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熊本に秋の訪れを告げる 藤崎八旛宮例大祭

くまもっと編集部

熊本市エリア 歴史・文化 神社 ご利益
熊本に秋の訪れを告げる 藤崎八旛宮例大祭

千年以上の歴史を持つ藤崎八旛宮の例大祭。
2024年の秋の例大祭は9月13日~17日まで開催され、16日には神輿に付き従う随兵や飾り馬が熊本市中心部を練り歩く随兵行列が行われます。随兵行列が終わった夜は、夏の暑さが和らぐとも言われており、にぎやかな囃子の音は、熊本に秋のおとずれたと感じる瞬間でもあります。

藤崎八旛宮の歴史

承平5年(935)朱雀天皇による平将門の乱平定の祈願により茶臼山に創建されました。社地を定めるにあたっては、九州の真中にある肥後の中でも国府のある清らかな所を条件としました。そこで今の熊本城が築城された茶臼山が選ばれたと言われています。
西南戦争の激戦の中で社殿が焼失したため、現在の場所に遷座しましたが、元々鎮座していた場所は「藤崎台」と呼ばれ、例大祭の神幸行列ではお旅所として行列の向かう場所になっています。
熊本の人々の心のよりどころとして、千年以上前から信仰を集めている熊本の総鎮守です。

藤崎八旛宮例大祭の5日間

千年以上の歴史をもつ藤崎八旛宮の例大祭は、肥後国の年中行事中、最大の大祭として知られてきました。祭りは「放生会(ほうじょうえ)」を中心として伝承されてきましたが、現在に至るまでに「放生会」「随兵(ずいびょう)」などと呼ばれ、親しまれてきた歴史があります。

「第一日祭」「第二日祭」「献幣祭」「神幸式」「奉賽祭」として例大祭では由緒ある古い伝統をもつ神事や祭祀が昼夜5日間に渡り行なわれます。そのほか献茶祭、肥後大神楽、生花の奉献、新町獅子、町鉾、子供神輿、神馬、飾馬の飾卸など多彩な行事も境内で繰広げられます。
時代とともに奉納行事は変化していきましたが、華やかな当時の姿に戻そうと、近年になって例大祭を描いた絵巻から再現された奉納団体もあります。

神幸行列/随兵行列

祭りの中心は神輿にお迎えした神様が外へお出ましになる「御神幸(ごしんこう)」です。御神幸に随兵がお供をして護ることで行列となり、神幸行列、別名「随兵行列」が藤崎台の御旅所までの御道筋を歩んでいきます。
2024年は9月16日に開催されます。

随兵は、お供をする列の中の武者行列を指します。百騎の甲胄武者とこれを指揮する「随兵頭」、長柄(ながえ)と言われる槍を持った陣笠・陣羽織姿の50人を指揮する裃(かみしも)に一文字笠を被った長柄頭、行列全体を統括する「神幸奉行(みゆきぶぎょう)」等が続きます。
大鎧を着て鍬形の兜を被り馬上で采配を振る随兵頭は、加藤清正公に始まります。例年、熊本の顔となる人物が選ばれており、今年の随兵頭は大西一史熊本市長が勤められます。

神幸式の始まりはご祭神にお食事を奉る神事である朝御食祭で、午前2時から執り行われます。
神幸行列が本宮を出発するのは午前6時からで、約12,000名の人と60頭余の馬で構成された行列は市街の目抜き通りへ繰り出し、約4㎞先のお旅所へと向かいます。お旅所に到着すると御祭儀が執り行われます。その後に能舞台において400年以上の伝統を持つ能楽が奉納上演され、午後2時半ごろ、本宮へ還る御神幸が始まります。

神幸行列の先頭は、神様の依り代である三基のお神輿を中心に、神職や総代と白丁達が付き添い進みます。次に随兵が続き、赤、黄の獅子が道筋を賑わし、飾り馬が登場、祭りは一気に盛り上がりをみせます。

鳥居基・川添さんにお話を聞きました

2024年の飾り馬の奉納には約60団体が参加し、勢子を含めると総勢12,000名ほどが祭りを盛り上げます。
奉納団体の内、鳥居基、水道町、建吉組の3団体は最初に奉納することが決まっています。

飾り馬の先頭である鳥居基は藤崎八旛宮のお膝元であり、資料が残っている時期から計算して、約120年以上前から奉納を続けてきました。
碩台小学校の小学生やOB・OGなどの親子で参加している人が多く、30名~50名の小学生が参加しています。馬の力に負けないために、飾り馬の周りは大人で固めている団体がほとんどですが、鳥居基は参加者全員が祭りを楽しめるようにと、行列の中でフォーメーションを変えながら、子供も飾り馬の近くで掛け声を出せるように取り組んでいます。

馬との信頼関係を築くため、奉納する馬のお世話も日ごろから行っている鳥居基の川添さんに、祭りの注目してほしいポイントを伺いました。
馬追いも注目してほしいですが、宮神輿から武者行列が醸し出す厳かな雰囲気から、華やかな飾り馬が駆け抜けるにぎやかな雰囲気へと移り変わっていく情景が好きです、と川添さん。

現在使用されている法被は、奉納団体の先頭である数字の「一」がモデルになっています。
各団体ごとに個性があり、ピンクや黄色などカラフルな法被で奉納に参加する団体もあります。
飾り馬の各団体が鳴らす囃子の音にも個性があり、よく聞けば違いがあるので、ぜひ聞き比べてほしいポイントですね、とのことでした。

一新校区自治協議会町鉾保存会・宮本さんにお話を聞きました

寛永10年(1633)の記録では50基奉納されており、神幸行列の華であった町鉾。昔は町鉾を人が担ぎ上げ、勢子の数も華々しい様子だったようですが、人出不足により平成7年を最後に途絶えていました。
平成23年に設立した一新校区自治協議会は、西南戦争で移転するまでは藤崎八旛宮の門前町として栄えた城下町であったこともあり、伝統ある町鉾を復活させようと町鉾保存会を結成しました。江戸時代に描かれた藤崎八旛宮祭礼絵巻を基に、各町に保存されていた町鉾の修復、武者頭2基の制作が始まり、平成23年に奉納を行いました。

平成23年に復元された武者頭は人間と同じサイズですが、絵巻では人の三倍の大きさで描かれています。当時、一新校区自治会連合会会長を務めていた宮本さんは、絵巻と同じサイズで復元できないかと制作に乗り出します。
宮本さんは建設を営んでおり、設計図を書き出すなどの得意分野もありましたが、武者の顔の造形などは独学で制作を進めました。出来上がった武者頭は大きく勇ましい表情で、厄を断つ意味を持つ町鉾らしさも復元されています。

随兵行列で使われる甲冑の修復や行列の神幸奉行を務め、祭りに深く携わってきた宮本さんに、例大祭の見どころを伺いました。
例大祭は放生会であり、人が生きるためにいただいている生き物を供養し、感謝を捧げる神事が由来です。世の中の見方が変わってきたことで、意味が込められてきた奉納にも世の中の指摘が入ることも増えてきました。人々が安全安心に生活できるような祈りも込めて祭りが行われていることを、参加者にも見学者にも知ってほしい、とのことでした。

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くまもっと編集部

熊本をあいしてやまない「くまもっと編集部」。必見の熊本定番スポットから知る人ぞ知るこだわりの情報まで何でも知ってるモン。

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