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パンフレット

旅のおすすめ記事最新トレンドから絶対外せない王道まで!熊本の楽しみ方をご紹介します

ブームからカルチャーへ!熊本のアウトドア事情。

写真:テント

雄大な景色が広がる阿蘇の山々に、美しき青の世界が広がる天草の海。ここ熊本には、アウトドアを楽しむフィールドが無限に広がっています。全国的なアウトドアブームが過熱する中、街と“外”をつなぐ役割を担うアウトドアショップの店主たちはどのように捉えているのでしょうか。そこで今回は、熊本を拠点にアウトドアライフを提案する3つのショップをフィーチャー。アウトドアの魅力やそれぞれの楽しみ方を伺ってきました。熊本の風土を感じる、初心者にもやさしいキャンプ場情報も必見ですよ。

※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、熊本県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。
 

  • full of life OUTDOOR LIFESTYLE  SELECT SHOP
  • 草枕山荘キャンプ場
  • Skill of the Earth
  • 吉無田高原 緑の村キャンプ場
  • make camping more families WOODS
  • 竜門ダム ドラゴンキャンプ場
     

ブームからカルチャーへ!熊本のアウトドア事情。

full of life OUTDOOR LIFESTYLE SELECT SHOP

「海も山もほど近く、季節ごとに違った表情を楽しめる熊本は、アウトドアをするには抜群の環境ですよね」と話すのは、熊本市南区に拠点を構えるアウトドアショップ『フルオブライフ』の渡邊亘朗(わたなべのぶあき)さん。大学時代は海外でプロダクトデザインを学び、帰国後は、「THE NORTH FACE」スタッフ、ストアマネージャーとして勤務。仕事の傍らキャンプをはじめ、縦走などを行う本格的な登山まで、アウトドアの経験をみっちりと積まれたそうです。

写真:渡邊亘朗さん
県内のセレクトショップでバイヤーとして働いていたこともある渡邊さん。店内には常時30〜40のブランドのアイテムが所狭しと並ぶ。
セレクトの基準は、機能性やデザイン、耐久性に優れていると同時に「使ってみて、ワクワクするかどうか」。近年は、県内の作家さんとコラボしたオリジナルのウッドテーブルを企画・販売するなど、独自の視点が注目を集め、全国誌に紹介されることもしばしば。熊本のみならず、全国のアウトドアファンの注目を集めています。
写真:full of life OUTDOOR LIFESTYLE  SELECT SHOPの店内

また、福岡出身の渡邊さんは、自然との距離が近い熊本の街を、故郷と同じように大切に思っているといいます。「日常生活は、目の前の畑から採ってきた野菜を食べるくらいの不便さがある方が、僕にとってはちょうどいいんです。利便性を追求した都市型生活より、地域の店に入ってその土地ならではの料理を食べて地元の人と話をしたり、なかなか開いてない店に入れたとか、そんなことの方がずっとうれしく感じられます。そんなバランスが心地いい熊本の豊かな環境は、それぞれの地域に暮らす人があってこそ。だから、僕もこの街でできること、この街にできることをいつも考えています」。

写真:full of life OUTDOOR LIFESTYLE  SELECT SHOPの外観
最近は、キャンプに釣りや登山、サーフィンなど組み合わせてアクティビティを楽しんでいるとか。「キャンプとアウトドアスポーツを組み合わせることで、旅気分がグッと高まります。また、その土地の自然を守っている地元の方々に感謝の気持ちを込めて、帰りは地元の食事処に立ち寄るようにしています」。
アウトドアの手始めに用意したい道具を尋ねると「火ですね」と渡邊さん。「小型のバーナーとガス缶、コンパクトなドリッパーを入れたケトルを1つを用意して、いつでもコーヒーが飲めるようにしておけば、外遊びの楽しみはグッと広がります」。
写真:小型のバーナーとガス缶、ケトル

加えて事前の天気予報や災害情報は、必ず把握しておいてほしいと渡邊さん。「状況が違えば、装備も変わってきます。今後は異常気象などの影響で、より柔軟な対応を必要とされる場合も増えてくることが想定されます。例えば、焚き火はキャンプにおける大きな楽しみの1つですが、風が強ければ潔く止める状況判断も必要です。暑さが増す時期は、朝9時ごろまでに撤収を完了するなどの時間の使い方を工夫することも大事ですね。朝の時間をゆっくり過ごしたいなら、涼しくなる夕方まで利用時間を延長することも賢明な判断だと思います」。無理せず、その時のありのままの状況を受け入れて、できることをできる範囲で楽しむこと。それが自然と心地よい関係性を築くコツなのだと、教えてくれました。

スポット情報(2022年7月22日現在)
店名 full of life OUTDOOR LIFESTYLE  SELECT SHOP
電話番号 096−288−2767
所在地 熊本市南区薄場3−2−12
営業時間 11:00~19:00
定休日 木曜(不定休あり)
※詳細はインスタグラム @full_of_life_camper にて

full of life 渡邊亘朗さんおすすめのキャンプ場

草枕山荘キャンプ場

ファミリーにうれしい芝生が広がるフリーサイトと、夕陽が沈む有明海を一望する絶景サイトの異なる表情を楽しむ「草枕山荘キャンプ場」。土地の高低差を生かした絶景サイトは、プライベート感もあり◎。隣接する温泉施設「草枕温泉てんすい」と合わせて訪れ、デイキャンプを楽しむ家族連れも多い、知る人ぞ知るスポットです。

写真:草枕山荘キャンプ場からの空
スポット情報(2022年7月22日現在)
店名 草枕山荘キャンプ場
所在地 玉名市天水町小天511−1
電話番号 0968-82-4500
料金

フリーサイト料金:テント1張1500円、タープ1張1000円
チェックイン:13時~、チェックアウト 11時まで

BBQ場 ※食材のみ持込み:大人800円、小学生500円、幼児100円
       ※食材込み:特上牛肉セット一人2500円人
                                 牛カルビセット一人2000円
          お子様セット一人1400円

コテージ・貸別荘:基本料金14000円から20000円
         +管理費大人1200円、小学生600円、幼児無料

設備 車いす対応トイレ、炊事場、自販機、オートキャンプ可、ペット同伴可

                

【隣接する温泉施設】
スポット情報(2022年7月22日現在)
店名 草枕温泉てんすい
営業時間 10:00~21:00(最終受付20:30)
料金 大人600円、中学生以下220円、3歳以下無料
ホームページ 草枕温泉てんすい(外部リンク)

とらわれない発想で、自由なスタイルを楽しもう。

Skill of the Earth

2020年11月に自宅のガレージを改装してオープンした、秘密基地のような空間が広がる『スキル オブ ザ アース』。店主の吉村公助(よしむらこうすけ)さんいわく、トイレなし、夏は暑く冬は寒い“日本一くつろげない野外ガレージショップ”。店内には、全国的に入手困難な「貝原バーナー製作所」の真鍮製ストーブや、ベルギーの「Arnaud」の組立て式ソロ用ロケットストーブ、山鹿の「丸山ステンレス」の焚き火台など、アウトドア好きならずとも、思わず二度見してしまうようなレアアイテムがひしめいています。

写真:店主の吉村公助さん
写真:ランタン
元々、横浜にある「LOGOS」の直営店で長年店長として働いていたという吉村さん。幼い頃の愛読書は『冒険図鑑』で、本格的なアウトドアを始めたのは社会人になってから。関東在住時はリュックひとつで電車を乗り継いでいく、ミニマムなスタイルが吉村さんの定番。荷物の軽量化を図るために、木の枝を生かしてテントの設営をしたり、ペグの代用品として枝を使ってみたりと、形にとらわれない自由な発想でアウトドアに親しんできたといいます。
写真:コアなアウトドアグッズ
ストイックなラインナップとは裏腹に、話しやすく親切な人柄の吉村さんの元には、コアなアウトドアスタイルを好むキャンパーから、ソロキャンプに挑戦したいという女性キャンパー、親子2世代でキャンプをするファミリーキャンパーまで、幅広い層の常連さんが訪れます。「好きなものを追求した結果、雑誌にはあまり掲載されていないようなアイテムが多く並んでいますが、そこを狙っているわけではないんです。来てくださった方が“世の中にはいろんなアイテムがあるんだ”と気づく、1つのきっかけになれたらと思っています」。
写真:アウトドアグッズ

ユニークなのは割れない急須や、振動を吸収するスイス製の工業用無振動ハンマー、本格的なミリタリー仕様の救急アイテムなど、キャンプブランドの枠を超えたセレクト。「直火の焚き火はせず、ゴミは放置しない。最低限のルールを守って、無事に帰ってくることが1番です。使う道具選びも周りに流されることなく、自分がどう楽しみたいのかを大切に、納得のいくものを選んでもらえたら」と語る言葉には、吉村さんのアウトドアに対する想いがにじんでいました。

写真:skill of the earthの外観

静かな住宅地の一角。目の前に広がるのは、穏やかな田園風景。形にとらわれない発想は、店構えもしかり。「熊本は、通年営業しているキャンプ場が最も多いエリアです。今のようなアウトドアブームが落ち着いたとしても、アウトドアを通じて地元の良さを再発見したり、熊本を訪れた人に個性的で面白い街だと感じてもらえたらうれしいですね」。

スポット情報(2022年7月22日現在)
スポット名 Skill of the Earth
所在地 八代市上野町3606−2
営業時間 13:00~18:.00
定休日 不定休(詳細はインスタグラム @skill_of_the_earth にて)

Skill of the Earth 吉村さんおすすめのキャンプ場

吉無田高原 緑の村キャンプ場

グランピング施設「星の森ヴィラ」をはじめ、車の乗り入れ可能な「ゆうすげの丘エリア」、電源付きのオートサイト「どんぐりの丘エリア」、木々の中で過ごす「森のテントエリア」、区画がなく自由度の高いフリーサイトなど、趣向の異なるサイトが魅力。施設内で体験できる草スキーやMTB、化石発掘体験など多彩なアクティビティも必見です。

写真:夜の吉無田高原 緑の村キャンプ場
写真:夕日と吉無田高原 緑の村キャンプ場
スポット情報(2022年7月22日現在)
スポット名 吉無田高原 緑の村キャンプ場
所在地 上益城郡御船町田代8405−24
電話番号 096−285−2210
営業時間 9:00~17:00
定休日 水曜 ※祝日の場合、翌平日
料金

■入村料
大人(高校生以上)230円 子供(小学生以上)120円
■利用料金
・ゆうすげの丘:
(宿泊/1区画) 小型エリア2040円、スタンダードエリア3500円 
(デイキャンプ ※土曜、祝前日、繁忙期は休止/1区画)1530円から 
・フリーサイト:テント1張2040円、電源付きサイト 4050円
・貸し出しテント:1張3000円(森のテントエリアのみ利用可)

チェックイン:14:00~
チェックアウト:10:00(持ち込みテントのみ12:00)

設備 車いす対応トイレ、炊事場、BBQ場、自販機、オートキャンプ可、薪(有料)、
炭(有料)、BBQセット(有料)、ペット不可
ホームページ 吉無田高原 緑の村キャンプ場(外部リンク)

自然と触れ合う、ちいさなきっかけを作りたい。

make camping more families WOODS

“野遊びを身近に”をコンセプトに、2021年6月にオープンしたばかりの『ウッズ』。「ノルディスク」の特約店のみの取り扱いとなるレアなテントや、ソロキャンプにぴったりのパップテント、普段使いに馴染むヴィンテージテイストの雑貨を提案するブランド「プエブコ」などの幅広いラインナップは、眺めているだけでも時間があっという間に過ぎていくほど、ワクワクする空間です。

写真:make camping more families WOODSの外観
「わざわざ菊池まで来てくださった方に、何かしら発見のあるセレクトができれば」と話すのは、マネージャーの野田康男(のだやすお)さん。ベテランキャンパーの先輩に「夫婦喧嘩をしても焚き火があれば大丈夫だよ」と、焚き火を教わって以来、すっかりアウトドアに魅了されてしまったとか。「A4サイズほどのコンパクトな焚き火台の上に広がる豊かな世界に感動しました」と当時を振り返ります。
写真:マネージャーの野田康男さん

以来、ファミリーキャンプからソロキャンプまでさまざまなシチュエーションでキャンプを楽しんでいるそうです。
最近のお気に入りのスタイルを尋ねると、菊池ならではの立地を生かした過ごし方を教えてくれました。「仕事帰りに最低限の装備でソロキャンにいくことです。食事はメスティンでご飯を炊いている上に、サバ缶をのせて、保温袋で余熱調理。お箸は落ちてる枝を折って使うくらいの軽装備です(笑)。温泉が豊富な菊池は、朝6時から営業しているところもあるので、朝5時半にはキャンプ場を撤収して、1時間ほど温泉に浸かってから出勤します」という夢のようなアウトドアライフを披露してくれました。

写真:テント
「季節は秋口あたりに限定されますが、自分の子どもは0歳からキャンプに連れて行っていました。焚き火などは危険なので避けますが、時期を選べば赤ちゃん連れでもキャンプは十分楽しめます。何より子どもと接する時や仕事で悩んだ時、自然の中で過ごすとリセットされる感覚になれるのがありがたいです」と野田さん。周りの意見に惑わされることなく、生きることの大切さを自然の中で実感していると言います。
写真:make camping more families WOODSの店内

そんなアウトドアの魅力をより多くの人に伝えたい、と野田さんはつながりのある人たちとのご縁を生かしたイベントも積極的に開催しているとか。今回、おすすめしてもらった「竜門ダム ドラゴンキャンプ場」で開催したイベントには、県内外から100組が集い、熊本地震からの復興支援として益城町役場で開催したキャンプマルシェも1500人を動員するなど、大盛況に終わったとか。
「僕も先輩に教わったように、何か新しいことをはじめるには、小さなきっかけが必要です。信頼を寄せる人たちと、温かい雰囲気のイベントをこれからも企画していきたいです」。キャンプはいつからでも、いつまでも続けられるもの。世代を越えてつながることができるアウトドアという趣味を、自分のペースで深めてみてはいいがでしょうか。

スポット情報(2022年7月22日現在)
スポット名 make camping more families WOODS
所在地 菊池市大琳寺27-1
電話番号 0968-23-6030
営業時間 10:00~17:00
※詳細はインスタグラム @woods_dns にて
定休日 水曜
ホームページ make camping more families WOODS(外部リンク)

WOODS 野田さんおすすめのキャンプ場

竜門ダム ドラゴンキャンプ場

県内でも有数の規模を誇る「竜門ダム」のほとりに、2020年9月に国土交通省の「開かれたダム」の社会実験としてスタートし、2022年4月に正式にオープンしたばかりのキャンプ場。約3000平方メートルの敷地内に広がる芝生のフリーサイトは、初心者にやさしいフルフラット。場内は、ワーケーション利用にもうれしいカフェやフリーWifiも完備。子どもたちに人気の遊具のある公園エリアなど、開放的な空間でのびのび過ごせる環境です。

写真:竜門ダム ドラゴンキャンプ場
写真提供:松本 平
スポット情報(2022年7月22日現在)
スポット名 竜門ダム ドラゴンキャンプ場
所在地 菊池市龍門916
電話番号 0968-27-0011
料金

宿泊:大人(高校生以上)1300円、子ども700円、幼児無料(小学生未満)
デイキャンプ:大人(高校生以上)500円、子ども300円、幼児無料(小学生未満)
テント1張:1000円(1泊)、500円(デイキャンプ)
タープ1張:1000円(1泊)、500円(デイキャンプ)
焚き火、BBQ使用料:1000円(1組1枚)※焚き火代用のシートは無料で利用可
ゴミ処分料:500円

※そのほか、レンタルもあり(券売機にて現金での支払いに限る)
宿泊:チェックイン 11:00~17:00、チェックアウト 11:00
デイキャンプ:チェックイン 10:00、チェックアウト 17:00

設備 車椅子対応トイレ、売店、シャワー(無料)、広場、公園エリア、炊事場、分別ゴミ箱、トイレ、BBQ場、ペット可、フリーWifi、カフェ
ホームページ 竜門ダム ドラゴンキャンプ場(外部リンク)

※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、直接店舗に営業時間をご確認ください。

 

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中城明日香

大分県生まれ、熊本市在住の編集者・ライター。
地域の出版社・編集プロダクションを経て、独立。

自然、暮らし、農業、教育、観光、ファッション、アートなど、“毎瞬”を楽しむ姿勢で幅広いジャンルの記事を手がける。仕事もプライベートも書くことが生業。

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