熊本のお酒あれこれ~球磨焼酎~③

  • DC2026

地名を冠に世界に誇る『球磨焼酎』

熊本の最南端に位置する人吉球磨は、九州山系の懐深い山々に囲まれた盆地にあり、その美しい山々から良質の水が流れ出しています。
盆地特有の寒暖の差が激しい気候と豊かな大地が、熊本でも有数の米どころを作り上げ、この米から造る極上の本格焼酎『球磨焼酎』が誕生しました。
その歴史は古く、500年の伝統と歴史、文化を現代に伝えています。
現在、人吉球磨地域に藏を構える27の蔵元は、それぞれに個性ある銘柄を持ち、すべてをあわせると200以上のブランドを誇っています。

『球磨焼酎』はスコッチやコニャック、ブランデーなどと同様に、WTO加盟国が保護するGI(地理的表示)に指定されたブランドです。
生産地の名前を正式に名乗ることが認められ、国内だけでなく国際的にも名称が守られているため、品質の確かさを世界に向けて発信できる存在です。

熊本が誇る伝統の酒『球磨焼酎』をどうぞご堪能ください。

木下醸造場

1862年(文久2年)創業
熊本県南部・人吉盆地の東に位置する多良木町、良質な米に恵まれた環境のもとで焼酎造りを続ける蔵元です。
球磨地方の民謡「六調子」に詠われる❝多良木の文蔵じい❛❜が創業者であり、その名を冠した銘柄「文蔵」を展開しています。
江戸時代の茶屋の面影を残す蔵では、手づくり麹、甕仕込み、常圧蒸留という伝統製法を守り、米の風味を生かした焼酎を少量生産し、芳醇な香りとコク、ふくよかな味わいを追求しています。ホーローやステンレスのタンクに加え、タイル張りの地下タンクや甕でじっくりと貯蔵。独特の香りと深い味わいを備えた長期貯蔵酒を目指しています。
華やかさや新奇さよりも、どこか懐かしさを感じさせる味わいを大切にしている蔵元です。

★代表銘柄

芳醇でふくよかな味わい
まろやかな長期貯蔵酒
スポット情報(2026年4月1日現在)
スポット名 木下醸造場
住所 熊本県球磨郡多良木町多良木785
電話番号 0966-42-2013

房の露株式会社

1907年(明治40年)創業
「最高品質の焼酎をお客様に届けること」を信念に歩み続けてきた蔵元。
豊かな自然に育まれた酒造りの文化を大切にしながら、決して妥協しない姿勢で焼酎造りに情熱を注いでいます。
単に伝統を守るだけでなく、時代の変化に合わせてその真髄をさらに深めていくことを重視。職人の技や設備、麹や酵母などの進化を取り入れながら、伝統を積み重ねるように酒造りを進化させてきました。その積み重ねこそが蔵元の精神であり、独自の風味を形づくっています。
杜氏から杜氏へと受け継がれてきた熟練の技に、それぞれの感性が重なり合い、伝統の中から新たな個性が生まれます。より美味しい焼酎を追求し続ける姿勢こそが、房の露の根幹です。

★代表銘柄

深みのある味わい
フルーティな香り
スポット情報(2026年4月1日現在)
スポット名 房の露株式会社
住所 熊本県球磨郡多良木町多良木568
電話番号 0966-42-2008
ホームページ http://www.fusanotsuyu.co.jp

合資会社宮元酒造場

300年以上前に「萬屋」として創業
長い歴史を誇る蔵元です。
蔵の中では湯気が立ち上る中、杜氏たちが昔ながらの木桶で米を蒸し、温度計に頼らず触感を頼りに仕込みを行います。
木桶コシキや石室による麹づくりなど、伝統的な手造りにこだわり続けています。
平成6年に発売された「九代目」は、米本来の風味と甘みを生かした、まろやかでバランスの良い味わいが特徴です。大量貯蔵のホーロータンクに頼らず、5年間の甕貯蔵を行うことで、酒に近い繊細な焼酎に仕上げています。
このほか、樫樽熟成の「九代目みやもと」、上品で味わい深い「九代目常圧」、毎年7月出荷の限定品「九代目かめ貯蔵」、無濾過でコクのある「萬屋玄」など、多彩な商品を展開しています。

★代表銘柄

コクのある個性豊かな逸品
スポット情報(2026年4月1日現在)
スポット名 合資会社宮元酒造場
住所 熊本県球磨郡多良木町黒肥地790
電話番号 0966-42-2278

抜群酒造合資会社

1923年(大正12年)創業
目指しているのは「毎晩の晩酌はこれでいい」と思ってもらえる、日々の食卓に寄り添う焼酎。一日の終わりに家族の笑顔とともに杯を傾け、「やっぱりこれだ」と感じられる、そんな親しみ深い一杯を追求しています。
焼酎造りは麹造りから始まり、うまみや甘み、コク、香りの調和を生み出すため、すべての工程で徹底した品質管理を行っています。仕込みが本格化する10月から5月まで、気温や湿度が大きく変化するなかでも、安定した品質を保つには高い技術と経験、そしてたゆまぬ努力が欠かせません。
「いつも変わらぬ製品を届け続ける」ことを目標に、日常に寄り添う焼酎造りへの挑戦をこれからも続けていく蔵元です。

★代表銘柄

お米と水だけで作られたソフトな味わいの伝統球磨焼酎
特別長期貯蔵酒ブレンド甘口で香りの良さがきわだつ逸品
スポット情報(2026年4月1日現在)
スポット名 抜群酒造合資会社
住所 熊本県球磨郡多良木町黒肥地1662
電話番号 0966-42-2172
ホームページ http://www.batsugun-syuzou.com/

株式会社恒松酒造本店

1917年(大正6年)創業
かつて鶴が羽を休めていたことに由来する地名が残る、豊かな自然と歴史に恵まれた土地で焼酎造りを続けています。
「美味しい焼酎は良質な原料から生まれる」という考えのもと、原料には球磨産にこだわり、蔵の周囲で蔵人自らが米(ひのひかり)を栽培。苗づくりから焼酎になるまで、手間を惜しまず大切に育てています。
また焼酎造りに欠かせない水には、地下から汲み上げた清冽で癖のない球磨の天然地下水のみを使用しています。
原料や仕込みのこだわりをそのまま味わってもらうため、無濾過での瓶詰を積極的に採用。機械濾過に頼らず、真冬の寒冷期に手作業で余分な油分だけを取り除き、旨みをしっかりと焼酎に残しています。
創業以来、研究心を忘れず、本格焼酎本来の味わいを追求し続けている蔵元です。

★代表銘柄

吟醸香とほのかな甘さ
フルーティーでオンザロックがお勧め
スポット情報(2026年4月1日現在)
スポット名 株式会社恒松酒造本店
住所 熊本県球磨郡多良木町多良木1022
電話番号 0966-42-2381
ホームページ http://www.tsunematsu-shuzo.com/

有限会社松下醸造場

1804年(文化元年)創業
日本三大急流の一つ・球磨川の源流に位置する水上村で、豊かな水と風土に恵まれた環境のもと、二世紀以上にわたり焼酎造りを続ける最古の蔵元です。
九州中央山地の麓に広がる自然豊かな地域で、米づくりから精米まで自ら行い、新米の季節から寒仕込みで焼酎を仕込んでいます。
焼酎造りは農業から始まり文化を伝えること、という考えを大切にしています。
球磨の人・水・米にこだわり、自らの目と手で確かめながら受け継がれてきた伝統。戦時中には蔵の古文書を防空壕に持ち込み守り抜いたと伝えられるなど、歴史と想いが今も息づいています。
自然への感謝とともに、昔ながらの酒造りを続ける蔵元です。

★代表銘柄

全てが手造りで醸す本場球磨焼酎
飲み易く どことなくフルーティーな仕上がり
スポット情報(2026年4月1日現在)
スポット名 有限会社松下醸造場
住所 熊本県球磨郡水上村岩野2582
電話番号 0966-44-0010
ホームページ https://www.matsushitashuzo.com

◎球磨焼酎蔵ツーリズム◎

球磨焼酎の蔵元の中には、飲み比べや仕込み体験など、焼酎造りの魅力を間近で体感できる体験プランを実施している蔵があります。
蔵ごとの個性やこだわりに触れながら味わう球磨焼酎は、より一層奥深く感じられるはずです。
500年以上受け継がれてきた球磨焼酎の伝統と、蔵人の想いに触れながら味わう一杯は、きっと特別な思い出になることでしょう。
人吉球磨を訪れた際は、ぜひ蔵元体験に参加して、球磨焼酎の奥深い魅力を体感してみてください。