歩いて知る自然との生活「北阿蘇の里山ガイド」

くまもっと編集部

阿蘇エリア 自然 温泉 体験・アクティビティ

北阿蘇は小国町、南小国町、産山村の三町村からなるエリア。自然と人の暮らしが融合した魅力あるエリアを発信するべく開催されたモニターツアーに参加してきました。
地図に載っていない道、気が付かない場所、地元ガイドと歩いてみると、気付かされることがたくさんありました。一味違う北阿蘇の魅力を紹介します。

里山散策と町歩き

始まりは南小国町から。自然と人の暮らしが融合した里山を散策します。県道を外れて、民家が並ぶThe地元な道を歩くのは初めて。

地元の人も正式な呼び名が分からないという「火結神社」は、民家より高い位置にあり、里山の風景を眺められるスポット。鳥居から続く階段は苔生しているけれど、手入れがされてあり、ここに住む人々から大切にされているようです。

ガイドのマックスさんは散歩をしながら、苔を観察するのが趣味だそうで、今回のツアーではルーペを使って苔を観察しながら歩きました。
道を歩くとき、建物など大きなものに目が引き寄せられますが、苔に注目して歩いてみるのも中々に面白い体験でした。立ち止まってルーペで観察してみると、苔にも種類があることが分かります。

農業用水路にある井出には、里芋の皮むきに使う芋車がありました。ミニ水車のような形をした芋車の中に泥付きのまま里芋をいれ、川の流れる力で回るように設置すると、泥や根、皮が取れるそうです。きれいな水だからできる、自然を生かした生活の知恵ですね。

木目を魚の目に見立てたアート
樹齢は約1000年と言われる竹の熊の大ケヤキ
地熱・地獄蒸し体験と暮らし探訪

わいた温泉までバスで移動し、わいた温泉郷ゆけむり茶屋に到着しました。
地面から真っ白なけむりが立ち上がる、幻想的な風景の中にも民家があり、人々が暮らしていることが分かります。

地熱を生かした木材乾燥は、小国町が全国に先駆けて行う大変珍しい技術です。蒸気が通る配管を通し、小屋内部の温度を高めて乾燥させた小国杉は、木材の持つ本来の色や艶が保たれた建材になります。
二酸化炭素を排出しない環境に優しく、天然乾燥より早くできる方法です。

地元の人々は、温泉成分を含んだ高温の蒸気を日常生活に組み込んでいます。
乾燥室では洗濯物の乾燥や干し野菜作りに、調理場としての蒸し場やこたつなどの暖房にも地熱が使われています。
ガイドの西田さんと一緒に地元の方々が使っている乾燥室を見学させてもらいました。

乾燥室で干されたピーマンとパプリカを試食。あらかじめ味付けをしているそうですが、野菜の甘さも感じられ、そのままポリポリ食べ続けちゃう美味しさです。
ちゃんとパリパリに乾燥できているのにも驚きでした。蒸気で乾燥って不思議ですよね。

 

ランチはわいた温泉郷・岳の湯の温泉施設「ゆけむり茶屋」に併設されている農福連携レストラン「天空の豆畑」。地熱を活用した料理を提供しており、蒸し料理や地元野菜を使った料理が楽しめます。

若鶏と彩り野菜の蒸篭セット

蒸しかごに入った肉や野菜は、わいた温泉の蒸し場が使われています。余分な脂が落ちた鶏肉はヘルシー、野菜もほっくりと蒸されており、満足できるボリューム感です。バーニャカウダーソースやゴマダレなどの3種類のタレにつけていただきます。

​​​​​​蒸し場で蒸したたまごとさつまいもをおみやげにもらいました。

山吹水源散策

バスに移動して最後の目的地である産山村へ。産山村のフォトスポットでもある扇棚田のすぐ近くに山吹水源はあります。紅葉のピークを迎えていました。
 

ガイドの井さんは草や木に関する知識が深く、まさに森の博士。井さんの話を聞きながら森を見てみると、小さく生っている実や野草の存在に気付けます。

駐車場から10分ほどで山吹水源に到着しました。
毎分30トンもの水が湧き出ている原生林に囲まれた静かな水源です。水源のすぐ手前にある倒木は、冬に積もった雪の重さで傾いていったそう。

杉などの針葉樹は成長が早いため、木材として活用しやすい木です。そのため、一般的な人工林は針葉樹で出来ています。
広葉樹は成長速度が遅いですが、保水率が高い利点があります。産山村では、人工林を整備する際に水を貯える広葉樹を植え、水源を守る取り組みを行っています。

モニターツアー主催

北阿蘇観光会議(小国町・南小国町・産山村)

問合せ先 ASOおぐに観光協会
電話番号 0967-46-4440
イベント情報

●阿蘇の草原マルシェ
期間:2024年1月27日(土) 10時から17時まで

熊本市上通商店街入口のびぷれす広場において、阿蘇の草原に関するパネル展示や阿蘇で生産された季節の野菜や阿蘇地域の特産品を販売します。また、あか牛など阿蘇の特産品が当たる抽選会も行われます。

イベントに関するお問い合わせ
TEL:0967-22-3903(阿蘇地域振興局総務振興課)

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くまもっと編集部

熊本をあいしてやまない「くまもっと編集部」。必見の熊本定番スポットから知る人ぞ知るこだわりの情報まで何でも知ってるモン。

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