長洲町エリア、秘密の絶景スポット

熊本県の北西部にある玉名郡長洲町(ながすまち)。金魚や鯉の養殖が盛んであると共に、漁業の町でもあり海の景色も豊かな立地で、長崎へのフェリーの発着港や造船所などがある船の町でもあります。そんな長洲町で見つけた、秘密の絶景をご紹介します。
・「金魚の館」の金魚
・「四王子神社」の花手水
・「長洲港 みなと憩い広場」
水槽の中でゆっくり堪能できる、金魚の“絶景”
金魚の館

金魚と鯉の町である長洲町の絶景として、まず訪れたいのが、水槽の中で楽しめる美しい景色です。


長洲町の西側、海にも程近い立地にある「金魚と鯉の郷広場」。入口にある大きな金魚のオブジェが印象的なこの公園の中に、目的地の「金魚の館」はあります。金魚の養殖業が盛んな長洲町を象徴する観光施設です。

館内に入ると、木の温かみがある豊かなゆったり広い空間。この左奥に進むと…。

金魚の水槽コーナーが見えてきます。巨大水槽やアクアリウムが並び、中にはたくさんの珍しい金魚たちが展示されています。この金魚が泳ぐ姿が美しく、この町ならではの小さな「絶景」なんです。

まずチェックしたいのが、最長で40cmにも成長するという「ジャンボシシガシラ」。なんと、江戸時代に長洲町で誕生した品種です。その希少性はもちろん、どっぷりとした体や、ウロコや尾びれの美しさもじっくり観察できます。

こちらは「桜東錦」。まるで水の中で白く光っているかのような、美しい存在感です。長い尾びれが美しく揺らめきます。

こちらは「タマサバ」。優雅なフナ尾が魅力で、横からの姿が美しいとされています。ふっくら丸いお腹もかわいい!

「イエローコメット」は黄金色の体が美しい品種です。他にも、普段は目にしないような珍しい金魚たちが次々に現れます。


櫓型の水槽で、空を舞うように泳ぐ金魚を愛でたり、揺らめく尾びれに寄って写真を撮ってみたり、美しい金魚たちにしばしうっとり見惚れる時間でした。


ちなみに館内では、いつでも金魚すくい(100円でポイ3枚、金魚は持ち帰りできません)やスーパーボールすくい(1回100円、3個まで)が楽しめます。また、木の遊具があるキッズスペースもあり、子ども連れでも楽しいスポットです。さらに、360度立体映像を楽しめる『ギョギョっと4D!シアター』(1回200円・約20分)もあり、大迫力の映像で金魚を楽しめますよ。

「コイのエサ」(1袋100円)も販売されているので、修景池で錦鯉たちにえさやりも楽しめます。遊具がある広い芝生広場や、夏季には水遊びができる広場などがあり、公園遊びもできるスポットです。

広場入口の屋外の水槽でも、金魚たちが気ままに泳いでいます。いろんな場所で、金魚や鯉がのどかに泳ぐ景色をゆっくり楽しめました。
スポット名 | 金魚の館 |
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住所 | 熊本県玉名郡長洲町大字長洲3150 |
電話番号 | 0968-78-3866 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
休み | 年末年始(臨時休館日あり) |
駐車場 | あり |
URL | 金魚の館(長洲町ホームページ) |
SNS映えすると人気に。神社の「花手水」の景色
四王子神社(しおうじじんじゃ)

長洲町には、コロナ禍の時期から、毎月、多くの人がカメラを手に立ち寄るようになった「絶景スポット」があります。

それがこちら、四王子神社です。864年の歴史(2024年時点)がある、長洲町の総鎮守とされる歴史ある神社です。日本武尊を御祭神とする神社としては珍しく、海がある西向きに立っています。これは古くから海の安全を守る役割を担ってきたからだそうで、かつては漁師達が四王子神社のご神木・大イチョウを目印に戻ってきていたのだそうです。龍神信仰もあり、境内の至る所に龍もあしらわれています。

こちらの神社で有名なのが、毎年1月に開催される「的ばかい」として知られる「破魔弓祭」。ですが最近、そのお祭以上にこの神社の代名詞となりつつあるのが、「花手水(はなちょうず)」です。花手水とは、お手水鉢に花を浮かべたもの。四王子神社では、毎月1回、主に週末2日間、花手水の日を設けています(2024年現在)。

取材に伺った日はゴールデンウィーク。子どもたちに向けて、人気アニメをイメージした花手水が手水舎を彩っていました。

ただ花を浮かべるだけではなく、毎回、季節やテーマにあわせて長洲町のフラワーショップがフラワーアレンジメントを行っているのが、こちらの特徴。そのアレンジの美しさとオシャレさに「SNS映えする」と話題となり、写真を撮りたい人を中心に多くの人が訪れるようになりました。




キャラクターのテーマにあわせた色とりどりの花が彩られています。これだけふんだんにたくさんの種類を使った花手水、見ているだけでも心が洗われます。

「県外から花手水を目指して訪れてくれる人もいて、とてもありがたいですね」と微笑むのは、宮司の松田匡司さん。この花手水が始まったのは、コロナ禍の最中。ウイルス感染防止の観点から手水での手洗いを止めるよう通達があった頃です。県外の神社で花手水が始められていましたが、当時は県外への移動も止められていた時期。「この神社で花手水が見られたら」との要望に応え、知り合いから切り花を集めて浮かべたのが始まりだったそうです。

「手水とは心を洗うもの。コロナ禍で疲弊した人々が、美しい花々で心を癒やされる様子を見ると、これこそが神社のあるべき姿だと感じました」と松田さん。その後、長洲町にあるフラワーショップに声をかけると、「コロナ禍で花が売れなくて、生産者が困っている」という話も。さらに地域の飲食店も困っていると聞き、彼らも助ける思いで、毎月1回の花手水と、そこに合わせたキッチンカーのマルシェイベント開催を決定したのだそうです。すると、噂が噂を呼び、多くの参拝客がカメラを手に訪れるようになりました。


写真左はハロウィーンの時期、右はお盆の時期の花手水。毎月、新しい花の景色と出会うことができる四王子神社の花手水で、心を洗いに来てみませんか?

ちなみにこちらでは、4月と6月、10月頃に、夕日の道がまっすぐ鳥居に延びてくる日があります。この日に合わせて訪れる人も多いそうです。

取材日は神社の上に「龍雲」が伸びていました。不思議なことに、社殿に向かうようにこのような雲が現れることも多いのだとか。

さらに、神社ネコもたくさんいます。みんな人懐っこいので、ネコちゃんがいる景色も楽しむことができますよ!
スポット名 | 四王子神社 |
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住所 | 熊本県玉名郡長洲町長洲1274 |
電話番号 | 0968-78-0426 |
駐車場 | あり |
URL | 四王子神社(Instagram) ※花手水のスケジュールもInstagramでチェックできます |
夕方〜夜にかけて楽しみたい、海と港と船の景色
長洲港 みなと憩い広場

西向きに海に開けている長洲町には、夕日や夜景を楽しめる海の絶景スポットがあります。まずは、長洲港横にある「長洲港みなと憩い広場」です。

長洲港を見渡せる位置にある、こちらの公園。ウォーキングコースも設けられている、ゆったり広い広場です。

こちらで海に向かって立っているのが、「喜望の鐘」です。かつてライオンズクラブの中村 正一郎氏が第5天洋丸の船長の際に、世界の海を共に航海したという鐘が施されています。

ちょうど目の前に、長崎県島原半島へのフェリーが発着する港が見えます。フェリーや乗り場のかっこよさにも見惚れてしまいます。フェリーが行き来する姿を見ているだけでも、なんだか心が躍りますね。

そうこうしているうちに、夕日が沈んできました。ちょうどこの時間帯に鐘と共に写真を撮ると、とてもフォトジェニック。美しい鐘のシルエットの奥に、長崎の雲仙普賢岳、そして夕日とその光を写す海とが、なんとも言えないドラマティックな景色をつくり出します。

まっすぐに沈み行く夕日が落ちきるまで、ゆったり眺めていたくなる、そんな景勝スポットです。
スポット名 | 長洲港 みなと憩い広場 |
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住所 | 熊本県玉名郡長洲町長洲3318 |
電話番号 | 0968-78-3219(長洲町まちづくり課) |
駐車場 | あり |
URL | 長洲町公式ホームページ |
「長洲町総合スポーツセンター」内の公園

そしてもう一ヵ所、夕日が落ちた後のマジックアワーや夜景まで楽しめるオススメのスポットがあります。

場所は、体育館や温水プール、弓道場、艇庫などのスポーツ施設が集まった「長洲町総合スポーツセンター」内。敷地内の海沿いに、海の景色を楽しめる公園が設けられています。

ベンチがたくさん備えられており、のんびり座って景色を楽しめる穴場的スポットです。

ここからは、造船所のドッグと長崎県島原半島を望むことができます。自然の美と人工の美とのコントラストが美しく、大迫力。手前には漁船も係留されています。


夕暮れを待ちます。夕日が落ちた後のマジックアワー。シンと静かな中で、造船所に少しずつ灯りが灯っていく様は、まるで映画の1シーンのようです。

そして夜となり、造船ドッグは照明に照らされます。無機質な造船所のクレーンが浮き出るように存在感を放ち、写真を撮る手が止まりません。このカッコいい夜景は、長洲町ならではの特別な絶景です。
スポット名 | 長洲町総合スポーツセンター |
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住所 | 熊本県玉名郡長洲町姫ケ浦1 |
電話番号 | 0968-78-3219(長洲町まちづくり課) |
駐車場 | あり |
URL | 長洲町総合スポーツセンター(ホームページ) |
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中川千代美
長崎生まれ、熊本在住。地方出版社に勤めたのち、「チヨミ編集事務所」として独立。地域の子育て情報誌や生活情報紙をはじめ、幅広いジャンルの編集・ライティング・企画を手がける。食欲・物欲・お出かけ欲・温泉欲・ビール欲が赴くままに熊本・九州を駆け回る日々。趣味は二胡。
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