熊本のパンっておいしい!老舗のパン屋さん&人気のベーカリー4選
味はもちろん、そのお店の雰囲気、人、店主とのおしゃべりの時間が好きだったり…。パンを「買う」という目的から、パン屋へ「会い」に行く時代へ移り変わってきているのかもしれない。きっとそれぞれのお店に、美味しさの向こう側にある、わざわざ会いに行きたくなるほどの魅力があるはず!今回は、熊本県内を回って実際にあってきたパン屋の話をお届けします。
- BROT HAUS SHINYASHIKI
- Bake shop Hatch
- 髙岡製パン
- 吉無田水源パン工房 うららかsun
BROT HAUS SHINYASHIKI
北区楠で16年間愛された「ベッカライブロートハウス」から、「ブロートハオス」へ名前を新たにリスタート!ハード系のパンはお店を経営しながら、勉強会に参加したり、パン屋巡りをして独学で寝る間も惜しんで技術を高めてきたそうです。同店の味に惚れ込んで、前店舗の時代からずっと変わらず通い続けるお客さまも多いのだそうです。
店主の佐藤さん
丁寧で特殊な独自の製法によりパンの仕込みは週に1度まとめて行なっているそう
前店舗では、作りたいものと作っているもののギャップに葛藤したこともあり、「ブロートハオス」では、佐藤さん自身が提供したいものだけを並べることに決めました。「自分がしたいこと、していることがようやくカチッとはまったと感じています」。肩の荷を下ろした今、目指しているのは、来てくれる方に喜んでもらえる美味しいパンを作ることだけ。店舗は住宅街の中にあるため、当初は「目立たないのでは…?」と心配する声も上がったそうですが、評判は上々!取材中も客足が途絶えることはなく、近くから、遠くから多くの人が訪れます。
ハード系パンは「奥が深く、作る醍醐味」があるそう、お客さまから寄せられる期待値の高まりを肌で感じ、創作意欲も上がっているという
・人気のパンの狙い時は⁉
商品が一番多く並ぶのは12時ころ。パンの焼き上がりに合わせて1日に2,3度来店するお客さまもいるそうです。いまでは近隣の住民にとってもなくてはならないお店になっています。
店舗名 | BROT HAUS SHINYASHIKI(ブロートハオスシンヤシキ) |
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住所 | 熊本市中央区新屋敷1-11-1 濫觴77B 103号 |
電話番号 | 096-342-4710 |
営業時間 | 8:00~18:00 |
休み | 月・火曜 |
駐車場 | あり(4台) |
カード | 不可 |
Bake shop Hatch
のどかな空気が漂う場所に店を構える「Bake shop Hatch」
“身体に心にやさしい”をコンセプトにしたパンと焼き菓子のお店。周りには田んぼが広がり、稲がそよそよと泳いでいる。そんなのどかな空気が漂う場所で、毎朝パンと焼き菓子を作るのは店主の村上さん。なんと彼女、保育園児から小学生までを育てる3児の母でもあるのです。パン屋として、パティシエとして、母として3つの支店から作られるパンは彼女にしか作れない逸品です。
元々パティシエとしてケーキ屋さんで働いていた村上さん。皆が日常的に食べられるものを作りたくて、独学でパン作りを始めたそう
1番人気は自家製カスタードパンがたっぷり入ったクリームパン。他にも玉名産小麦を使用したベーコンエピ、ふんわりブラウニーとダックワーズなど、おやつから翌日のモーニング用まで…とついつい手を伸ばしてしまう
試行錯誤を繰り返したパンには、天然酵母とコクのあるキビ砂糖が使用され、全ての生地にはちみつが練り込まれています。お店の名前の“Hatch(ハッチ)”はここから名付けられたそうです。ちなみに、ベーカリーではなくベイクと名付けたのは、パティスリー仕込みの焼き菓子も楽しんでもらいたいから。取材時も近所に住む人から帰り道は逆だけどわざわざ来ているという人まで、彼女のパンを求める人が絶えませんでした。やさしい味の理由は、もちろん天然素材の材料を使用しているのも一つの理由でしょう。しかし、彼女が受け取ってきた周囲のやさしさがパンという形になり、さらに多くの人にそのぬくもりを届けているようにも感じます。
多い時は40種ほどのパンが並ぶ店内。パンも焼き菓子も村上さん一人で作っているというのだから驚き
店舗名 | Bake shop Hatch(ベイクショップハッチ) |
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住所 | 熊本県玉名市岱明町古閑194-1 |
電話番号 | 0968-88-0102 |
営業時間 | 10:00~18:00 ※売切れ次第終了 |
休み | 月・木・日 |
駐車場 | あり |
カード | 不可 |
髙岡製パン
半世紀以上も地元・熊本に愛される老舗のパン屋「髙岡製パン」。健軍商店街の先にあった店舗が熊本地震で被災し、装いを新たにリニューアルオープンしたそうです。新しいものを追求し続ける、技能士としても活躍する髙岡辰夫さん。パン作りを志す若者は、ぜひ話を聞いてみてほしい。
髙岡辰生さん。パン作りの一方で、厚生労働省所管の中央職業能力開発協会で中央技能検定員も務めます。国家資格である「パン製造技能士」の試験問題を作成する、全国に9人いるうちの1人です。
いまや熊本を代表するご当地パンと行っても過言ではない「ネギパン」。お好み焼きのようなフワフワの白い生地に熊本県産の葉ネギが練り込まれ、中にはソースで味付けされた鰹節が包まれています。ネギの苦味を抑えた、子どもから大人まで愛される一品です。「ネギ嫌いの友人に、バレずにネギを食べさせられるパンを作ってほしい」と頼まれた髙岡さん。そんなストーリーの後に「ネギパン」が誕生したのだそうです。ちなみに、見た目には分からないようにネギを入れたパンをさっそく作り、ネギ嫌いの友人は気付かずに美味しく食べたそうです。
「第5回くまもと食品科学研究会大賞」で最優秀賞、「全日本パンフェスティバル第1回日本全国ご当地パン祭」で2位獲得。全国区の知名度を誇るまでに成長した。
ニンジン、クルミなど、ほぼ毎日異なるバラエティ豊かな食パンも人気。
「髙岡製パン」が愛されるもう一つの理由は、創業当時から店頭に立ち続ける“看板娘”こと髙岡キミエさんが笑顔で出迎えてくれることでしょう。「趣味も仕事も楽しまなくちゃ」と話します。
お店に訪れる人みんなを笑顔にする力が溢れています。
パンを購入した後は思わず時間を忘れてずっと話したくなる、元気をくれる存在です。髙岡さん夫妻に会いに、また「髙岡製パン」へ何度でも訪れたくなります。
店舗名 | 髙岡製パン |
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住所 | 熊本市東区栄町1-11 |
電話番号 | 096-368-2550 |
営業時間 | 9:00~18:30 |
休み | 日曜 |
カード | 不可 |
駐車場 | あり |
吉無田水源パン工房 うららかsun
パンが焼けたときの香りが好きで、パン職人になったという酒向司さん。結婚後、福岡から熊本に移住し、妻の文子さんの出身地である御船町に「うららかsun」をオープンさせました。約1年間物件を探し、近くにある吉無田水源の水を使ってパンを焼けること、偶然にも文子さんの実家が近くだったこともあり、緑を感じてこの山里に根を下ろしたそうです。
文子さんは接客担当。「1000円分おまかせで詰めて」と来店する地元の方もいるそうで、すっかり町に欠かせないお店です。
夜中から、司さんが一人、黙々と25~30種ほどのパンを仕込みます。すべて焼きあがるのはお昼ごろ。
街中のお店とは違い、「週末にドライブがてら来店する人が多いから」と、平日はともに別の仕事をしながら週末に不定期でお店を開けているそうです。ダブルワークでパン工房を営むのはハードですが、「わざわざお客さんが来てくれることを考えると休めない」と司さんは話してくれました。宮崎から毎月2度足を運んでくれるお客さんもいるそうで、司さんの焼くパンは地元の人だけでなく、遠くで暮らす人にとっても日常の中に溶け込んでいます。
初めて来店した方が、「美味しくてびっくりした!」と1日2回来店したことも。
まず食べて欲しいのが生地にブロッコリーを練り込んだフォカチャ。塩とスパイスが効いたクセになる味。
うららかな光のようにやさしい味のパンをこれからもここで焼き続けていくことでしょう。
店舗名 | 吉無田水源パン工房 うららかsun |
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住所 | 上益城郡御船町田代8190 |
電話番号 | 096-285-2052 |
営業時間 | 9:00~17:00 ※売切れ次第終了、週末のみ不定期で営業 営業日はFacebookで確認を‼ |
カード | 不可 |
駐車場 | あり |
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※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、直接店舗に営業時間をご確認ください。
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高橋 佑二郎
熊本と福岡の2拠点で「編集・企画・イベント」を精力的に手がける編集者兼プランナー。自他共に認めるサウナ愛好家として、サウナ記事の連載やイベントの企画も行っている。フィンランド政府観光局公認サウナアンバサダー。
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