寒い季節に、体の芯からあたたまる1杯を
日に日に肌寒く感じるようになりました。秋も深まるこの季節、あたたかいスープが恋しくなりますよね。そこで今回は、熊本に続々と登場しているスープの専門店をご紹介します。店主の思いやストーリーが詰まった、心も体もあたたまるスープ。ぜひご賞味ください。
・東風日和（こちびより）
・無添加スープ専門店 with Soup
・soup.da.coode（スープダクード）
彩りと味わいが豊かなスープで、心と体を元気に
東風日和（こちびより）
熊本県北部にある山鹿市鹿本町。日本の原風景のような美しい田んぼに囲まれた場所に、スープ専門店「東風日和（こちびより）」があります。
店舗は、かつて診療所だった空き家をリノベーション。「昔から病院として人々を癒やし続けてくれたこの場所で、再び皆が集える“あたたかな場所”をつくりたい」という、オーナー・山部絵理さんの思いが込められています。
「スープは、赤ちゃんからお年寄りまで食べられて、病気と向き合っている方にも寄り添ってくれる食べものです。そんなスープで、たくさんの人たちの心と体を元気にしたいというのが、私の昔からの夢でした」と山部さん。スープは2種類あり、看板メニューの「野菜のスープ」と、旬の食材を使った「季節のスープ」から選べます。
「こちびよりスープランチセット」1850円。野菜のスープとミニバケット、野菜のプレート(ご飯、肉系のミニおかず、小鉢、生野菜)、ドリンク付き。野菜のスープやプレートは単品もあります。
※季節のスープは通常1100円
「古いものが大好き」という山部さんのセンスが詰まった店内は、昔懐かしいホッとする雰囲気です。
スープには、阿蘇にある山部さんの実家で育てている野菜を使っているそうです。「店が休みの週末は、子どもたちと一緒に野菜を収穫しに行きます。収穫している間、どんな料理を作ろうか、彩りはどうしようかと、お客さまが喜ぶ顔を思い浮かべながら考えるんです。それは、私にとって心と体が元気になる時間ですね」と、穏やかな笑顔で話してくれました。
| スポット名 | 東風日和 |
|---|---|
| 電話番号 | 0968-46-6133 |
| 所在地 | 山鹿市鹿本町庄496-2 |
| 営業時間 | 11:00〜17:00 |
| 店休日 | 土日、月曜 |
| URL | 東風日和（Instagram） |
野菜の栄養が溶け込んだ、滋味深い無添加スープ
無添加スープ専門店 with Soup
玉名市の県道347号線沿い、村田自動車の敷地内にある「with Soup」。食品添加物や化学調味料を一切使用せず、野菜のうま味と栄養素がしっかりとれる無添加のスープをテイクアウトで提供しています。
スープは全部で４種類。野菜たっぷりの「ファイトケミカルスープ」（420円）と「クラムチャウダー」（450円）、月替わりの季節のスープが2種類です。取材した10月の季節のスープは、「特製クリーミートムヤムクン」（580円）と「かぼちゃのポタージュ」（380円）でした。
定番は「ファイトケミカルスープ」。ファイトケミカルとは、植物が生命を維持するために、紫外線や昆虫など、植物にとって有害なものから体を守るために作り出されたもので、抗酸化作用（サビを防ぐ力）を持っているとのこと。
人間の体は細胞の酸化（サビ）が原因で、病気や老化を引き起こすと考えられており、その予防にファイトケミカルが有効だといわれています。このファイトケミカルを人間が摂取するには、野菜を加熱したスープを食べるのが効率良いといわれているのだそう。
「特製クリーミートムヤムクン」。タイのスープで、酸味と辛味、ココナッツミルクのバランスが絶妙です。「お客さまに世界のスープを知ってほしい」と、月替わりのスープの1種類は外国のスープを用意。
「可能な限り地元の農家さんから食材を仕入れ、無添加にこだわった安心安全なスープで、お客さまに健康になってほしい」と藏原さん。「コーヒーの代わりに、スープを片手にドライブをしたり、仕事をしたり。そんなふうに、もっと身近にスープを楽しんでいただけるよう、店舗拡大も視野に入れています」と、今後の展望も語ってくれました。
| スポット名 | 無添加スープ専門店 with Soup |
|---|---|
| 電話番号 | 0968-80-0297 |
| 所在地 | 玉名市築地95 |
| 営業時間 | 10:00〜18:00（土日のみ営業） |
| 店休日 | 月～金曜 |
| URL | 無添加スープ専門店 with Soup（ホームページ） |
やさしさが体にしみる、栄養満点スープと無添加パン
soup.da.coode（スープダクード）
菊池郡菊陽町にある「soup.da.coode」は、オーナーの内山陽子さん自ら手作りしている野菜たっぷりのスープと自家製無添加パンが楽しめる店。2023年1月にオープンしました。基本的にテイクアウトでの提供ですが、イートインスペースもあります。
スープは、主に熊本県産の食材を使用し、1杯につき150g以上の野菜が入っているので栄養満点！ じっくりと煮込まれているため、野菜本来のうま味が感じられます。内山さんが農家にボランティアで手伝いに行ったとき、規格外の野菜が大量に廃棄されていることを知り、「捨てられてしまう野菜をなんとか活用できないか」と思ったことが、スープ店を開業したきっかけなのだそう。3種類のスープが用意され、定番のミネストローネ以外の2種類は週替わりなので、来るたびに新しい味に出会えます。
スープと相性抜群のパンも、日替わりで7〜8種類並びます。特におすすめなのが、天然酵母を使用し、長時間の低温熟成により、うま味が凝縮されたフォカッチャ。希少な国産小麦はるゆたかを100%使用しているので、小さい子どもでも安心して食べられます。内山さん自身の子育ての経験から、「子どもに安心して食べさせられるパンをつくりたい」と、食材にこだわったパンが誕生しました。
毎月第４土曜日は、子ども食堂が開かれています。子どもは100円、大人は300円でカレーライスが提供されます。毎回、近所の子どもたちがたくさん訪れるそうです。
| スポット名 | soup.da.coode（スープダクード） |
|---|---|
| 電話番号 | 080-7835-4640 |
| 所在地 | 菊池郡菊陽町久保田2885-6 ありえすエイトC号 |
| 営業時間 | 11:30〜16:00 |
| 店休日 | 日～水曜 |
| URL | soup.da.coode（Instagram） |
溝尻亜由美
熊本在住のライター・エディター。熊本・福岡の出版社、編集プロダクション勤務を経て独立。生活情報紙やWebサイト、パンフレット等の企画、編集、ライティングなど幅広く活動。何度も言葉に救われた経験から、「心を動かす言葉をつむぐ」を大切にしています。思いつきではじまる、無計画な旅が好き。
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