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パンフレット

旅のおすすめ記事最新トレンドから絶対外せない王道まで!熊本の楽しみ方をご紹介します

荒尾市、秘密の絶景スポット

中川千代美

県北エリア 自然 夕陽
写真:遠くまで広がる干潟

熊本県の北西部、福岡県との県境に位置し、有明海にも面する荒尾市。九州最大級の遊園地グリーンランドが有名ですが、他にも写真に収めたくなる秘密の絶景スポットが潜んでいます。ドライブしながら楽しみたいスポット3箇所をご紹介します。

  • 荒尾干潟
  • 炭鉱電車(万田坑内)
  • 岩本橋
     

たくさんの生命の息吹を感じながら楽しむ、干潟の夕景

荒尾干潟
写真:荒尾干潟の夕日が沈む様子

荒尾市の西側に位置する荒尾干潟。有明海から見ると中央部東側に当たる場所に広がっています。南北約9.1キロメートル、東西最大幅約3.2キロメートル、干潟面積が約1,656ヘクタールと、単一の干潟としては国内有数の広さ。こちらは日々、いろいろな絶景が楽しめるスポットでもあります。

写真:海岸傍には駐車場

約6キロメートルに渡る沿岸には、観察や漁業者用の海床路などが整備されており、車も駐めることができます。
景色や夕日、水鳥観察などを楽しみに訪れる人も多いスポットです。

写真:荒尾干潟

こちらの荒尾干潟は、2012(平成24)年に、国際的に重要な湿地としてラムサール条約湿地に登録されています。水鳥の生息地として国際的に重要と認められ、そこに生息する動物や、生育する植物の保全の促進を行うべき場所とされているものです。

干潟をじっと見てみると……。

写真:荒尾干潟には多様な生き物が生息

早速、小さなカニさんを発見!

写真:荒尾干潟には多様な生き物が生息

砂紋の中にポコポコと開いた穴に、生き物の息吹を感じます。マジャクや貝類やゴカイ類などの多様な生き物が生息しているそうです。

写真:水鳥

そして、それらをエサにする水鳥たちの姿も多く見ることができます。冬の満潮時周辺の時間帯に訪れてみると……。

写真:海岸にはハマギシも訪れる

かわいいシロチドリちゃんたちの会合に遭遇しました。

写真:ミユビシギ

海辺をお散歩中のハマシギちゃんも。

写真:たくさんの海鳥

海を覆い尽くす勢いの、大群の渡り鳥の姿も。様々な生き物の姿を楽しむことができます。

写真:夕日と飛んでいる鳥

水鳥の飛来状況などは、「荒尾干潟水鳥・湿地センター」のFacebookページ(外部リンク)で細かく情報発信されているので、ぜひチェックしてお出かけください。

写真:荒尾干潟

さて、干潟の景色で外せないのが、干潮時の夕暮れの景色です。
干潮時には干潟がその姿を現し、車が走れるよう漁業用に固められた海床路なども姿を現します。普通の海の景色とはまた違った表情を楽しむことができます。

写真:干潮時の荒尾干潟

ウユニ塩湖のようなシーンに遭遇できたり…。

写真:干潮時の荒尾干潟

砂紋の中に空が映り、遠くに船が見える、不思議な景色を楽しんだり……。

写真:荒尾干潟と夕日

そうこうしているうちに、日が暮れてきました。撮影に訪れている人の姿も多く見えます。

写真:荒尾干潟と夕日
写真:夕日に照らされた貝殻

浜辺に打ち上げられているたくさんの貝も、キラキラと輝いて見えます。この貝の多さも、この干潟の生命の豊かさを示しています。

写真:荒尾干潟と夕日

海と砂紋が夕日を映し、幻想的な景色を作り出しています。ゆっくりと沈み行く夕日を、ただボンヤリと見つめていました。

写真:荒尾干潟と夕日

日が落ちた後のマジックアワーも、神秘的な時間です。

写真:荒尾干潟と夕日

また、満潮時の夕日も、波と浜辺の貝がキラキラと夕日に輝いて、絶景です。
「荒尾干潟水鳥・湿地センター」のホームページ(外部リンク)では、干潟の潮汐表と日の入りの時刻もお知らせしてくれているので、ぜひチェックして、何度でも訪れてみましょう。

スポット情報(2025年1月24日現在)
スポット名 荒尾干潟
住所 熊本県荒尾市蔵満20-1(荒尾干潟水鳥・湿地センター)
電話番号 荒尾干潟水鳥・湿地センター
電話番号 0968-57-7444
関連リンク 荒尾干潟水鳥・湿地センターのホームページはこちら(外部リンク)

炭鉱電車(「万田坑」内)

写真:電気機関車

2015(平成27)年7月に「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つとして世界遺産に登録された「万田坑」。三池炭鉱の坑口の一つとして、明治から昭和初期にかけて上質な石炭を生産し、日本の近代化を支えた施設が現代に保管され、当時のままの姿を見ることができる施設です。

写真:万田坑ステーション

世界遺産として有名なこのスポットですが、敷地内に秘密の絶景スポットがあります。しかも、見に行くなら第2、4日曜が特におすすめだとか……。早速、足を運んでみました。

写真:万田坑ステーションの外観

お目当てのスポットは「万田坑」の有料区域内にあるため、まずは「万田坑ステーション」で入場チケットを購入します。ちなみに「万田坑ステーション」は入館無料で、万田坑や三池炭鉱に関する情報や展示の閲覧ができますので、こちらで予習するのもおすすめです。

写真:炭鉱電車の案内板

万田坑の有料ゾーン内に入り、案内板に従って進むと…。

写真:炭鉱電車

「選炭場」の下段に見えてきました! これが「炭鉱電車」です。

写真:炭鉱電車

かつて万田坑で採掘した石炭を三池港から輸出するために三池炭鉱専用鉄道で運搬していました。そこで実際に走っていた「炭鉱電車」です。こちらには動力源が異なる2両が展示されています。車体の小豆色も、当時のままの色だそうです。

写真:炭鉱電車の運転席

まずは「18」と記された車両・18号機の運転席を覗いてみます。こちらは1937(昭和12)年製の45トン車。電線から電力を供給しながら走るタイプです。

写真:炭鉱電車には黒い箱のバッテリーが搭載されている

そして「12」と記された12号機は、1917(大正6)年製の20トン車です。こちらは18号機と違って、バッテリー搭載タイプです。運搬できる重さは少ないですが、火花などが起こると危険な化学工場の敷地内でも安全に走行できるような仕様だったそうです。この黒い箱は、全てバッテリーです。

1997年の三池炭鉱閉山後も、この2両は三井化学大牟田工場で2020年まで使われていたというから驚きです。約1世紀の間、現役で走り続けていたんですね。

写真:線路を走る炭鉱電車

毎月第2・4日曜は、この12号機が屋根から飛び出して線路を実際に走ります! 月に2回だけお空の下で機体を見ることができる、貴重な機会です。

写真:炭鉱電車

運行時間になると、数十メートルの線路を何度か往復します。心なしか、のびのびと走っているような気がします! そして、バッテリー駆動なので走行音がとても静かなことにも驚きます。

写真:停車した炭鉱電車の後ろには第二竪坑櫓が見えます

そして写真用に、万田坑のシンボル、第二竪坑櫓をバックに撮影できる位置に停車してもらえます。これぞ秘密の絶景! シャッターを切る手が止まりません!

写真:炭鉱電車は旗で信号を送ります

第2・4日曜の運行日には、1日あたり6回も線路を走ります(10:30〜15:30まで、1時間おき)。ここでしか見られない「働く車」が動く姿を楽しみに、ぜひ運行日を目指して行きたいところです。

もちろん、それ以外の日も車体は常時展示されており、18号機は運転席の中まで見学できます。

写真:スタンプラリーも開催

ちなみに、万田坑のほか、福岡県大牟田市の「炭鉱電車ステーションゼロ」、「三川坑」、「大牟田観光プラザ」と、炭鉱電車保存関連施設4箇所を巡ると景品がもらえる「炭鉱電車保存施設を巡るスタンプラリー(荒尾市観光協会ホームページ)」が2025年3月31日まで開催されています。万田坑のスタンプは、「まるごとあらお物産館」内で押せますので、ぜひ回ってみてはいかがでしょうか?

写真:万田坑内を見学する人

炭鉱電車を堪能したら、もちろん、万田坑内の見学も楽しみましょう。明治〜昭和の設備がそのまま残り、まるでタイムカプセルのような敷地内の景色の数々は見応え十分です。映画やアニメの舞台の中に迷い込んだ気分になります。

写真:万田坑内
写真:立っている女性より大きな歯車
写真:歯車
写真:ベル
写真:万田坑内
写真:万田坑内
万田坑内
万田坑内
万田坑内
万田坑内

映画のロケ地にもなったという「万田坑」敷地内を巡る中で、日本の産業の発展を支えた技術力とそこで働いていた炭坑マンたちの名残を感じながら、タイムトリップをした気持ちになれました。           

スポット情報(2025年1月24日現在)
スポット名 万田坑
住所 熊本県荒尾市原万田200番地2(万田坑ステーション)
問い合わせ先 万田坑ステーション
電話番号 0968-57-9155
営業時間 9:30〜17:00(最終入坑16:30)
休み 月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
料金 入坑料/大人410円、高校生310円、小・中学生210円、幼児無料
炭鉱電車運行スケジュール 毎月第2・4日曜の10:30〜、11:30〜、12:30〜、13:30〜、14:30〜、15:30〜)
駐車場 大型バス5台、中型バス3台、普通乗用車72台
関連リンク 荒尾市役所ホームページはこちら(外部リンク)

美しいアーチにうっとり見惚れる石橋

岩本橋
写真:アーチのきれいな岩本橋

石橋というと、美里町や山都町、八代市東陽町などが思い浮かびますが、荒尾市にも美しい石橋があります。それがここ、岩本橋です。

写真:駐車場から岩本橋へ続く道

駐車場から河川敷への道を降りていくと、すぐ見えてきます。

写真:河川敷から見える岩本橋

すぐにその全貌が姿を現しました。関川にかかる石造の眼鏡橋で、全長32メートル、幅4.4メートル、高さ7.4メートルの大きさです。県重要文化財にも指定されています。

かつては肥後と筑後を結ぶ主要道路で、江戸時代には往還を見張る番所がこの場所に置かれていたそうです。軍事的な理由で架橋が禁じられており、住民は徒歩で川を渡河し、危険な目に遭うことも多かったとか。その後、嘆願により1833(天保4)年に架橋が許可された場所なのだそうです。

写真:橋の下からの景色

はっきりとした記録は残っていませんが、この石橋は1868(慶応4)年には完成したと考えられています。皇居の二重橋も手掛けた種山石工の名工・橋本勘五郎との説があるそうですが、記録としては残っていないとか。

写真:アーチが2つ並ぶ岩本橋

石橋をくぐって正面から見てみると、美しいアーチが印象的です。熊本県に残る石橋の中では比較的後期に造られており、美しい姿がそのまま残っている点も魅力です。

写真:石が積み上げられているのを確認

アーチの内側を見上げることができるのも楽しいです。当時の石工の技術の高さを感じることができます。阿蘇凝灰岩の切岩を二重に築いて造られており、学問的にも貴重な様式なのだそうです。

この石橋は今でも渡ることができるので、対岸まで渡ってみます。1メートルほどの欄干の向こうに、美しい川の景色。欄干には装飾の彫りも施されています。

写真:橋の傍にある展望所

橋を渡ると、展望所が見えてきました。

写真:展望所から見える岩本橋

展望所から、橋の全景が見渡せます。
造成当時のままの姿が美しく残されている岩本橋。石橋好きな人はもちろん、苔シダ好きな人や、歴史の浪漫を感じたい人にもぜひ目にして欲しい、秘密の絶景スポットです。

スポット情報(2025年1月24日現在)
スポット名 岩本橋
住所 熊本県荒尾市上井手
問い合わせ先 荒尾市観光文化交流課 TEL 0968-63-1421
駐車場 あり

中川千代美

長崎生まれ、熊本在住。地方出版社に勤めたのち、「チヨミ編集事務所」として独立。地域の子育て情報誌や生活情報紙をはじめ、幅広いジャンルの編集・ライティング・企画を手がける。食欲・物欲・お出かけ欲・温泉欲・ビール欲が赴くままに熊本・九州を駆け回る日々。趣味は二胡。

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