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パンフレット

旅のおすすめ記事最新トレンドから絶対外せない王道まで!熊本の楽しみ方をご紹介します

旅に音楽を。弾きに行きたい、聴きに行きたいストリートピアノ

オープンスペースに置かれ、誰もが自由に弾くことができるストリートピアノの設置が、全国的に増えています。熊本県内にも、魅力的なストリートピアノが次々に登場。わざわざ弾きに行きたい魅力溢れるピアノをご紹介します。

  • 玉東町「駅ピアノ このは」(JR木葉駅)
  • 宇城市「ウキピアノ」(海のピラミッド、ウイングまつばせ、イオンモール宇城)


※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、熊本県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。
 

町内外から奏者が訪れる、小さな待合室の駅ピアノ

駅ピアノ このは(JR木葉駅)

熊本市の北西に接する玉東町(ぎょくとうまち)。この中心部にあるJR木葉駅(このはえき)横の待合室「交流サロンこのは」に、誰もが自由に弾ける駅ピアノ「このは」が設置されています。

駅舎の向かって右側にあるのが、待合室「交流サロンこのは」です。

このピアノが設置されたのは2020年12月。熊本市内の喫茶店で長く伴奏用に使われていたピアノが、閉店に伴い行き場を失っていました。そのピアノを玉東町民の方が引き受け、町の地域おこし協力隊の提案によって、駅ピアノとしての新たな役割を得ることになりました。

この駅ピアノ設置に尽力した、地域おこし協力隊の白石さん(左)と永田さん(右)。デザイナーでもある永田さんが、木葉駅にちなんだイラストをペイントしました。「様々な種類の木葉が自由に気ままに舞うように、ピアノに自信がある人もない人も、いろんな人が思い思いに好きなように弾いてほしい、という願いが込められたデザインです」と永田さん。
待合室はイスやテーブルも設置された、落ち着ける空間。自身の部屋で練習するかのように気楽に弾けそう。普段、この駅舎はとても静かだそうですが、このピアノが登場したことでいろんな音楽や、音楽をきっかけにした人の交流で賑やかになっているそうです。
近所の方はもちろん、このピアノの存在を知ってわざわざ遠方から訪れる人も多くいるそうです。現在は他の楽器とのセッションもOKなので、ギターやバイオリンなどと合わせて演奏する人もいます。また、自身で動画を撮影して、SNSや動画サイトで発信する光景も。

取材時に偶然、熊本市内から演奏に来ていた男性は、ピアニストとしても活躍している音大生。コロナ禍で練習や演奏の場が限られているため、この駅ピアノを目指して玉東町まで弾きに来ているそうです。

電車を待っていた女性たちがイスに座って観客となり、懐かしい歌謡曲をリクエスト。素敵な音楽との偶然の出会いに「今日はラッキーだった」と喜ばれ、電車を1本遅らせて聞き惚れていました。このような豊かな交流があるのも、この待合室の魅力です。
「玉東町に住む子ども達が駅ピアノに初めて触れて『ピアノデビュー』をしたり、いろんな奏者の方がこのピアノでふらっと音楽を奏でてくれたり、音楽を核にした町おこしができると嬉しいですね」と永田さん。この駅ピアノでの演奏の様子は、駅ピアノのオフィシャルSNSなどでも公開されているので、そちらもぜひチェックを(スタッフが許諾をいただいて撮影した演奏を公開しています)。
スポット情報(2021年7月23日現在)
スポット名 駅ピアノ このは
住所 熊本県玉名郡玉東町大字木葉604
問い合わせ 玉東町企画財政課 TEL 0968-85-3188
利用可能時間 8:30〜17:50(月曜〜16:30、日曜9:00〜)
駐車場 駅南側のふれあい広場脇に無料駐車場あり
関連リンク 駅ピアノ このは」のYouTubeはこちら(外部リンク)
  駅ピアノ このは」のInstagramはこちら(外部リンク)
  駅ピアノ このは」のTwitterはこちら(外部リンク)


 

写真や動画の「映え」度も抜群! アートポリス建築物内のピアノ

ウキピアノ 海のピラミッド【宇城市三角町】

熊本県のほぼ中心にある宇城市(うきし)。こちらでは、市内の児童館閉鎖によって行き場を失い廃棄予定だったピアノをメンテナンスし、ストリートピアノとして蘇らせる「ウキピアノ」の取り組みが行われています。2021年2月に、市内3ヵ所に「ウキピアノ」が設置されました。

 

そのうちの1ヵ所が、宇城市三角町(みすみまち)にある「海のピラミッド」です。場所は、JR三角駅の目の前にある三角東港敷地内で、上天草市松島行き連絡船の発着場横にあります。かつてはフェリーターミナルとして作られた建物で、巻き貝のような三角形のシルエットが印象的。「くまもとアートポリス事業」の一環で建てられたアートな空間は、今はいこいの場として開放されています。

内観も、スロープがグルグルと頂上まで渦巻いて登る不思議な空間。このホールのど真ん中に、ウキピアノが置かれています。
この映える空間で、自由にピアノを弾くことができます。ホール全体に音が響くため、まるでコンサートホールを貸し切ったかのような弾き心地! 市内の児童館で多くの子ども達に愛されてきたピアノが、このアートな空間で新たな音楽や人々との出会いをつなげています。
取材時には、グループで遊びに来ていたという大学生たちが、電車の待ち時間にピアノを弾いていました。旅先で気ままに音楽を奏でるのも、楽しい思い出です。
ゆったり広い空間には居場所もたくさんあるので、皆さん思い思いの場所で、弾いたり聴いたりを楽しんでいました。
JRや連絡船を利用する途中で立ち寄った旅行客をはじめ、毎日必ず1度弾きに来るご近所の常連さんから、近所の子どもたち、大人たち、そしてこのピアノを目指して遠方から弾きに来る人まで、多くの人がこのストリートピアノを訪れているそうです。
スポット情報(2021年7月23日現在)
スポット名 ウキピアノ 海のピラミッド
住所 熊本県宇城市三角町三角浦1160-177
問い合わせ 宇城市企画部企画課 企画振興係 TEL 0964-32-1902
利用可能時間 8:30〜17:00
駐車場 あり※施設の利用状況によってはご利用できない場合があります。

地元高校生デザインのラッピングをまとったピアノ

ウキピアノ ウイングまつばせ【宇城市松橋町】

宇城市松橋町(まつばせまち)の市役所横にある宇城市松橋総合体育文化センター「ウイングまつばせ」。文化ホールやアリーナ、スポーツ設備などを備えるこの施設にもウキピアノがあります。

ストリートピアノが置かれているのは、1階の文化ホール入り口横。自然光が降り注ぐ広い空間です。
こちらのピアノは、地元にある松橋高校の生徒たちが描いた絵をプリントしてラッピングされています。プロジェクト委員会の生徒たちが一丸となって取り組み、3ヵ月かけて図案をデザインしたそうです。
音譜の中にまで細かくイラストが施され、魅力的なデザインに仕上がっています。
広い1階ホールの中にあるため、音がよく響きます。市内の多くの人が利用する施設なので、ピアノの音楽を通して様々な交流を楽しめそうです。
スポット情報(2021年7月23日現在)
スポット名 ウイングまつばせ
住所 熊本県宇城市松橋町大野85
問い合わせ 宇城市企画部企画課 企画振興係 TEL 0964-32-1902
利用時間 9:00〜22:00
休館日 月曜(祝日の場合は開館し、翌日休)、12/28〜1/4
駐車場 あり※施設の利用状況によってはご利用できない場合があります

また、宇城市小川町(おがわまち)にある「イオンモール宇城」(宇城市小川町河江1-1)にもウキピアノが設置されています。こちらは、熊本県在住の油絵画家 松永健志さんが、3日間かけてライブペインティングをしたピアノ。森をイメージした優しい色合いの作品に仕上がっています。現在(2021年3月時点)は、新型コロナウイルス感染予防のために展示のみとなっていますが、感染が落ち着いたら、多くの人がメロディを奏でてくれるはずです。

使われなくなったピアノを蘇らせて、新たな場所で様々な音楽と人との出会いをつないでいるストリートピアノ。旅やお出かけをより豊かに彩ってくれるエッセンスになりそうです。

※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、直接店舗に営業時間をご確認ください。

中川千代美

長崎生まれ、熊本在住。地方出版社に勤めたのち、「チヨミ編集事務所」として独立。地域の子育て情報誌や生活情報紙をはじめ、幅広いジャンルの編集・ライティング・企画を手がける。食欲・物欲・お出かけ欲・温泉欲・ビール欲が赴くままに熊本・九州を駆け回る日々。趣味は二胡。

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