「梅田健太郎工房」と「食卓mano」の距離は、車で約2分。「イタリア料理では白い器を使うことが多く、梅田さんの器に憧れつつも、まだ自分の料理を盛り付ける自信がなかったんです」と「食卓mano」村上卓磨さん。その憧れの存在でもある梅田健太郎さんは、愛知の瀬戸や佐賀の唐津で修行を重ね、25年ほど前に帰郷。網田に工房を構え、のぼり窯をつくり、自給自足で作陶活動を行っている。

梅田健太郎工房 のぼり窯

自給自足とは、一体どういうことか?

梅田さんに尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「宇土半島には土も釉薬もあり、原料に困らない場所なんです。産地としては小さいから知られていないだけ。粘土とセットで必要な、珪石や長石、雲母などの鉱物も、山を調べて発見し、地元で採れた原料だけで作品作りを行っています」。

宇土半島の土 釉薬の原料

「登り窯に火入れする際は、山に行き集めた薪を使っています。残った灰は、アクをとり染色に使い、さらに釉薬にも活用。捨てるものは何もなく、無駄がない作品作りをしています」。

梅田健太郎さん

自ら素材を集め、目指す作品に合わせた土づくりを行なっていると言う梅田さん。だからこそ、作品一つひとつ、それぞれ表情が異なり、唯一無二のものが完成するのだ。

梅花皮の抹茶碗
「食卓mano」で使われている梅花皮(かいらぎ)の抹茶腕
梅田さんの作品
素材を最大限に活かした梅田さんの作品は、無骨さを感じるものが多い
梅田工房の作品群
日常品としての器から、置いているだけで圧倒的な存在感を放つ作品までそろう