未曾有の豪雨から続く復興。 今しか出会えない人吉を歩く
2020年7月に発生した豪雨によって奪われた、かけがえのない日常を取り戻すまでの道のりは、まだまだ途上です。そこから立ち上がろうとする街の姿を目に焼き付けておくために、人吉の街に赴くことこそ、今の私たちにできることなのかもしれません。 そこで今回は、今だからこそ楽しめる人吉の魅力が詰まったくま鉄レールサイクル「くまチャリ」、「人吉鉄道ミュージアムMOZOCA ステーション868」、復興への祈りを込めた「ひとよしまち燈り」をご紹介します。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、熊本県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。
現役の線路の上を駆け抜ける!爽快感と森の景色を満喫しよう
2021年5月にスタートした、現役の線路の上を自転車で走るアクティビティ「くまチャリ」。豪雨被害により、運休となっている相良村の「十島菅原第一踏切」から相良藩願成寺駅近く「願成寺踏切」手前までの区間を走る往復約30分の旅は、現役の線路の上を走る全国でも珍しい試みとあって多くの観光客で賑わっていたとか。2021年12月から3ヶ月の冬季休暇を経て、再び2022年3月より運行再開するとのこと!
見どころは、木々に覆われた自然の中を駆け抜ける“森のトンネル”や球磨川、人吉市街を見渡す眺望など、移り変わる景色と風を切る疾走感。普段ならなかなか立ち入ることができない線路の上から眺める人吉の街は、ひと味違った新鮮な魅力に満ちています。
スポット名 | くま川鉄道レールサイクル くまチャリ |
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担当 | 080-5727-7502(専用携帯) ※稼働日の午前9時から15時まで |
運行日 | 土日曜、祝日 |
運行時刻 | 9:00、10:00、11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00 ※3月末までの9時台の便の運行はなし |
TEL | 0966-23-5011(くま川鉄道株式会社) |
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所在地 | 人吉市中青井町265番地(本社) |
営業時間 | 8:30~17:30 |
外部リンク | https://kumagawa-rail.com |
「SL人吉」が走る肥薩線の歩みを 楽しく学べる鉄道ミュージアム
「人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868」は2020年の豪雨以来、8ヶ月の休館を経て再開しました。場所は人吉駅のロータリーから「復興商店街 モゾカタウン」を抜けた先にあります。木の質感に癒される館内は、ミニトレインや展示、木製のボールプールやおもちゃ、展望台を走るレールバイク4ちゃんなど、大人も子どもも楽しめるラインナップ。
1975年には一度は廃車となり、肥薩線の矢岳駅で眠っていた「SL人吉」。1988(昭和63)年に復帰するなど、今に至るまで根強いファンを持っています。人吉の街の歴史とともに歩んできた機関車の存在感を感じられるこの場所は、肥薩線の復活を心待ちにする市民の思いに満ちています。
スポット名 | 人吉鉄道ミュージアム MOZOCAステーション868 |
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住所 | 人吉市中青井町343−14 |
問い合わせ | 0966−48−4200 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
店休日 | 水曜(祝日の場合は、翌平日) |
駐車場 | あり |
料金 | 入場無料 |
復興への祈りを託して。 揺らめく幻想的な竹灯籠
2018年から商店街の活性化を目的として、人吉市内の鍛冶屋町通りと鍛冶屋町公園でスタートした人吉の冬の風物詩「ひとよし まち燈り」。4度目の開催を控えた夏、豪雨災害に見舞われたことから、2021年度は復興を祈願する竹灯籠の温かな燈りが人々の心を勇気づけました。今年も、続く復旧・復興への祈願を込めて約570本の竹灯籠に燈りが街を彩っています。
今だからこそ、訪ねたい人吉の街。いかがだったでしょうか?
取材中、3人の大学生に出会いました。話を聞くと、ボランティアサークルのメンバーとして定期的に人吉を訪れ、地区の人々との交流と泥かきのお手伝いをしに足を運んでいるとのことでした。新たなスポットのオープンや、営業再開の明るいニュースも聞こえてくる中で、まだまだ手付かずで復旧もままならない場所があることも確かです。奮闘する人吉の街へ赴くこと。できれば言葉を交わすこと。些細なことで人は繋がりを感じては、それが復興へと向かう原動力になるのではないかと思いました。
スポット名 | ひとよしまち燈り |
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会場 | 鍛冶屋町公園 |
期間 | 2022年2月26日~3月19日 |
点灯時間 | 18:00~22:00 |
主催 | ひとよしまち燈り実行委員会 |
中城明日香
大分県生まれ、熊本市在住の編集者・ライター。
地域の出版社・編集プロダクションを経て、独立。
自然、暮らし、農業、教育、観光、ファッション、アートなど、“毎瞬”を楽しむ姿勢で幅広いジャンルの記事を手がける。仕事もプライベートも書くことが生業。