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パンフレット

旅のおすすめ記事最新トレンドから絶対外せない王道まで!熊本の楽しみ方をご紹介します

香りで旅する熊本

中城明日香

熊本市エリア 天草エリア 自然 癒し SNS映え
写真:アロマを焚いている様子

旅先で出会った思い出の香り、懐かしい記憶を呼び起こす香り、今の自分に必要なエネルギーを補ってくれる香り…。ひとことで“香り”といっても、さまざまなイメージが広がります。それは、嗅覚が五感の中でも直接に本能に働きかけると言われているから。熊本の思い出をいつでも追体験できる香りで、ひと味違った熊本の楽しみ方をご紹介します。

※タイトル写真提供:大塚淑子

・木のかおり製造所
・アトリエhalu
・Ayame organic

ヒノキの葉を持ち運べたら。 都会で感じた天草への思いを形に

木のかおり製造所

海と山が織りなす風光明媚な天草の風景。海のイメージが強い天草ですが、実は島の面積の半分以上を占めるのは豊かな森です。天草の森の大半はヒノキで、このヒノキをはじめとする豊かな森の木々たちがこの島の日常を育んでいます。

写真:天草市の海

天草市本町にある「木のかおり製造所」が手がける天草ヒノキを使った精油が注目を集めています。つくっているのは、祖父の代から3代に渡って林業に取り組む松坂和幸(まつざかかずゆき)さん。半月型にカットされた間伐材のディフューザーと、丁寧に抽出したヒノキの精油のプロダクトは「トップアワードアジア」を受賞するなど国内外で高い評価を得ています。

写真:半月型のディフューザーと、ヒノキの精油

松坂さんは、地元の建設会社を退職した後、「天草ヒノキへの関心を高め、森の担い手を育てたい」という思いから、家業である山の手入れをはじめ、精油づくりを始めたと言います。精油をつくり始めたのは、高校卒業後、2年間東京で過ごした経験がきっかけだったそうです。

写真:ヒノキの木

「駅に行けばドーッと人が押し寄せる。アパートの隣は誰が住んでいるかもわからない。自分にとっては住みづらい場所でした」。そんな中で松坂さんは、山で枝打ちしたヒノキの葉と香りを振り返り、「東京でいつもこのヒノキの葉をポケットに入れておけたらいいのに」と思ったとか。

写真:ヒノキの葉

一時は山から離れた松坂さんですが、20代の頃に自身が植林したヒノキの存在を顧みます。「40年前にヒノキを植林した責任を感じて、2018年ごろから少しずつ手入れをはじめました。枝打ちしたヒノキがもったいなくて、近所のホームセンターで圧力鍋を買ってきて、精油づくりをはじめました」。

写真:巨石・百貫様の岩清水

手摘みしたヒノキの枝葉を、森の中に鎮座する巨石・百貫様(ひゃっかんさま)の岩清水で6時間かけて蒸留した100%天然の精油は、材料の1%しか採れません。さらに抽出した精油は3ヶ月以上寝かせ、天草ヒノキの優しい香りが馴染めば完成です。

写真:商品パッケージ
スポット情報(2023年8月4日現在)
スポット名 木のかおり製造所
電話番号 090−7151−6576
所在地 天草市本町本4677−6 ※事前予約制
取り扱い店

「URBAN RESEARCH COCOSA熊本店」
熊本市中央区下通1−3−8 COCOSA1階
「URBAN RESEARCH store アミュプラザくまもと店」
熊本市西区春日3−15−26 アミュプラザくまもと1階

URL 木のかおり製作所(ホームページ)

軽やかに本質をとらえた香りでみずみずしい感覚を呼び起こす。

アトリエhalu

かつてのPARCOの跡地に2023年4月にオープンした都市型ホテル「OMO5(オモファイヴ)熊本 by星野リゾート」。次にご紹介するのは、同ホテルの3階にあるカフェスペースで出会った香りのプロダクトです。

ハーブや柑橘のイラストに包まれたパッケージが素敵で思わず手に取ったそれは、ミントやクスノキなどのハーブが香る「スマッジウォーター」と、オレンジやアオモジなどのエッセンシャルオイルと保湿効果に優れた天然のシアバターで仕立てた滑らかな質感の「バーム」。どちらも親しみを感じるのに、どこか洗練された香りが特長です。

写真:スマッジウォーター
写真:バーム

つくり手に会いたくなって訪ねたのは、熊本市に拠点を構える「アトリエhalu」。主宰のむらかみちはるさんのアトリエです。手触りのある木製の扉を開くと、思わず深呼吸したくなるような柔らかな精油の香りに満たされた空間で迎えてくれました。

普段はこの場所で嗅覚反応分析士として、カウンセリングやワークショップを開催するむらかみさん。カウンセリングを通じて、人や空間が潜在的に求めるアロマを調香しているそう。

「人の心と身体は日々、揺れ動くもの。ゆるみすぎたり、力みすぎたり、バランスが崩れているかな?と感じたら、本能に直接働きかけてくれる香り力を借りる。それがわたしにとっては近道なんです」とむらかみさんは優しく語ります。

導き出されたキーワードから軽やかに物事の本質をとらえ、直観的に紡ぎ出す香りは、セレクトショップとのコラボや、空間の香りのプロデュースなどで活躍の場を広げています。

写真:スマッジウォーターを使用する様子

「スマッジウォーターは、手指消毒や空間の浄化に最適です。勉強や仕事、スポーツなど、集中力を高めたい時におすすめの香り。バームは、唇や肌、爪など乾燥が気になる部分のケアや、髪にまとまりとツヤを与えるスタイリング剤としても使えます。手首につけて自然の香りを纏うのもおすすめですよ」。

スマッジウォーターの“スマッジ”とはハーブや香木を束ね燻し、空間を浄化させるスマッジスティックにヒントを得た造語だとか。クスノキやペパーミント、ローズマリーなどの精油をブレンドしたフレッシュなハーブの香りがすこやかな心と体をはぐくみます。

普段の暮らしに寄り添い、使うたびに気持ちを引き上げてくれる香りのプロダクトは、機能性と心地よさの両方を兼ね備えています。

写真:香りを調合する様子

「そもそも人間の体も香りの成分も、どちらも原子のつながりからできています」とむらかみさん。香りは人間の体を構成する数十兆個に及ぶ細胞の声を、素直に教えてくれる存在だとか。

「香りの好みは人それぞれですが、求める香りはSNSや人間関係などで外の世界に向きがちな意識を調え、みずみずしい感覚を呼び起こしてくれるもの。まずは手のひらの上にある心地よさに目を向けることからはじめてみるのもいいですよ」。

あらゆるシーンや気分に寄り添ってくれる植物由来の精油の香りを味方につけて、日々を心地よく整える。それだけで目の前に広がる世界は、生き生きとした輝きを増していくはずです。

※写真提供:山口亜希子(Y/studio)

スポット情報(2023年8月4日現在)
スポット名 アトリエ halu(代表/嗅覚反応分析士 むらかみちはる)
取り扱い店

「OMO5熊本 by星野リゾート」
熊本市中央区手取本町5−1 OMO5熊本by星野リゾート3階

URL @__._halu.___(Instagram)
備考 ※商品やワークショップなどの詳細は、インスタグラムのダイレクトメールで問合せを

生命力みなぎる森のサロンで自分にぴったりの香りを導く。

Ayame organic

2016年に熊本市中心部の上通りにオープンしたサロン「Ayame Organic」。通りからは見えない2階の入り口を見上げては「いつかは訪れてみたいな」と、密かに憧れを抱いていた場所です。そのサロンが2022年11月に熊本市西区の金峰山に移転したと聞き、“森の中で香りの体験ができる、なんて素敵な試みだろう”と一気にイメージが膨らみました。

写真:Ayame Organicの外観

ゆたかな自然を有する金峰山には、登山はもちろん素敵な店主のいるカフェや雑貨店が点在しており、観光でなくてもぜひ訪れてほしい場所です。そんな金峰山エリアの新たな仲間となった「Ayame Organic」の拠点は、深い森を抜けた先、光にあふれた陽だまりのような場所にありました。

写真:Ayame Organicの外観

はやる気持ちを抑えつつ、サロンを切り盛りする嗅覚反応分析士トレーナーの徳永真夕(とくながまゆ)さんの元を訪ねました。徳永さんが香りに興味を抱いたのは、2014年ごろのこと。アスリートである息子さんのメンタルケアをするために、香りは最良の方法だと強く感じ、香りを学び始めたといいます。

写真:徳永真夕さん

そんな中、2016年の熊本地震に見舞われた際に「芳香機だけ持って避難した」という徳永さん。そこで改めて香りから生み出される非日常空間の力を実感したとか。

「車中泊をしていても香りひとつでこんなに居心地がよくなるんだな、と改めて驚かされました」と目を丸くします。

同年、「香りの力でもっと熊本の人たちの役に立ちたい」と「Ayame  Organic」をオープン。以来、嗅覚反応分析士として、これまでに3500回以上のカウンセリング重ねてきた実力派です。

写真:香りのサンプル

「その人に合った香りは鍵と鍵穴のようなもの。それを短時間で導き出せるのが嗅覚反応分析の魅力です」と語る徳永さんは「コロナ禍で嗅覚を失った経験のある方は、いかにそれが大事かを実感されたかと思います。日常生活では視覚と聴覚の情報が多く、その重要性を感じにくくなっているかもしれませんが、嗅覚は生きることに直結する力と言えます」と続けます。

写真:徳永真夕さん

幅広い年齢層の心身のケアや食生活、ストレス発散法などのアドバイスを行い、嗅覚反応分析士としてキャリアを積んできた徳永さん。次第に精油の調香だけでなく「吟味した素材を蒸留し、オリジナルの精油をつくりたい」という思いが芽生え、思い切って現在の場所への移転を決意したとか。

写真:香りを調合する様子

「この場所では初心に立ち返り、周囲との関係性づくりも1から。その代わりに、日常に余白も生まれました。熊本には植物を愛情深く育んでいる生産者さんがたくさんいます。これからはそこで育まれた素材はもちろん、ここで育てた植物やハーブを使って蒸留から調香まで手がけることで、これまで以上に香りを大事にしていきたいですね」。

普段の生活で自然と触れ合う機会が少ないという人ほど、香りがもたらす癒やしを取り入れると日々のパフォーマンスは上がるといいます。自然に囲まれたこの場所がもたらす開放感とぴったりの香りがもたらす癒やしに包まれながら、自分と向き合うひと時を過ごしてみてくださいね。

 

※写真提供:大塚淑子

スポット情報(2023年8月4日現在)
スポット名 Ayame Organic
電話番号 096−274−8124
所在地 熊本市西区河内町岳1670−7
営業時間 10:00〜17:00
休み 月曜、日曜
URL Ayame Organic(ホームページ)

中城明日香

大分県生まれ、熊本市在住の編集者・ライター。
地域の出版社・編集プロダクションを経て、独立。

自然、暮らし、農業、教育、観光、ファッション、アートなど、“毎瞬”を楽しむ姿勢で幅広いジャンルの記事を手がける。仕事もプライベートも書くことが生業。

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