温かな出会いがある、南阿蘇鉄道・無人駅の駅舎カフェ・ショップ
南阿蘇村の立野駅から高森町の高森駅までの17.7kmを結ぶ南阿蘇鉄道。阿蘇の雄大な山々や田園の景色を眺めながら乗車でき、春から秋にかけてはトロッコ列車も走るため、観光客にも人気のローカル鉄道です。そして、無人駅のいくつかの駅舎にカフェやショップが入っているのも、魅力のひとつ。熊本地震被災により、いまだ一部区間が不通となっており(2020年11月現在)、2023年予定の全線開通が待たれますが、駅舎カフェ・ショップでは温かな出会いを楽しむことができます。
- 久永屋(長陽駅)
- ひなた文庫(南阿蘇水の生まれる里白水高原)
- Cafe 75th st.(阿蘇白川駅)
- ひみつ基地ゴン(中松駅)
遊び心たっぷり、昭和2年築駅舎のカフェ「久永屋」(長陽駅)
久永屋
昭和2年築の駅舎に土・日・祝日のみオープンするカフェ。のどかな田園風景とその奥に阿蘇の山々を眺めながら、レトロな駅舎に腰掛けて、のんびりとシフォンケーキやマフィンを楽しめます。看板メニューの「資本ケーキ」は、保存料・添加物不使用で、石臼で挽いた国産無漂白小麦とサトウキビ100%の粗糖で作っています。「世界一素朴なシフォンケーキ」と久永オーナーが断言するほど、素材のままの味わいがやさしいおいしさ。旅の思い出に、記憶の片隅にずっと居続けるような、ほっとする味わいです。さらに、こちらのもう一つの名物がかき氷。阿蘇の伏流水をオーナー自ら製氷しており、氷自体のおいしさが格別。そして何と、一年中食べることができます。ハンドドリップコーヒーや駅長厳選茶など、魅力的なカフェメニューも目白押しです。
▲昭和2年築のレトロな駅舎
▲久永屋は2006年オープン。週末のみの営業で、平日はシフォンケーキの配達販売などを行っています
▲屋内にもイートイン席はありますが、駅舎のホーム側の席が特等席。「長陽駅」は、地震による不通区間(2020年11月現在)。「今だからできる楽しみを!」と、ホームには地元の大工さんが作った木の遊具
▲「資本ケーキ」700円(単品)。フレーバーはその日に黒板に掲示されているものから選びます。体に染みるやさしい味わい
▲一年中食べることができるかき氷。写真は何が出るか分からない「シークレット」(時価)。この日はキャロットソースでした。アイスと果物をトッピングする「男前仕様」(プラス200円)でいただきます!
▲資本ケーキやマフィンはテイクアウトもあり
▲いろんなおもちゃがあったり、本があったり、子どもも大人も楽しい居場所です
▲「この『風の見える景色』が、うちのお店の一番のごちそう」とオーナー
▲駅長兼オーナーの久永操さん
スポット名 | 久永屋 |
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住所 | 熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字河陽3440-4 長陽駅舎 |
電話番号 | 0967-67-1107 |
営業時間 | 11:00〜18:00 |
休み | 月〜金曜 ※祝日は営業 |
駐車場 | あり |
関連リンク | 「久永屋」のホームページはこちら(外部リンク) |
旅先での古本との出会い「ひなた文庫」(南阿蘇水の生まれる里白水高原駅)
ひなた文庫
無人駅「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」に金・土曜のみ開店する、小さな古本屋さん。このこの駅舎とホームからの眺めに惚れ込んだオーナー夫妻が、2015年にオープンしました。小さな駅舎には、地域の人から譲ってもらったり手作りしたりして整えた本棚。そこには、店主が好きな本、阿蘇にまつわるもの、山や植物、旅の本などを中心に、小説やエッセイ、紀行本など約3,000冊の古本が気ままにそろいます。旅の途中でふとお気に入りの古本と出会えると、旅の思い出がより豊かになるはず。さらに、本屋さんや図書館がない南阿蘇村で本に触れ合える場所として、村の人が通ってきたり、オーナーさんとのおしゃべりを楽しんだり、お店でお客様同士が仲良くなったりと、長時間滞在する人も多いそうです。本が本と人、人と人をつないでくれる、そんな温かな古本屋さんです。
▲「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」は、2020年3月までは「日本一長い駅名」でした。地震により鉄道は不通区間(2020年11月現在)ですが、駅舎や古本を見に多くの人が来てくれるそう
▲一歩足を踏み入れるだけでもワクワクしてしまう、小さな古本屋の景色
▲オーナーの中尾恵美さんは岡山県出身。熊本出身のご主人と共に、南阿蘇でこのお店を開きました。もちろん本が大好き
▲山や自然に関する本、旅の本など、南阿蘇でこそ出会う意味があるような古本が並ぶ
▲駅舎内にはイスやソファ席があるので、気になった本をじっくり読むのもオススメ
▲三角屋根のフォルムがたまりません
▲のどかな南阿蘇の景色の中でのんびり本を読むのは、贅沢な時間!
スポット名 | ひなた文庫 |
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住所 | 熊本県阿蘇郡南阿蘇村中松1220-1 南阿蘇水の生まれる里白水高原内 |
営業時間 | 11:00〜15:30 |
休み | 日〜木曜 |
駐車場 | あり |
関連リンク | 「ひなた文庫」のホームページはこちら(外部リンク) |
※問い合わせはTwitter@hinatabunko
あの戦隊シリーズの秘密基地がここに!?「ひみつ基地ゴン」(中松駅)
ひみつ基地ゴン
熊本地震の影響で、高森駅と中松駅との折り返しで運行している南阿蘇鉄道(2020年11月現在)。その中松駅の中に、大人も子どもも胸をときめかせる“ひみつ基地”的なカフェがあります。オープンは金・土・日曜、祝日。入口には、戦隊モノをはじめとしたおもちゃがズラリと揃い、中に入るとカフェ空間の中に子どもの遊び場があります。「戦隊シリーズの元祖に出てきた、隊員が秘密基地にしていたスナックの雰囲気にしたかった」とオーナーの髙嶋さん。その黄色の隊員の好物だったカレーをイメージした「ゴンのカレー」が名物です。地元酒造の酒粕を元に作った塩酒粕につけ込んだジビエ肉の燻製を阿蘇産トマトと煮込んだカレーは、動物性油脂不使用で子どもも食べられる甘口。玄米にかかっていてヘルシーなおいしさです。さらに、湧水コーヒーや薬草・山人参入り湧水コーヒーゼリー、スムージーなど、体に嬉しいメニューが揃います。
▲アートな建物デザインが魅力的な、中松駅駅舎
▲カフェの入口には、ご主人のコレクションである戦隊モノのおもちゃがズラリ
▲カフェ空間の中にはキッズルームもあり、子ども達も楽しい空間です
▲ホーム側の窓からは、南阿蘇の雄大な景色が楽しめます
▲「ゴンのカレー」(1,000円)。辛口が好みのひとのために辛味調味料もあります。南阿蘇を食べ歩きしたい人に向けて、ちょっとだけ食べられる「おなかいっぱいにならないカレー」(650円)もあるのが嬉しい!
▲南阿蘇村にあるペンションで長年働いていたという髙嶋千恵さん。阿蘇で撮られたいろんな映画やドラマの撮影地情報も、とても詳しいです
▲この駅で折り返す列車や、3〜11月の週末に走る観光トロッコ列車を出迎える巨大ロボフィギュア。これもご主人のコレクション
スポット名 | ひみつ基地ゴン |
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住所 | 熊本県阿蘇郡南阿蘇村一関785-3 中松駅内 |
電話番号 | 050-7123-0655 |
営業時間 | 11:00〜16:00 |
休み | 月〜木曜(祝日は営業) |
駐車場 | あり |
オーガニック料理と楽しいおしゃべりのカフェ「Cafe 75th st.」(阿蘇白川駅)
Cafe 75th st.
とんがり屋根が可愛い「阿蘇白川駅」駅舎の中にあるカフェ「75th st.」(セブンティ・フィフス・ストリート)。以前アメリカに住んでいたというオーナー・キザキさんの家があったストリートの名前から名付けたそうです。こちらで楽しめるのは、地元産の有機野菜や、自家栽培野菜で手作りしたオーガニック料理。「ランチメニュー」は、野菜が中心に乗ったピザ、トウモロコシパン付きのカレー、パスタから選べます。さらに、コーヒーやスイーツメニューまで、食材の味わいをたっぷり楽しめるものばかり。何より、キザキさんとの気さくなおしゃべりにワクワク楽しくなり、ついつい長居してしまう人も多いそうです。一部運行区間(2020年11月現在)内にあり、列車や観光トロッコ列車から見かけて立ち寄る人もいるとか。近くには、オーナー夫婦がアメリカから持ち帰ったアンティーク雑貨のショップもあり。
▲教会のようなフォルムの木造駅舎。パステルブルーのカラーもかわいい
▲駅舎の一角に「75th st.」があります
▲なんだか居心地のいい店内。キザキさんとのおしゃべりを楽しみにくる常連さんも
▲ランチ(1,200円)のカレー。やさしい辛さのビーンズカレーに、食べ応え満点のトウモロコシ粉パン
▲ランチにセットの前菜。1つ1つ丁寧に仕上げられたお野菜はどれも野菜の味が濃く、じっくり味わってしまいます
▲時にはソーセージや味噌、こんにゃく作りなどの料理教室も開くというキザキ真里子さん
▲駅舎内はギャラリーとしても活用されていて、さまざまな作品と出会うこともできます
▲ストリートピアノならぬ「駅舎ピアノ」も。誰でも自由に弾いてOKです
▲隣接する自宅ショップでは、アメリカンアンティーク雑貨の販売も。ミルクガラスの食器など、気になるアイテムがいっぱい!
▲2019年に公開された映画「エンジェルサイン」の舞台の1つになったこの駅。わざわざ来たくなる魅力に溢れています
スポット名 | Cafe 75th st. (セブンティ・フィフス・ストリート) |
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住所 | 熊本県阿蘇郡南阿蘇村白川317 阿蘇白川駅内 |
電話番号 | 080-3909-8631 |
営業時間 | 9:30〜17:00 |
休み | 火曜 |
駐車場 | あり |
地元の人の交通の足でありながら、観光列車としての役割も果たす南阿蘇鉄道。だからこそ、それぞれの駅舎ではいろんな人同士のつながりが生まれています。心温まる出会いを求めてぜひ
※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、直接店舗に営業時間をご確認ください。
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中川千代美
長崎生まれ、熊本在住。地方出版社に勤めたのち、「チヨミ編集事務所」として独立。地域の子育て情報誌や生活情報紙をはじめ、幅広いジャンルの編集・ライティング・企画を手がける。食欲・物欲・お出かけ欲・温泉欲・ビール欲が赴くままに熊本・九州を駆け回る日々。趣味は二胡。
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