熊本のお酒あれこれ~球磨焼酎~④

  • DC2026

地名を冠に世界に誇る『球磨焼酎』

熊本の最南端に位置する人吉球磨は、九州山系の懐深い山々に囲まれた盆地にあり、その美しい山々から良質の水が流れ出しています。
盆地特有の寒暖の差が激しい気候と豊かな大地が、熊本でも有数の米どころを作り上げ、この米から造る極上の本格焼酎『球磨焼酎』が誕生しました。
その歴史は古く、500年の伝統と歴史、文化を現代に伝えています。
現在、人吉球磨地域に藏を構える27の蔵元は、それぞれに個性ある銘柄を持ち、すべてをあわせると200以上のブランドを誇っています。

『球磨焼酎』はスコッチやコニャック、ブランデーなどと同様に、WTO加盟国が保護するGI(地理的表示)に指定されたブランドです。
生産地の名前を正式に名乗ることが認められ、国内だけでなく国際的にも名称が守られているため、品質の確かさを世界に向けて発信できる存在です。

熊本が誇る伝統の酒『球磨焼酎』をどうぞご堪能ください。

合資会社大石酒造場

創業1872年(明治5年)
熊本県最大の河川・球磨川の最上流に位置する蔵。
長期琥珀熟成酒「大石」をはじめ、地元で親しまれる「鬼倒」、新酵母KF7を使用した華やかな香りと甘みが特徴の「礼世奈」など、米焼酎を中心に製造しています。
原料米へのこだわりも強く、自社の大石農場で栽培する「ひのひかり」「森のくまさん」「吟のさと」「山田錦」に加え、契約栽培による無農薬の五百万石などを使用し、安心・安全な焼酎造りを行っています。長期熟成も大きな特徴で、天井近くまで並ぶ約1200本の樽でじっくり熟成させ、それぞれの個性を生かしてブレンドし独自の味わいを生み出しています。常圧焼酎は甕でゆっくり寝かせ、まろやかでコクのある仕上がりに。昔ながらの技術を大切にしながら、原料・酵母・熟成への探求と新しい発想を取り入れ、焼酎造りを続けている蔵元です。

★代表銘柄

長期琥珀熟成させた米焼酎
華やかで甘みのある米焼酎
スポット情報(2026年4月1日現在)
スポット名 合資会社大石酒造場
住所 熊本県球磨郡水上村岩野1053
電話番号 0966-44-0001
ホームページ http://www.ohishi-shuzohjyo.jp

合資会社豊永酒造

1894年(明治27年)創業
創業当初から自社田で育てた米を使い焼酎を仕込むなど、原料づくりからこだわる酒造りを続けています。
その理念をさらに発展させ、1986年からは持続可能な農業と醸造を目指し、「有機球磨米」を原料とした有機焼酎「豊永蔵」を中心にオーガニック焼酎造りに取り組んでいます。球磨の土壌・風土・気候という❝テロワール❞を大切にし、「球磨の原料・球磨の水・球磨の人」による地域に根差した酒造りを実践。地元契約農家とともに、有機JAS認定の原料を蔵人の手で育てています。
仕込みは球磨焼酎五百年の歴史を受け継ぐ蔵人が、一仕込みごとに丁寧に行い、自然でやさしい味わいの焼酎を生み出しています。

★代表銘柄

球磨産有機米100%使用 華やかな香りとすっきりとした味わい
球磨産有機米100%使用 香ばしくて甘みのある味わい
スポット情報(2026年4月1日現在)
スポット名 合名会社豊永酒造
住所 熊本県球磨郡湯前町1873
電話番号 0966-43-2008
ホームページ http://www.toyonagakura.com

有限会社林酒造

江戸中期 創業
「一酌は げにこよなきと人の云う 味も香りも良いも極楽」 そんな言葉にふさわしい焼酎を醸す蔵元。
蔵を守る15代目は、先代から受け継いだ焼酎造りを愚直に守り続けることを信条としています。
創業以来の井戸水と伝承の技を大切にしながら、新しい技術も取り入れ、米本来の豊かな風味とコク、旨みのある焼酎を造り続けています。銘柄「極楽」には、地元球磨地方の良質な米を使用し、球磨川の清らかな水と風土が育む伝統の味わいが息づいています。
蔵の周辺には、国指定重要文化財の生善院観音堂(通称・猫寺)や、歴史ある寺院跡などが残り、古くから参拝者が集う地でもありました。かつて参拝客がこの茶屋で焼酎を楽しんだとも伝えられています。
これからも伝統の技に革新を重ねながら、確かなブランドの確立を目指して歩み続けています。

★代表銘柄

常圧焼酎のうまみが楽しめる焼酎
フルーティでやわらかに甘い香り きめ細かな口当たりであと切れがよい焼酎

スポット情報(2026年4月1日現在)
スポット名 有限会社林酒造場
住所 熊本県球磨郡湯前町下城3092
電話番号 0966-43-2020
ホームページ http://www.gokuraku-shochu.jp/01/index.html

有限会社渕田酒造本店

1813年(文化10年)創業
1869年(明治2年)に明治政府から焼酎製造の許可を得たと伝われています。
鉄道建設のため、1908年(明治41年)に現在地へ移転した球磨焼酎の蔵。
球磨村に位置し、日本でも屈指の規模を誇る鍾乳洞「球泉洞」の近く、球磨川流域では最下流にあたります。
蔵の前には看板はなく、一見すると焼酎藏とは気づきにくいですが、ひとたび足を踏み入れると百年以上の時が醸し出す風格と、凛としたただ住まいを感じさせます。
創業時から使われてきた甕を今も大切に守り、麹造りから仕込み、蒸留まで甕仕込みによる手造りを貫いています。
「嘉左衛門さんの焼酎」と親しまれ、古酒は今も甕や樽の中で静かに熟成を重ねています。

★代表銘柄

6・4のお湯割りか水割りでお召し上り下さい
ロックでフルーティーな香りをお楽しみ下さい
スポット情報(2026年4月1日現在)
スポット名 有限会社渕田酒造本店
住所 熊本県球磨郡球磨村一勝地甲422-1
電話番号 0966-32-0005

六調子酒造株式会社

1923年(大正12年)創業
球磨盆地の中心に位置する霧深い里、錦町に蔵を構えています。
たわわに実る良質な米と、球磨川水系の清冽な地下水を原料に、500年の歴史と伝統をもつ球磨焼酎の技術を継承している蔵元です。
数ある球磨焼酎の蔵元の中でも、常圧蒸留の貯蔵熟成を主力としており、年間を通じて温度変化の少ない環境を整えた樽貯蔵室で24時間体制の温度管理を行うなど、貯蔵技術の研鑽に力を注いでいます。
こうして生まれる「六調子」は、単なる酒にとどまらず、文化であり芸術ともいえる存在です。
人間国宝・芹沢珪介氏によるラベルの「特吟六調子」や、熊谷守一画伯の書を用いた古酒「心月」など、品質と美が調和した世界観を体現しています。

★代表銘柄

味と香りとコクが渾然と調和
球磨焼酎の原点を語る一本
スポット情報(2026年4月1日現在)
スポット名 六調子酒造株式会社
住所 熊本県球磨郡錦町西1013
電話番号 0966-38-1130
ホームページ http://rokuchoshi.official.ec

常楽酒造株式会社

1912年(大正元年)創業
球磨川がもたらした肥沃な大地の天然水と、九州産・熊本県産を中心とした厳選された国産原料を用い、球磨焼酎をはじめ、本格芋焼酎・本格麦焼酎・リキュールの製造を行っています。
大量生産に頼らず、昔ながらの贅沢な製法を守りながら、熟練の杜氏を中心に若い蔵人へと球磨焼酎の伝統を継承しています。
創業以来の味わいを大切にする一方で、新たな商品づくりにも積極的に取り組んでいます。
蔵では麹造りや蒸留、ろ過に至るまで高水準の醸造を追求し、温度変化の少ない地中に熟成タンクを埋設するなど、安定した焼酎造りを実践しています。
さらに800本の樫樽を備えた貯蔵庫で長期熟成を行い、熟練のブレンダーが複数の樽原酒を丁寧にブレンド。
艦評会で数々の優等賞を受賞するなど、こだわり抜いた味わいを生み出しています。

★代表銘柄

清酒用麹でお米のふくよかな甘み旨みを存分に楽しめる
人吉球磨盆地の風土の中で樫樽で熟成した芳醇な樽焼酎の逸品
スポット情報(2026年4月1日現在)
スポット名 常楽酒造株式会社
住所 熊本県球磨郡錦町一武2577-13
電話番号 0966-38-4371
ホームページ http://www.joraku.co.jp/

◎球磨焼酎蔵ツーリズム◎

球磨焼酎の蔵元の中には、飲み比べや仕込み体験など、焼酎造りの魅力を間近で体感できる体験プランを実施している蔵があります。
蔵ごとの個性やこだわりに触れながら味わう球磨焼酎は、より一層奥深く感じられるはずです。
500年以上受け継がれてきた球磨焼酎の伝統と、蔵人の想いに触れながら味わう一杯は、きっと特別な思い出になることでしょう。
人吉球磨を訪れた際は、ぜひ蔵元体験に参加して、球磨焼酎の奥深い魅力を体感してみてください。