象がんとは、鉄の地金に純金や純銀を打ち込みさまざまな文様や絵柄を描き出す工芸で、武士の時代、鉄砲や刀の鍔(つば)、煙管などの装飾として発達しました。
武家文化の精神である派手さをおさえた上品な奥ゆかしい美が特徴で、いわば武士の美意識溢れるファッション。雅味(がみ)を表現するため、重厚感と地鉄の美しさに技術がこらされています。
また、地鉄そのものの美しさを大切にするため、地鉄に塗料等を一切使用しないで錆色(さびいろ)だけで仕上げています。
金銀を多用したきらびやかな京都や欧州の象がんに比べ、肥後象がんは地の黒を生かした渋い仕上がり。
今もその伝統的な金工技術を生かしたアクセサリーなどが製作されています。
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伝統工芸品