ
気軽に味わえる熊本の名物と言えば、ラーメン。中でも、とんこつラーメンは地元でも圧倒的な人気を誇っています。今回は、数々の名店がある中で王道とんこつの魅力は残しつつ、独自の美学を感じる一杯を繰り出すラーメン店3軒をピックアップ。食べれば元気が湧いてくる各店自慢の熊本ラーメンをお届けします!
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、熊本県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。
・火の国文龍 総本店
・天外天
・玉名ラーメン 千龍
熱量を感じる一杯! 極濃スープの超人気店
火の国文龍 総本店
熊本ラーメンの中でも、濃厚なとんこつラーメンが圧倒的な人気を誇る「文龍」。屋根の上から見守る巨大な龍のモチーフが目を引く名店です。赤を基調とした清潔感あふれる店内の壁や天井にも龍のモチーフが光っています。店主の威勢のいい掛け声に期待が高まります。
やや太めの麺とよく絡んでとんこつの旨味がダイレクトに響くスープに、具材はチャーシュー、キクラゲ、ネギ、海苔。レンゲの先には、辛味噌を添えて提供されます。テーブルに備え付けのおろしニンニクとともに、少しずつ溶いて味を変えながら楽しむのがベター。
味の追求はもちろん、店の佇まいから店内の雰囲気、お客さんやスタッフ同士の細やかな心遣いに至るまで、ラーメンに注ぐ圧倒的な熱量を感じる「文龍」。どんぶりに刻まれた“1日は小さな一生”という言葉の通り、「文龍」のラーメンをすする時間はほんの僅かですが、価値ある一杯に感じられました。
スポット名 | 火の国文龍 総本店 |
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電話番号 | 096-388-7055 |
所在地 | 熊本市東区戸島4-2-47 |
営業時間 | 11:00~15:00、17:30~22:00(21:30OS) |
休み | 火曜 |
生玉ねぎが好相性! 快進撃を続けるとんこつラーメン
天外天
熊本駅の「肥後よかモン市場」内の一角に店舗を構える「天外天」。1986年に創業してからは、市街地での飲みの〆に利用するお客さんに評判のカウンター10席ほどの店でした。先代が2013年に引退した後は、2000年からアルバイトとして店に立っていたという小田さんが2代目を引き継ぎ、東京駅地下にあるラーメン専門の飲食街「東京ラーメンストリート」への出店、コロナ禍ではキッチンカーの運営など挑戦を続け、今に至ります。
熊本市内にあった本店はビルの老朽化で移店。本店を菊陽町の店舗へと移し、現在は熊本駅店と菊陽バイパス沿いの2店舗で営業を続けています。カウンターだけだった本店の雰囲気は、熊本駅店にしっかりと引き継がれており、時間帯に関わらず、ひっきりなしにお客さんが訪れる店内からはその人気ぶりが伺えます。
おすすめは「ラーメン」850円に「佐賀1番摘み海苔」150円のトッピング。透かしても向こうが見えないほどしっかりとした厚みのある風味の良い海苔は、そのまま食べてもおいしい一品。スープにつけるとものの数秒でスーッと溶けて、とんこつと鶏ガラスープであっさり仕立てたスープに海苔の風味がプラスされます。
麺をすすると同時に、シャキシャキとした食感が口の中になだれ込む新鮮な食感を演出するのは、スープに忍ばせた玉ねぎのみじん切り。噛むほどにさっぱりとした後味が加速され、とんこつスープとの相性は想像以上!スープの上に散らした炒りニンニクと相まって、豊かな味わいを醸します。
さらに「天外天」を訪れたなら、オーダーしてほしい「チャーシューめし」400円。ラーメンに使うチャーシューの切れ端を生かしたくてメニュー化したというどんぶりは、自家製のチャーシューをどんぶり用に甘辛く煮た老若男女問わず好まれる味です。サイコロ状にカットした厚切りのチャーシューがたっぷり!卵黄を崩し、オーダーすれば無料でもらえる紅生姜を添えて、最後のひと口まで余すことなく味わいたい大満足の逸品です。
「かつては飲みの〆の定番だったラーメンですが、今は食事感覚で味わえる味を目指しています」とのこと。自家製麺や丁寧に仕込むスープだけでなく、生玉ねぎのみじん切りをスタンダードなラーメンに加えるという斬新な発想や、海苔やメンマなどトッピング素材一つひとつにこだわりがあふれた一杯を提供しています。先代の味を生かしながら、さらなる味の境地を切り拓く「天外天」の快進撃から今後も目が離せません。
スポット名 | 天外天 |
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電話番号 | 096-342-6856 |
所在地 | 熊本市西区春日3-15-30 |
営業時間 | 11;00~23:00 |
休み | 無休 |
あっさりとんこつスープが美味! 愛にあふれる玉名ラーメン
玉名ラーメン 千龍
熊本ラーメンの中でも、独自の進化を遂げてきた“玉名ラーメン”。熊本市内から車で約45分の距離にある「千龍」は、わざわざ足を運びたい名店です。こじんまりとした店内は、その味を求めてくるお客さんでいつも満席!
背脂を使わずに仕上げるマイルドなとんこつベースのスープ。そこに入れる自家製炒りニンニクは、玉名ラーメンの特徴である後乗せが基本です。
創業は1979年。変わらない人気を誇る「千龍」の魅力を生み出しているのは、店主の中島さん家族の絶妙なチームワークです。スープはご主人、チャーハンは息子さんが担当。仕上げの麺を担当する奥様は、お客さんの年代やその日のスープの状態に合わせて絶妙に麺を湯がき分けるという、まさに”神業”でもてなします。変わらない味の中にも、一瞬一瞬のおいしさを追求する姿勢が垣間見えます。
ラーメンとセットでオーダーする率が高い「五目焼めし」850円。ファンの多い五目焼めしは、1人前でもシェアして食べられる大容量がうれしい一品です。「家族づれで来てくださるお客さまも多い」という「千龍」が地域に愛され続ける理由は、心温まる瞬間を提供し続けているところにあるのかもしれません。
スポット名 | 玉名ラーメン 千龍 |
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電話番号 | 0968-74-2988 |
所在地 | 玉名市高瀬468 |
営業時間 | 11:30~14;00、18:00~21:30 |
休み | 火曜 |
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中城明日香
大分県生まれ、熊本市在住の編集者・ライター。
地域の出版社・編集プロダクションを経て、独立。
自然、暮らし、農業、教育、観光、ファッション、アートなど、“毎瞬”を楽しむ姿勢で幅広いジャンルの記事を手がける。仕事もプライベートも書くことが生業。