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パンフレット

旅のおすすめ記事最新トレンドから絶対外せない王道まで!熊本の楽しみ方をご紹介します

山鹿エリア、秘密の絶景スポット

中川千代美

県北エリア 自然 絶景
写真:菊鹿平野を一望できる山頂からの景色

熊本県の北部にある山鹿市(やまがし)。広大な菊鹿平野や豊富な温泉、古墳や豊かな歴史に恵まれたこの地域には、わざわざ行きたい絶景スポットもたくさんです。

  • 不動岩の「中不動」頂上
  • 岩隈山の切通しと石仏
  • 番所の棚田
     

高所恐怖症の人は注意! 巨岩の頂上から望む絶景

不動岩(ふどうがん)
写真:蒲生の池の駐車場

絶景スポット「不動岩」へ向かう前に、まず訪れたのが「蒲生の池(かもうのいけ)」です。ここは、これから向かう場所がどんな場所なのかがよく見えるスポット。

写真:遠くの山に見える不動岩

遠くの山の中に見えたあの巨岩が、目的地の「不動岩」です。標高389mの山の中腹にあり、左のそそり立つ奇岩が「前不動」、その右にあるとんがり岩の横にあるのが「中不動」、そしてずっと右上の頂上近くにあるのが「後不動」です。このうち、「中不動」を目指すことになります。

写真:青空と蒲生の池

ちなみにここ「蒲生の池」は、約9haの広さで満水時には50万トンもの貯水量をほこる県下最大のため池。春は桜の名所としても有名なスポットです。
 

スポット情報(2024年9月27日現在)
スポット名 蒲生の池(かもうのいけ)
住所 熊本県山鹿市蒲生
駐車場 あり
問い合わせ 山鹿市観光課 0968-43-1579

 

写真:不動岩展望台の駐車場

さて、いよいよ絶景スポットを目指します。途中、車でのすれ違いが難しい細い農道を上るので、運転が苦手な方は慎重に。そうして辿り着いたのが、岩の麓にある「不動岩展望台」。駐車場を備えた展望スポットです。

写真:祠の後ろには高さ80メートルの岩があります

前不動の麓には、祠が祀られており、ここから岩を見上げることができます。この岩の高さ、なんと約80m! 周囲は約100mあるのだそうです。

写真:不動岩の岩肌

ぜひ注目したいのが、岩肌です。この岩は、5億年以上も前の古生代の『変はんれい岩』が長い長い時間を掛けて海を流れ、海水に洗われたさざれ石となって海底に降り積もり、硬い地盤となったものだそう。それが長い年月を越えて削られ、今の形になりました。国歌「君が代」に「さざれ石の巌(いわお)」という歌詞がありますが、まさにこの不動岩のような岩なのだそうです。

写真:展望台には休憩所も
写真:展望台からの景色

この展望台からも、平野一望の雄大な景色を楽しめます。しかし、体力に余裕があって、高所が大丈夫だったら、ぜひ、この先の「中不動」からの絶景に挑戦したいところです。

写真:木々に囲まれた山道を登っている人

「中不動」へは遊歩道を15分程登ります。なかなかの急勾配なので、動きやすい服装で臨みましょう。キレイな森の中をしばし登り…。

写真:どんどん険しくなっていく山道

最後の方は、岩肌を歩くことになります。平安時代にはこの不動岩で山伏達が修行をしていたとのこと。修行の気持ちで、頑張ります。

写真:険しい山道を登っていると絶景が見える

この辺りが最難関ポイント! すでに脇からは絶景もチラリと見えています。さあ、もう少し。

写真:登り切った先に見える景色

ゼイゼイと息を切らしながらも、何とか登りきった、その先には…。

写真:菊鹿平野を一望できる山頂からの景色

大パノラマの絶景! 広大な菊鹿平野を一望でき、目線を遮る物はありません。頑張って登ったご褒美です。

写真:崖から見える麓の景色

見下ろすと崖。そして、先ほど蒲生の池から見たとんがり岩の頂も見えます。手すりも何もないので、なかなかスリル感のあるスポットでもあります。高所恐怖症の人は、立つのも難しそうです。

写真:巨岩と青い空

平野と逆側を見ると、「後不動」が見えます。この山の中にこのような巨岩がそそり立っている不思議な景色を、じっくりと堪能できます。

写真:阿蘇の山々確認できる景色

天気が良ければ、熊本市方面の金峰山や二ノ岳、三ノ岳、さらに阿蘇の山々まで望むことができるそうです。なにより、地平線までキレイに見ることができるこの眺望、開放感を全身で感じることができる絶景です。

写真:登山道

ちなみに、途中の分かれ道からは「後不動」への登山道もあります。頂上までは約30分。山の麓からの登山道も整備されているので、登山を楽しみに訪れるのもいいですね。

スポット情報(2024年9月27日現在)
スポット名 不動岩
住所 熊本県山鹿市蒲生
駐車場 7台
問い合わせ 山鹿市観光課 0968-43-1579

 

切り立つ岩壁に石仏が並ぶ、神秘的な道路

岩隈山の切通し(いわくまやまのきりどおし)
写真:岩壁の中にある道

次なる秘密の絶景は、まだ、土木の機械も十分になかった時代、地域に住む人々の手によって作られた、神秘的な雰囲気を持つ道です。

写真:緑に囲まれた道

山鹿市菊鹿町(きくかまち)の、昔ながらの住宅地が広がる地区の方へと車を走らせると、なんだか誘い込まれるような雰囲気がある、苔むした道に着きました。

写真:岩に囲まれた道

ここが「岩隈山の切通し」です。この道は、岩隈山を人の手で切り掘りして開かれたもの。昔、この山を越える人の転落死が後を絶たなかったことから、安全に通行できるようにと昭和初期に地域の人々によって切り拓かれたのだそうです。

写真:苔に覆われた岩

見上げるほどの高さの岩壁。これを人々の手で切り通したと思うと、昔の人々の知恵と胆力の素晴らしさを感じます。

写真:岩壁の傍にはたくさんのお地蔵様

そして少し歩みを進めると、この道をさらに神秘的に彩るポイントが見えてきました。

写真:苔に覆われたお地蔵様

岩壁一面に並んでいるのは、石仏たちです。コケシダに包まれつつも、1体1体異なる姿の石仏が並び、なんとも不思議な景色を作り出しています。

写真:複数体あるお地蔵さまはすべて異なる姿
写真:複数のお地蔵様

明治〜大正期に、この地区に住んでいた松本長平氏という方はとても信仰心が厚く、七十四歳の時に八十八体の石仏を作り上げたという逸話が残っており、これらはその石仏だと言われているそうです。
ここもまた、人の手によって作られた秘密の絶景です。

写真:緑にがいっぱいの森
写真:石仏群の記念碑

この切り通しは全長200mほど。道の端には、石仏群の記念碑もありました。昔からのささやかな人々の営み生活の知恵と信仰心とがつくりだした景色、その歴史を知ると、また見え方が変わってきます。

写真:緑に囲まれた道を進んでいく人

何よりも、この苔むした雰囲気の切り通しは、どこか異世界へと導かれそうな不思議な空気を湛えていました。

スポット情報(2024年9月27日現在)
スポット名 岩隈山の切通し(いわくまやまのきりどおし)
住所 熊本県山鹿市菊鹿町木野3868
問い合わせ 山鹿市観光課 0968-43-1579

 

日本棚田100選に選出。美しい農村の景色も残す

番所の棚田
写真:棚田の景色

山鹿市菊鹿町をさらに山の方へと進み、矢谷渓谷を目指す途中にある絶景スポットが「番所の棚田」です。ここは、日本棚田百選に選ばれた美しい景観を持ち、さらに第二回県農村景観コンクール大賞(平成4年)も受賞し、日本遺産構成文化財にも指定されている番所地区。どこか懐かしい農村の景色も魅力です。

写真:棚田と棚田についての看板
写真:注意の案内

地域の一角には、棚田の案内版が示されています。地元の方々が生活や農業を営む場所なので、注意事項を守って見学しましょう。

写真:棚田へ続く道

農道を散策してみると、見事な石積みに目が留まります。この地域は、高低差80mの急斜面に約200枚の棚田が作られたそうで、江戸時代中期から開拓が始まったそうです。

写真:棚田と彼岸花

この石一つ一つを手積みしながら棚田を開拓していったのかと感じ、惚れ惚れと見入ってしまいます。

写真:小川

さらに、八方ヶ岳など山々からの豊かな清流が、棚田を潤しています。

写真:小川と彼岸花

水路を潤沢に流れる美しい水を見ると、この地がいかに豊かで恵まれた場所かを感じられます。

写真:棚田の景色

そして、一番の絶景はやはり、この棚田を望む景色。取材に伺ったのは9月上旬。また稲が青々としている季節です。田植え〜水田〜稲穂と、四季折々の棚田の景色も楽しめるスポットです。

写真:石積の棚田

やはり、美しい石積みが気になります。

写真:彼岸花

ちょうど彼岸花が咲き始めた季節だったので、赤い花々の景色も楽しめました。

写真:彼岸花と棚田の景色

この「番所の棚田」は、彼岸花スポットとしても有名です。例年、9月中旬〜下旬には、この棚田の周りいっぱいに彼岸花が咲き誇り、稲の黄金色とのコントラストがとても美しい景色を作り出します。ぜひ、一度は目にしたい棚田の景色です。

スポット情報(2024年9月27日現在)
スポット名 番所の棚田
住所 熊本県山鹿市菊鹿町矢谷
問い合わせ 山鹿市観光課 0968-43-1579

 


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中川千代美

長崎生まれ、熊本在住。地方出版社に勤めたのち、「チヨミ編集事務所」として独立。地域の子育て情報誌や生活情報紙をはじめ、幅広いジャンルの編集・ライティング・企画を手がける。食欲・物欲・お出かけ欲・温泉欲・ビール欲が赴くままに熊本・九州を駆け回る日々。趣味は二胡。

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