熊本のお酒あれこれ~球磨焼酎~②

地名を冠に世界に誇る『球磨焼酎』
熊本の最南端に位置する人吉球磨は、九州山系の懐深い山々に囲まれた盆地にあり、その美しい山々から良質の水が流れ出しています。
盆地特有の寒暖の差が激しい気候と豊かな大地が、熊本でも有数の米どころを作り上げ、この米から造る極上の本格焼酎『球磨焼酎』が誕生しました。
その歴史は古く、500年の伝統と歴史、文化を現代に伝えています。
現在、人吉球磨地域に藏を構える27の蔵元は、それぞれに個性ある銘柄を持ち、すべてをあわせると200以上のブランドを誇っています。
『球磨焼酎』はスコッチやコニャック、ブランデーなどと同様に、WTO加盟国が保護するGI(地理的表示)に指定されたブランドです。
生産地の名前を正式に名乗ることが認められ、国内だけでなく国際的にも名称が守られているため、品質の確かさを世界に向けて発信できる存在です。
熊本が誇る伝統の酒『球磨焼酎』をどうぞご堪能ください。
深野酒造株式会社
1823年(文政6年)創業
「量産より良産」を信条とする蔵元。
蔵の裏には、400年以上前に造られたと伝わる人工の水路が流れ、清らかな水とともに焼酎造りの歴史を刻んできました。
完全手造りの蔵には、150年以上前に作られた土甕が並び、仕込みの時期には蒸しや発酵など、蔵ならではの音が静かに響きます。
杜氏はその微かな音の違いを聞き分け、緊張感の中で一つひとつの工程を丁寧に進めています。伝統を支える人と道具、そして頑固なまでのこだわりが、時代とともに味を磨き続けてきました。
蔵は見学や試飲にも対応し、甕で10年熟成させた秘蔵酒を味わえるのも魅力。造りだけでなく、訪れる人をもてなす心を大切にする蔵元です。
★代表銘柄
減圧蒸留の癖の無さは和食にピッタリ!
| スポット名 | 深野酒造株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 熊本県人吉市合の原町333 |
| 電話番号 | 0966-22-2900 |
| ホームページ | http://www.shop-fukano.jp/ |
株式会社福田酒造
1935年(昭和10年)創業
天草郡苓北町出身の初代・福田國彦が人吉市に創業した蔵元。
華やかで清らかな酒質を目指し、「効率より品質」を信条に、蔵内の清潔さと麹・酵母の温度管理を徹底しています。
球磨焼酎500年の伝統を守りながら、製麹の機械化や減圧蒸留の導入など、時代に応じた技術革新にも積極的に取り組んできました。
現在は「山河」「はなてばこ」などを主力銘柄とし、熊本国税局酒類鑑評会で数多くの優等賞を受賞。
伝統と進化を両立させながら、より良い焼酎造りを続ける蔵元です。
★代表銘柄
| スポット名 | 株式会社福田酒造 |
|---|---|
| 住所 | 熊本県人吉市西間下町137の2 |
| 電話番号 | 0966-22-2507 |
| ホームページ | http://www.fukudashuzo.com |
合資会社寿福酒造場
1890年(明治23年)創業
常圧蒸留一筋を守り続けている蔵元です。
「蒸留酒は熟成によってこそ、まろやかで芳醇な風味を生み出す」という信念のもと、特に常圧蒸留で造られた焼酎の熟成に重きを置いています。
地元産新米100%を原料に、全工程を手作業で行い、一本一本に心を込めた焼酎造りを続けています。
常圧蒸留で造られた焼酎は、熟成を重ねることで旨みが増し、まろやかで芳醇な味わいへと育ちます。
米焼酎ならではのほのかな甘みと、濃厚なコク、そしてキレの良さが特徴の本格球磨焼酎「武者返し」は、時間と手間を惜しまない蔵の信念を体現する一本です。
★代表銘柄
| スポット名 | 合資会社寿福酒造場 |
|---|---|
| 住所 | 熊本県人吉市田町28-2 |
| 電話番号 | 0966-22-4005 |
繊月酒造株式会社
1903年(明治36年)創業
相良藩の居城の別名「繊月城」に由来する名を持つ蔵元は人吉城と球磨川を望む地で創業。
創業当初から蔵専属の杜士制度を築き、現在は6代目杜氏が代々受け継がれてきた技を守り続けています。
中でも3代目杜氏・淋豊 嘉 (そそぎとよか)は、焼酎界で初めて「現代の名工」に選ばれ、その技と精神は今も蔵の礎となっています。
代表銘柄「繊月」は、芳醇な香りとまろやかな味わいで地元に親しまれる一本。
また、清流・川辺川の水と相良村産米のみで造られる「川辺」は国際的な酒類品評会で最高金賞を受賞するなど、高い評価を得ています。
★代表銘柄
| スポット名 | 繊月酒造株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 熊本県人吉市新町1番地 |
| 電話番号 | 0966-22-3207 |
| ホームページ | http://www.sengetsu.co.jp/ |
株式会社鳥飼酒造
1800年(江戸時代)頃より製造を始める
400年以上酒造りを続ける酒蔵。
1994年に、現在唯一の商品である本格米焼酎「吟香鳥飼」を開発し、本格焼酎として初めて吟醸香の表現に成功しました。
発売後は首都圏を中心に支持を広げ、現在では全国で親しまれています。
2000年には草津川流域の自然を守るため山林を取得し、排水を一切川に流さない蒸溜所を建設。2007年には自然に囲まれた丘の上に麹蔵を新設しました。
発売から20年以上経た今も品質向上を追求しており、七日町の実験室では若手研究者が毎年1000タイプのサンプルを制作し、技術革新に挑戦しています。
★代表銘柄
| スポット名 | 株式会社鳥飼酒造 |
|---|---|
| 住所 | 熊本県人吉市七日町2 |
| 電話番号 | 0966-22-3303 |
| ホームページ | http://torikais.com/en/ |
髙橋酒造株式会社(多良木工場)
1900年(明治33年)創業
一世紀以上にわたり米を原料とした球磨焼酎を造り続けてきた蔵元です。
本格米焼酎「白岳」「しろ」を国内外28ヵ国で展開し、焼酎メーカーとして全国7位の売上規模を誇ります。
伝統を守りつつ減圧蒸留法などの技術革新にも積極的に取り組み、「日本の米で造る本格米焼酎こそが、日本酒と並ぶ日本を代表する酒になり得る」という信念のもと、原料である米に徹底してこだわった商品開発とブランディングを推進しています。
産地呼称ブランド「球磨焼酎」を守りながら、本格米焼酎の食中酒としての魅力や文化性を発信し、伝統と革新の両立に挑戦し続けています。
★代表銘柄
軽快で飲みやすく飽きがこないうまさ
| スポット名 | 高橋酒造株式会社(多良木工場) |
|---|---|
| 住所 | 熊本県球磨郡多良木町奥野813 |
| 電話番号 | 0966-42-2366 |
| ホームページ | http://www.hakutake.co.jp |
有限会社那須酒造場
1917年(大正6年)創業
奥球磨・球磨川上流南側の穀倉地帯に位置する家族経営の蔵元です。
初代杜氏から受け継がれてきた伝統製法を守り続け、現在は4代目がその技を継承しています。
身内のみで営む小規模な蔵だからこそ実現できる手造りにこだわり、昔ながらの道具を用いて機会に頼らない焼酎造りを続けています。手で触れ、香りを確かめ、五感を研ぎ澄ませながら、刻々と変化する焼酎と向き合っています。
代表銘柄「球磨の泉」は創業以来一世紀以上造られてきた一本です。真っ赤なラベルは「くまもとの赤」認定商品にも選ばれ、球磨焼酎の王道として親しまれています。
★代表銘柄
| スポット名 | 有限会社那須酒造場 |
|---|---|
| 住所 | 熊本県球磨郡多良木町久米695 |
| 電話番号 | 0966-42-2592 |
◎球磨焼酎蔵ツーリズム◎
球磨焼酎の蔵元の中には、飲み比べや仕込み体験など、焼酎造りの魅力を間近で体感できる体験プランを実施している蔵があります。
蔵ごとの個性やこだわりに触れながら味わう球磨焼酎は、より一層奥深く感じられるはずです。
500年以上受け継がれてきた球磨焼酎の伝統と、蔵人の想いに触れながら味わう一杯は、きっと特別な思い出になることでしょう。
人吉球磨を訪れた際は、ぜひ蔵元体験に参加して、球磨焼酎の奥深い魅力を体感してみてください。