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パンフレット

旅のおすすめ記事最新トレンドから絶対外せない王道まで!熊本の楽しみ方をご紹介します

観光で訪れたい“くまもと景観賞2023”受賞地

阿蘇の草原や120余の島々からなる天草、独自の文化が息づく日本遺産・人吉球磨など、人々を魅了する景観が各地に点在する熊本。そしてその一つひとつに、景観をつくり、守り、育てている人たちのストーリーがあります。
熊本県では、良好な景観づくりに貢献している人々の功績を表彰するため、昭和63年から「くまもと景観賞」を実施しています。今回は2023年度の受賞作品の中から3ヵ所をピックアップ。美しい景観とともにそれを支える人々の思いもご紹介します

 

「くまもと景観賞とは」

熊本県が緑と潤いに満ちた美しい場所となるよう、良好な景観づくりに大きく貢献している個人、団体の功績を広く顕彰するもの。昭和63年からはじまり、35回目となる令和5年度は35点の応募があり、8作品が入賞しています。

★くまもと景観賞の詳細はコチラ↓↓
「2023くまもと景観賞」受賞作品について(熊本県HP)
くまもと景観賞 過去受賞作品について
 

部門賞/地域景観賞

Shinsekai 下通GATE

熊本のファッション発信地として親しまれ、2020年に閉館した熊本パルコ。そのビル跡地に昨年誕生したのが、“次世代の地方都市再開発モデル”として注目される「Shinsekai下通GATE」です。
熊本市が進める「まちなか再生プロジェクト」の一環として建て替えられ、地階1階から地上2階にはパルコが運営する商業施設「HAB@(ハブアット)」が、3階から11階には星野リゾートが運営する都市型ホテル「OMO5(オモファイブ)」が入居。「まちの風景と記憶をつなぐ」をコンセプトに、旧ビルよりコンパクトでありながらも中心市街地のにぎわいを創出する複合ビルとして、また熊本地震後の復興の象徴として生まれ変わりました。
 

ビルの特徴のひとつが、ホテルロビーと一体化した3階の「凹凸テラス」。街に張り出すような形で設置され、目線の先には勇壮な熊本城の姿が! カーブという立地を最大限に活かした設計で、テラスと熊本城、そして上通や電車通りが一直線で繋がっているような感覚になります。さらに、熊本城の櫓をイメージしたアップダウンスペースを使って、ゆっくり寛ぐことも可能。熊本の魅力を全身で感じられる…、そんな空間を提供してくれています。
 

(左)街とテナント、ホテルというジャンルの違う空間を仕切りなく、スムーズに繋げるエスカレーター。立体的なデザインが施され、街の人々も自然と上層階へと足を運びたくなる設計に!
(右)カフェメニューを味わったり、打ち合わせをしたり…、雨天時も自由に過ごせる凸凹テラスの内部。透明のガラス扉の向こうには、解放感抜群の屋外テラスが広がります
 

“熊本の魅力を表現したい”という設計者の思いから、熊本ゆかりの素材がたくさん使われています。写真は小国杉を使ったベンチアート。地階~地上3階まで表情の違うベンチやスツールが設置され、ちょっとした憩いの場に!
 

(左)熊本地震で破損した熊本城の瓦も再利用。ディスプレイとしてはもちろん、照明やプランターなど、様々な場所に使われているので、ぜひ探してみてください
(右)床には、阿蘇の火山灰が固まってできた“なべた石”や天草陶石が採用され、地域の記憶を受け継ぐデザインになっています
 

作品情報
所在地 熊本市中央区手取本町5-1
施行主等 三陽株式会社


 

部門賞/地域景観賞

青連寺(しょうれんじ)阿弥陀堂及び青蓮寺古塔碑群

鎌倉時代から約700年間にわたり相良氏が治めた人吉球磨。エリア内には、その歴史が物語る国・県指定文化財の建造物が70以上も点在し、現代へと大切に受け継がれています。
今回ご紹介する「青蓮寺阿弥陀堂」は、国の重要文化財に指定されている貴重な建造物のひとつ。仏教の宗派・真言宗智山派の寺院「青蓮寺」の境内地にあり、永仁3年(1295年)、多良木相良氏の初代・相良頼景(よりかげ)の供養のために、3代目の頼宗が創建したと伝えられています。
 

美しい茅葺が特徴的な御堂。五間四面(ごけんしめん)の四注造(しちゅうづくり)で、軒高は約4.48m、軒から梁までの高さは約7.58mという、室町時代の荘重かつ雄健な特色を持った木造建築です。
江戸時代に一度、大改修が行われ、その後平成に入り復元図を書き起こしながら約3年をかけ改修され、当時(江戸時代の改修後)の姿に復元されています。

(左)折上格天井が見事な堂内は、すべて畳敷き。内陣と外陣に分かれ、内陣(格子戸の奥)に本尊が安置されています
(右)本尊の阿弥陀三尊像(国の重要文化財)。京都の「三十三間堂」にある“千手観音像”を7躯手掛けた院玄作で、阿弥陀三尊像を手掛けた際は「法印」という最高位を持って制作しています。 ​700年以上経た今でも虫食いの痕もなく、美しい状態で安置されているのには驚きです
 

そしてもう一つ、歴史的価値が高いと評価されたのが、阿弥陀堂の裏の斜面にある「青蓮寺古塔碑群(県指定史跡)」。相良一族にゆかりの深いと言われる五輪塔や板碑が80以上並ぶ姿は圧巻です
(右)古塔碑群の中でも、ひときわ強い存在感を放つのが“壇上積基壇(だんじょうづみきだん)”という格式の高い基壇。初代・相良頼景の供養のため、鎌倉時代に整備されたもの
 

こちらは阿弥陀堂を背面から見た写真。建物の裏手にも扉があり、古塔碑群へつながる導線が確保されています。最近の調査で判明したそうですが、阿弥陀三尊像が安置されているのは、ちょうどこの扉の前。つまり、三尊像の背後に扉があり、その中軸線上に古塔碑群の「壇上積基壇」が整備され、その上には初代・相良頼景の五輪塔が座るという構図が成立します。
これが復元できたことで、阿弥陀三尊像、壇上積基壇、五輪塔はともに多良木相良家の廟所に関連するもの、さらに阿弥陀堂も廟所の性格を継承する遺構であることなどが評価され、歴史的景観となりました。
 

作品情報
所在地 球磨郡多良木町大字黒肥地3992
施行主等 多良木町・宗教法人青蓮寺​
見学について ※内部の見学は事前予約が必要
問い合わせ先/たらぎ観光案内人協会事務局(多良木町役場企画観光課) 
℡0966-42-1257
※毎年春・秋に開催される「相良三十三観音巡り開帳」の際は自由に見学可能​


 

部門賞/緑と水の景観賞

産山村の扇棚田

産山村役場から車で約10分、標高820mの高原地帯に広がる「扇棚田」。日本の棚田百選や文化庁の重要文化的景観にも選ばれる景勝地で、その名の通り、扇状に広がる地形を活かして棚田が作られています。もともとは山あいの浸食された土地を開墾したもので、その歴史は250年以上という言い伝えも残っています。昭和37年には59枚あった田んぼは、その後、大きさを変えながら現在の16枚に! 田んぼを所有する3軒の農家や地元住民によって維持管理が行われ、美しい農村景観が保たれています。
 

扇棚田の魅力の一つが、そのロケーション。晴れた日には3つの日本百名山(阿蘇山、九重山、祖母山)が一望できるほか、田植えシーズンには水を張った田んぼに写り込む景色が“美しすぎる”と話題に! 放牧された牛や朝日、星など、時間帯によって水面に写り込む景色が変わり、多くのカメラマンの心を掴んで離しません。
 

(左)水田への用水は、毎分30tもの水が湧き出ている「山吹水源」の湧水が引き込まれています。飲料水としても飲める水を使って栽培されるお米は、“うまい米作り百選”に選出(1990年)されるほど美味。

(右)山吹水源から続く水路の長さは約1.8km。驚くことに、その約70%が土水路といいます。植物や生物が生息しやすく、サステナブルな土水路ですが、自然災害の影響を受けやすいというデメリットも。しかし昨年はボランティアを募り、水路の清掃活動を実施。この景観を残したいと願うカメラマンや地域住民など、多くの人が参加したそう。ボランティアを活用した取り組みは今後も続く予定。

駐車場横の小高い山(牧草地)からは、棚田の全景が眺められます。
日本百名山×放牧された牛×採草と野焼きによって守られている牧草地など、棚田を中心に唯一無二の景色が広がっているのも、この扇棚田ならでは。最近は海外からの観光客の姿も多く見かけます。
 

冬場は氷点下になることも多い扇棚田。真っ白に雪化粧した景色も、また絶景そのものです。春夏秋冬、そして天候や時間帯によって見える景色はさまざま。地域の財産として、これからも愛され、後世に守り継がれていくことでしょう。
 

作品情報
所在地 阿蘇郡産山村大字産山2621-8
施行主等 佐藤 高弘
お問合せ 産山村役場 企画振興課
℡/0967-25-2211


 

そのほかの受賞作品の紹介

◆くまもと景観賞
地域住民と野焼き支援ボランティアが守る「阿蘇の草原」
◆部門賞/地域景観賞
「八代市庁舎」


 

◆部門賞/緑と水の景観賞
「日光の棚田」
◆奨励賞
「ゆずの木 ねむの木 みずたまの木」


 

◆奨励賞
「流水型ダムが彩る立野峡谷」


 

くまもっと編集部

熊本をあいしてやまない「くまもっと編集部」。必見の熊本定番スポットから知る人ぞ知るこだわりの情報まで何でも知ってるモン。

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