ふるほん散歩

今まで触れることのなかったディープな世界との出合いに心躍らせる人、好きな本と同じ時代を生きた音楽を探す人、街中の喧騒を離れ自然のぬくもりを求める人…。古本屋と一言で言えど、日々さまざまな人が訪れる場所。あなたはここでどんな時間を過ごしますか?
- 古本タケシマ文庫
- 汽水社
- Octopus Books ひなた文庫
古本タケシマ文庫
『古本タケシマ文庫』で出迎えてくれたのは店主の菅原さん。店名は彼のおじいさんから取った名前だそう。店内は、おじいさんの蔵書と仕入れた本が入れ替わり立ち替わりで循環し、今では菅原さん的おもしろい(ちょっと変わった)本で溢れる。

筆者が、購入以降インテリアと化している古本のことをそっと打ち明けると「いいと思いますよ。それも楽しみ方の一つです」と菅原さん

いくつも設けられた均一棚には、思いがけない出合いの種が見え隠れする

浄行寺交差点から入ってすぐ、大きな鳥居の足元に佇み、赤いポストが立てかけられたちいさな店
店舗名 | 古本タケシマ文庫 |
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住所 | 熊本市中央区坪井4-4-27 |
電話番号 | 090-8353-7662 |
営業時間 | 13:00~19:00 |
休み | 水曜・不定 |
カード | 不可 |
駐車場 | 1台あり |
汽水社
古本屋通いは小学生から、そして高校生で覚えたレコードへの想いは尽きることがない。店主の佐藤さんが東京時代に集めたモノで作った棚に、そこへ共感した人から譲られたモノが少しずつ増殖し、“汽水域”の生態系はますます活性化するばかり。

「昔は苦手なものもありましたが、色々聴いていくうちにジャンルの垣根みたいなものは溶けてしまい、今は雑食的に何でも聴きますよ。未知のハマる音に触れた瞬間が何より楽しくて…って古本屋なのに単なる音楽オタクの語りになってません?大丈夫ですか?(笑)」と佐藤さん

開放的な高い天井が印象に残る店内は、歩みに合わせて音の鳴る木の床と、同じく木製の棚があたたかい

取り扱いは古本・レコードのほかに、新刊・雑貨も少し。仲間になってくれる本やレコードの買取も大歓迎とのこと
店舗名 | 汽水社 |
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住所 | 熊本市中央区城東町5-37 1階 |
電話番号 | 096-288-0315 |
営業時間 | 11:00~21:00(延長営業あり) |
休み | 木曜 |
カード | 不可・PayPay可 |
駐車場 | なし |
Octopus Books ひなた文庫
『南阿蘇水の生まれる里白水高原駅』の駅舎の中に、週末だけ現れる本屋がある。気軽に行ける本屋がなかった南阿蘇に、店主夫婦自ら本屋を開店したそう。未だ熊本地震の爪痕が残る南阿蘇で、地域の人も旅の人も温かく迎えてくれる、ひなたのような場所だ。

店主を務めるのは南阿蘇村立野出身の中尾友治さんと、岡山県出身の妻、恵美さん

最初は家業の飲食店の軒先で古本の販売をしていたというふたり。晴れの日しか営業できないので店名は『ひなた文庫』に。日向ぼっこをしながらゆっくり過ごせるこの場所にもピッタリな店名だ

ごく普通の“町の本屋”であるために、児童書から小説、実用書、旅の本など広いジャンルの本が揃っている。『Octopus Books』の意味はぜひ訪れて尋ねてみて
店舗名 | Octopus Books ひなた文庫 |
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住所 | 阿蘇郡南阿蘇村中松1220 |
営業時間 | 11:00~15:00 |
休み | 日~木曜 |
カード | 不可 |
駐車場 | あり |
本のセレクトや並べ方、取り扱うものの種類や雰囲気に、それぞれの店主の個性が溢れる古本屋。巡っているうちに、自分の好みぴったりの店に出会えるかもしれません。

岸本優芽
倉敷で育ち、大学入学ともに熊本へ。建築・まちづくりについて学ぶ中で、熊本で楽しくおもしろい生き方をしている人たちと出会い、熊本のことが大好きになりました。地元じゃないからこそ、ヨソモノ視点で熊本の魅力を発見・発信できたらと思います。好きなものは洋服とパンクバンドとスノーボード。九州に来てからなかなか出会えないスノボ仲間を探してます!
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