日本有数の新名所を発見!県南周遊ぶらり旅

内田保知

県南エリア 八代 水俣・芦北 人吉・球磨 体験・アクティビティ ホルモングルメ 日奈久温泉 ひみつ基地 日本遺産
山の中の海軍の町にしき『ひみつ基地ミュージアム』

熊本県南エリアは、八代・芦北・球磨地方と、海と山に囲まれた広大な地域に自然や文化、歴史を巡る観光名所が多く存在しています。また球磨焼酎が有名な人吉球磨は2015年度に「日本遺産」にも認定されました。様々な名所の中から今回紹介するのは、歴史とグルメ、温泉を楽しむ旅。日本でも有数のスポットがある錦町と熊本で最も古い温泉のある八代市を巡ります。

  • ひみつ基地ミュージアム
  • 人吉海軍航空基地跡
  • ホルモンランチ
  • 日奈久温泉

山の中に海軍!? 田園地帯に現れた黒い「ひみつ基地」

球磨郡錦町の広大な田園地帯の中に2018年にオープンした『ひみつ基地ミュージアム』は、太平洋戦争末期に、山の中の球磨盆地に建設された日本海軍の「人吉航空基地」跡に建てられた歴史体験型ミュージアム。教育・兵站目的の施設が特攻・防衛基地に変貌を遂げた歴史等を展示する資料館には、町内に墜落したという零戦の破片も展示。また戦後の姿をそのまま残す総延長233.6mの「地下魚雷調整場」内部を巡る地下壕ガイドツアーも入場料のみで体験可能だ。地下壕内には絶滅危惧種の生き物も多種生息しており、歴史を学ぶのはもちろん珍しい生態系にも触れられるので、ファミリーで訪れるのもオススメ。

正面写真(ミュージアム提供)

資料展示室と観光案内所を併設しており、展示内容も気軽に質問が可能。2021年3月にオープンした新館には、海軍の練習機である九三式中間練習機通称“赤とんぼ”の実物大模型が登場。

赤とんぼ
流星の風貌
施設内の様子画像

基地の歴史を資料や展示物などで詳しく説明。零戦の破片や流星の風防、十四年式拳銃なども展示されている。時間が許せば館内スタッフの説明も是非聞いてみたいところ。

ツアーの様子画像

資料館が建つ錦町木上地区に残る地下施設群の一つに実際に入ることができる。幅5m、高さ5mと迫力満点。約40分のガイドに興味津々

スポット情報(2020年11月13日現在)
スポット名 山の中の海軍の町にしき『ひみつ基地ミュージアム』
住所 熊本県球磨郡錦町木上西2-107
(車載ナビ等には登録がないため、googleなどで検索を)
電話番号 0966-28-8080
営業時間 9:00~16:00(最終入館)
休み 年末年始
駐車場 あり
関連リンク https://132base.jp/base.html(ホームページ)
利用料金 大人(高校生以上)800円、小中学生500円、小学生未満:無料

多くの地下軍事施設が現存。日本有数の戦跡『人吉海軍航空基地跡』

『人吉海軍航空基地』は、球磨郡錦町に太平洋戦争中の1943年(昭和18年)11月に建設が開始された、コンクリート製滑走路や本部庁舎、兵舎等が並ぶ本格的な航空基地。その後70年以上経った現在でも当時造られた地下壕が現存するなど、一般に公開されている戦跡としては日本有数の規模だそう。中でも軍事施設として使用された地下壕は、出入口が100以上にもおよび、なんと総延長4kmとも言われているのだとか。通称“赤とんぼ”と呼ばれた飛行機が格納できるほどの地下壕は、現在『ひみつ基地ミュージアム』でガイドツアーが組まれており、地下魚雷調整場のほか地下作戦室・無線室、地下兵舎壕をガイド付きで巡ることが可能だ。

施設内の様子画像

作戦室や無線室、兵舎、弾薬庫、工場など21種類が計画されていた地下は、計画段階で終戦を迎えたものもあり、活動期間はわずか1年9カ月だった。

施設外観画像

全長1500m幅50mあった滑走路の端に建てられた施設。現在滑走路は除去されているものの並走する道路は一直線。広大な景色は当時のままだ。

施設の周辺の様子画像

滑走路から地下壕までは軽く運動になりそうな山道。今でこそ舗装されているが、当時は発見されないようにけもの道のまま使われていたそう。

スポット情報(2020年11月13日現在)
スポット名 人吉海軍航空基地跡
住所 熊本県球磨郡錦町木上
電話番号 0966-28-8080(ひみつ基地ミュージアム)
営業時間 9:00~16:00(ガイドツアー)
休み 年末年始(ひみつ基地ミュージアム)
駐車場 あり(ひみつ基地ミュージアム)
関連リンク https://132base.jp/base.html(ひみつ基地ミュージアム)

新鮮だから美味い! バラエティ豊かなホルモングルメに舌鼓

球磨郡錦町の『ほるもん街道』では、その名の通りホルモンを使った各店オリジナルの料理が堪能できる。自然豊かな錦町はフルーツの里として知られているが、畜産農家も多く競り市場もある。新鮮なホルモンが容易に手に入ることもあり、飲食店でホルモン料理がよく出されているそう。現在では9店舗が牛の各部位を使ったオリジナルの料理を展開している。定番の煮込み一つとっても各店舗で味付けが様々で、丼やコロッケなどバラエティ豊かな味わいが揃う。食事はもちろんのこと、地元ならではの球磨焼酎とも合わせて楽しみたい。

ホルモン街道チラシ画像

ホルモン煮込みや丼物、コロッケのほか、鯉のホルモンを使った料理など、全9店のメニューが勢ぞろい。テイクアウトもあるので、お土産などにも使えそうだ。

料理の画像

60年以上続く老舗韓国料理店『市房食堂』の「黒ホルモン」は、ミノやハチノス、ギアラなど国産牛肉の新鮮ホルモンを唐辛子ベースの秘伝のタレで味付け。珍しい皮つきで食感の違いも楽しめる。単品のほかに定食も用意。

料理の画像

国道沿いにある洋食の人気店『ペンギン』では、なんとホルモンのコロッケ「ペンギンのたまご」が評判。豚ホルモンと鶏なんこつ、荒くマッシュしたじゃがいもを使うことで、様々な食感が味わえると好評。注文は事前電話確認を。

スポット情報(2020年11月13日現在)
スポット名 ほるもん街道
住所 熊本県球磨郡錦町
電話番号 0966-38-0009(問い合わせ:錦町商工会)

開湯600年の歴史ある温泉でまち歩き。心も体もポッカポカ

600年の歴史を誇る『日奈久温泉』は、八代海と天草諸島を望む海辺にある温泉街。入り組んだ路地や木造3階建ての旅館、肥後特有の八角形のなまこ壁など、当時の風景を色濃く残すノスタルジックな風景はのんびり散歩をするのにぴったり。明治から続くちくわの店も軒を連ね、歩きながらのお供にも。他にも温泉神社や、放浪の俳人種田山頭火が宿泊した全国で唯一現存する木賃宿など、見所がいっぱいだ。ぐるり散歩の後は、アルカリ性単純泉の温泉でゆったり。父の刀傷の回復を祈った子の夢に出てきたことから開湯したと伝えられる「孝行泉」に浸かりながら、日ごろの疲れを癒そう。

日奈久温泉の画像

町内には3軒の立ち寄り湯と16軒の温泉旅館があり、立ち寄り湯には旅行客はもちろん地元の住民も多く訪れる。源泉かけ流しの湯を堪能しよう。

周辺の様子画像

古くは細川藩の藩営の湯としても栄え、薩摩街道の面影を残す路地裏には白壁や木造旅館が並ぶ。多くの旅人を魅了した町並みをのんびり散歩してみては。

日奈久ちくわの画像

日奈久のちくわは明治16年に岩崎和兵衛が獲れすぎて捨てていた魚がもったいないとすり身にして焼いたのが始まり。町の中にはちくわ店が点在しており、買ってそのまま食べるのはもちろんお土産にも最適だ。

スポット情報(2020年11月13日現在)
スポット名 日奈久温泉
住所 熊本県八代市日奈久
電話番号 0965-38-0267
(問い合わせ:日奈久温泉観光案内所(日奈久ゆめ倉庫)
休み 第3火曜、1/1~1/3
(日奈久温泉観光案内所(日奈久ゆめ倉庫)
関連リンク http://www.hinagu-kankou.com/


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内田保知

熊本県熊本市出身。熊本市在住。生まれてこの方熊本を一度も出たことがない熊本大好きのフォトグラファー・ライター。食べ物・人・自然・動物・建築などなど。様々な目に見えるモノたちを写真や文字というカタチにして表現しています。屋号の『しゃもじ』は「写真文字(しゃしんもじ)」の略称。食べることが大好きな私にとって最高の屋号です。

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